出会いは気まぐれに・・・03
彼女はゆっくりと頷く。
あまりにも衝撃過ぎて絶句してしまったが、背をつけ、額に手を当てて呪文のように(落ち着け)(何かの間違いだと)気持ちを落ちつかせようとしていると彼女はゆっくりと口を開いた。
「‥‥もしかして‥‥お迎え?」
その言葉を聞いた彼は振り向いた。
「いや‥‥そうじゃない」
むしろその逆だった。
ゆっくりと地面に着地すると真っ直ぐ彼女を見る。
驚いた表情をする彼女の両目はオッドアイ。両目とも違う目の色をしていて、ハーフなのだろうか?顔つきも日本人特有の丸顔ではなかった。
「あっ‥‥その‥‥」
何を言ったらいいのか、戸惑ってついつい口篭ってしまっていると彼女はクスクスと笑った。
「変でしょ。私‥‥人と違う目だし。それに日本人じゃない。外国と日本のハーフ‥‥なんてことはなくて。両親は日本人なの。それ以上は何も聞かないでほしい。それに‥‥今しようとしていることもなにもしないで欲しい。」
彼女はゆっくりと足を動かした。
「‥‥‥‥私は生きることに疲れたから‥‥眠りたいだけだから」
そういう彼女はどこか寂しそうで‥‥とてもとても遠いところをただ1点に見ていた。
その瞳は生きることに疲れたような‥‥だけどどこか迷いがあるような‥‥
それは、死を求めてる。だけど死ぬのが怖い。怖いけど‥‥生きることに意味がないと思っているのかもしれない。
「疲れるかぁ‥‥そう言われても困るんだけど。死なれても困る。僕の仕事が増えるからね」
「あら。良かったじゃない‥‥その分、お金が貰えるわ」