第七章
資源不足に悩んだイオニアス・ブリブリブスは国際社会からやや孤立したロシアと貿易を再開することにした。首脳会議が開かれ、当然日本に不利な内容な条約となった。ところが、ロシア大統領のボチャンチンが「あ」と言って外交文書にコーヒーをこぼしてしまった。その結果、日本に有利な内容の条約となり、資源をスムーズに確保できるようになった。イオニアス・ブリブリブスの支持率は上がり、翌日の新聞では茶色くなった外交文書を掲げ満面の笑みを浮かべるイオニアス・ブリブリブスの写真と国民と軍隊に追い回されるボチャンチンの写真が報道された。
イオニアス・ブリブリブスの支持率は確かに上がったが、民主化勢力の勢いはあまり衰えず、未だにビチョビチョマン同士の争いが続いていた。そこで、私はある程度民主主義の制度を取り入れ、最終的に選挙を行って勝てば安定した権力を手に入れられるだろう、と提案した。この案が認められ、まず憲法を作ることにした。どの憲法を参考にするか悩んだが、「17条の憲法」を参考にすることにした。数日後、様々な協議を経て、「三条の憲法」を作った。「前文」この国に憲法など存在しない。「一条」万物の源はコバエである。「二条」万物の源は銀行強盗である。「三条」この憲法はこれで全てである。 新憲法制定の式典が開かれ、憲法の内容が公になった。賛否両論であり、民主化勢力はかえって強硬になってしまった。
そこで皇国政府は「三条の憲法」の第一条に基づいて年内に選挙を行って国会を開くことを約束し、政党の結成も認めた。イオニアス・ブリブリブスが党首の「銀行強党」、彼の信者が党首の「コバエ党」、旧自由民主党総裁が党首の「自由な党」、ニンジンジンが党首の「農村革命党」などが結成された。政府与党の支持率は民主化勢力に劣っていることが分かり、選挙までにどうにかする必要があった。
なんと松原町が今年のオリンピック開催地に決まり、私たちはオリンピックの実行委員になってしまった。寝耳に水だ。きっとイオニアスが根回ししていたのだろう。オリンピックはまだ早いと思うが、決まってしまった以上仕方がない。まず、聖火ランナーを募集することにした。松原町を十周するという内容だったので、誰もやりたがらず、仕方がないので中国人官吏の「強強男」に任せた。日本人ではないが、君主であるイオニアス・ブリブリブスですらギリシャ人なのだから問題ないだろう。その後会場の工事が急ピッチで進められ、綿密な計画が練られ、当日を迎えることになった。
当日、強強男がスタートラインに立つ。しかし、スタッフのチャッカマンが壊れたせいか、なかなか火がつかない。そこで、火がついていない状態でスタートし、途中でホームセンターによってチャッカマンを買うことにした。強強男がホームセンターに着いた。が、お金を持っていないことに気付いた。仕方がないのでチャッカマンと聖火をともすトーチを交換した。すると、トーチがないので聖火をともすことができないことに気付いた。悩んだ末、火をつけたチャッカマンを掲げて走ることにした。通行人に「放火犯がいる」と通報された。強強男は警察にチャッカマンを見せながら、「私は聖火ランナーです」と言った。逮捕された。会場に設置されたテレビでは事の一部始終が映っていて、「速報:聖火ランナー逮捕」というテロップが出た。イオニアス・ブリブリブスは顔を真っ赤にしたため、側近の風林火山は慌てて「開会式で取り返せますよ」と言った。
開会式でイオニアス・ブリブリブスは「万物の源はコバエである」と宣言し、「世界平和を祈る」ためコバエ1000匹を会場に放った。コバエは人々に容赦なく襲い掛かり、人々は悲鳴を上げ避難所に逃げ込んだ。イオニアス・ブリブリブスは「この忌々しいコバエどもめ!」と言い、背中に背負っていた銃を乱射した。コバエは全滅した。そして白けた空気の中選手が入場した。最後に日本の選手団が尺取虫のように入場した。風林火山は慌てて「きっと本番では活躍しますよ」と適当を言った。
イオニアス・ブリブリブスはオリンピック実行委員会が提案した「新現代種目」である「サカー」の試合を見に行った。幅の広い坂道でサッカーをするというもので、明らかに坂下のチームが不利そうだった。日本勢は坂下で、ぼろ負けした。風林火山は慌てて「ほかの競技を見に行きましょう」と言った。彼らは「バケスットボール(バスケットボールの改良版)」、「ニス(テニスの改良版)」、「宅急(卓球の改良版)」などの試合を見たが全てにおいて日本は最下位であった。風林火山は「パラリンピックならどうでしょう」と言った。ちょうど「車いす水泳」が行われていた。選手は一生懸命水中で車いすを動かしていた。だが、毎秒数ミリ程度しか進んでおらず、実況は帰宅し、解説は「この光景がこの国のすべてを物語っています」と言っていた。幸いイオニアスには聞かれていなかったようだった。この競技はパラリンピック期間中に終わらなかった。
日本の選手団は全員夜逃げした。警官はこのことを説明する責任を負わされ、IOC事務総長のビル氏に会うことになった。警官は話題をそらすため、「あなたの妻のビルビルと息子のボブがマフィアに誘拐されました。」と噓をついた。そして地図の適当な地点を指さし、「あなたはここにある建物に爆薬を乗せたリムジンで突っ込んでもらいます。私はその後ろについてきて、爆発の混乱に乗じて彼らを助け出します。」と言った。ビル氏は「無理じん」と言って拒否したが、警官は彼を運転席にしばりつけ、ブレーキを外し、手とハンドルを接着剤でくっつけてしまった。リムジンは勢い良く発進した。その頃、ボブはコンビニでたわしを買っていた。そこにリムジンが突っ込んできて、ビルとボブは合体し、ボブビルになってしまった。その後、例年よりも早い閉会式が行われた。これらの一連の騒動により、イオニアス・ブリブリブスの支持率は地に落ちてしまった。




