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プロローグ
暗黒の空、裂ける大地。
沸き起こる叫び声、金属の衝突音、そして生臭い鉄の臭い。
群がる人の形をした黒き者たち。
中心には抗い、戦い、死んでいった者の成れの果てが幾千、幾万と積み上げられている。
その上に漆黒の翼を広げ立ち上がる竜。その背中に跨り、黒いローブを目深に被り右手には血を帯びた死を象徴するような黒い漆黒の剣を構える。
そして狂気と復讐心に身を任せ新たな獲物を捜しあたりを見渡す。
突如として暗黒を引き裂き降り注ぐ光、沸き立つ白き炎。
光とともに一人の者が片手に白銀の槍を携え降りてくる。白い布を身にまとい、背中には純白の翼が生えていた。
その者は槍を大地に振りかざす。矛先から眩い光が大地に向け走った。
光は大地の闇を打消し、目の前は何も見えなくなるほどの白銀の世界へ―――――
ピピピ、ピピピ、ピピピ
目覚まし時計が忙しく鳴り響き、俺はそこで目を覚ました。