季節の変わり目05
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包帯を巻き終わった先生は一旦、立ち上がり、目の前にいる琥雅に気付いていないのか先生は琥雅の身体をすり抜け、消毒液を棚に戻した。
「先生、ちょっと職員室に行くから待っててね」
「‥‥‥‥‥‥」
無反応の火無菊にため息をして何も言わず保健室を出た。
扉が完全に閉まると火無菊は琥雅を見上げた。
「お前さぁ‥‥何者?」
「え?‥‥いや‥‥んー‥‥人の命と関わりがあるけれど‥‥」
「生きてる人間じゃないのは確かだよな。」
「まぁ‥‥‥‥って、ボクのことよりもこの学校は君に冷たすぎないか?傷だって。救急車を呼ばないで応急処置ぐらいだ。ちゃんと病院で見てもらった方がいい。」
「昨日‥‥こいつが言っただろ。嫌われ者なんだよ。見ればわかるだろ?日本人なのに黒髪じゃないし、瞳は両目とも違う色をしているオッドアイだ。薄気味悪いんだと。前にな‥‥たまたま聞いちゃったんだ。」
「‥‥‥‥だからって‥‥おかしいだろ」
「おかしくはない。こいつも悪いしな。いじめられる側はいじめをする側もそうだけどいじめられる側も何かしらあるんだ。性格が少し暗いし、おとなしいからいじめ対象になったと思うけど」
火無菊は立ち上がってすぐ近くにあったベットにダイブした。
衝撃でスプリングが軋んだ。
「‥‥‥‥俺は‥‥いじめられてすぐに生まれたんだ。そしてこいつはよく心を閉ざすようになった。現実から目を逸らそうと。俺はそれでもいいと思ってる。俺がこいつを守るから。」
「‥‥‥‥待って。状況が‥‥‥‥」




