第十章
国連で「ブリブリバン対策会議」が開かれた。議長を務めるのはドイツの首相「クソベルリン」であった。スピーチでの彼の第一声は「天皇屁以下三歳」だった。その後紆余曲折を経て「クソベルリン条約」が成立した。条約の内容:「クソベルリン条約 前文 この条約は天皇が屁以下の存在であり、しかも三歳であることを確認するものである。第一条 この条約はクソベルリンがじゃんけんで敗北した時、失効する。第二条 後で考える」これでは話にならん。しかし、思い出したようにアメリカの代表が言った。「わが国ではニクマンジーZを参考にした強力なロボット『ヱヴァソゲリフン』を極秘で開発しました。攻撃性能が高いのでブリブリバンを簡単に仕留めることができるでしょう。」こうしてブリブリバン対策はアメリカにゆだねられることになった。
エヴァソゲリフンのパイロットに抜擢された私たちはアメリカの西海岸にある司令部まで来ていた。防御性能を高めるためなのか巨大な蜂の巣のような見た目だった。その時、ハチの羽音のような警報音が響き渡った。ブリブリバンが東海岸に突如ワープしてきたという。私は700兆ワット砲を担いだ「エヴァソゲリフン初号機」、警官は時間稼ぎ役の「エヴァソゲリフン二号機」に乗り込んだ。パワーはあるがあまり速くない初号機では東海岸まで時間がかかってしまうので二号機と飛行戦艦「ゲリフンダー」で時間を稼ぐのである。二号機がブリブリバンのもとにたどり着いた。が、攻撃用の装備がないのを見透かされたためか相手にしてもらえない。そこで二号機はブリブリバンの前に回り込むと中指を立てた。ブリブリバンは叫び声をあげ、ピロピロポンを発射、二号機に命中した。二号機はたまらず死んだふりをした。ゲリフンダーも乗組員の忘れ物を取りに全速力で帰ってしまった。これでは時間稼ぎにならん。司令官が慌ててオート操作に切り替えようと思ったそのとき、司令部が本物のハチに襲われ、占拠されてしまった。
警官は死んだふりをした二号機の中で死の恐怖におびえていた。そんな中彼は憧れの人物であるナポレオンの「私の辞書には何も書いていない」という名言を思い出した。ナポレオンですらバカなのだから我々は大馬鹿であり、大馬鹿が何をやろうが変わらないから我々は何でもしていいという意味である。彼は勇気がわいてきた。まず二号機を詳しく調べたところ柔道の世界チャンピオンの戦闘データが読み込まれているらしかった。それにパイロットを補助するAIもある。これなら武器がなくても戦いになるはずだ。早速柔道の世界チャンピオンのデータをAIに読み込ませ、作戦を立ててもらった。それはこうだ。まずブリブリバンに土をぶつけ視界を奪う。そして後ろに回り込み首を絞めて殺す。シンプルかつベストな作戦だ。警官は自信をもってブリブリバンのもとへ駆けて行った。
ブリブリバンは大都市へとまっすぐ向かっていた。二号機は「柔道究極奥義!ザ ・エンドオブザワールド!」と叫んで土を投げつけた。ブリブリバンは大きな口を開けそれを食べた。これが現実だ。しかし、アメリカの土を初めて食べたブリブリバンは意外とおいしかったためかそこら辺の土を手当たり次第食べ始めた。時間稼ぎは成功したのである。二号機は初号機とゲリフンダーと合流することにした。
一方司令室では応援が来るまで地下壕で待機することになった。しばらくして、何やら兵士が騒いでいるようなので副司令官が事情を聴くと、司令官がトイレで溺死しているのが発見されたという。あの性格の悪い司令官のことだ。きっと殺されたのだろう。とはいえ犯人を捕まえなくては信用にかかわる。仕方がないのでアリバイのない容疑者に尋問をすることにした。A「私が犯人です」B「私は米軍基地でピンポンダッシュをしていました。」C「私は上官のメールを迷惑メールフォルダーに保存していたのがばれて殺されかけていました。」D「鼻くそをリサイクルしていました」全員が嘘をついていることが判明した。つまりAは犯人ではない。ところが死体を解剖すると驚きの事実が明らかになった。司令官はトイレットペーパーを食べてのどを詰まらせ、トイレの水でそれを流そうとして力尽きた可能性が高いというのだ。副司令官は殺人犯が存在しないことに安堵したが、応援が来ないことに気が付いた。詳しく聞くと部隊長の家が水没しており、そこで回収された彼のスマホの検索欄に「シャワー 止め方」表示されていたことから水死したのだろう。司令室の復旧のめどは立たなくなったので世界の命運は現場にゆだねられることとなった。
イオニアスはアテネのすべての銀行を制覇し、とある銀行で一泊した。翌朝、辺りが騒がしく、窓を覗いたところ、市内には兵士やドローンがうようよおり、放送棟はイオニアスの出頭を呼び掛けていた。出頭したら間違いなく殺される。こちらから許しを請う誠意のこもった手紙を送ればきっと許してくれるはずだ。イオニアスは震える手で手紙を書いた。
宛先 お前 送り主 俺様 日付 今月今日日今日曜日 私の記録上最も古い先祖は隣国との戦争の際軍を率いる将軍に任ぜられましたが、道を間違え、国は滅びてしまいました。そこからもう何世代か後の先祖は神官でした。彼は干ばつから農村を救うべく「神の鼻くそ」と呼ばれる岩の前で祈っていましたが、そこには悪魔がおり、神を怒らせれば雨が降る、と言いました。しかし教えによれば神はたいそう心が広いとあり、並大抵のことでは怒りそうにありません。そこで彼は丘の上に建っている神殿に目をつけ、丘に細工をさせ、神殿を地滑りさせました。神殿は勢い良く滑っていき、がけから落ちていきました。神は怒り、空からありとあらゆる神殿を投げつけてきました。こうして国は滅びてしまいました。私の曾祖父はギリシャ一の医者でした。ある日、彼は大統領が患わっていた脳卒中の手術をして「あ」と言って脳にコーヒーをこぼしてしまい、それよりも重い「脳中卒」にしてしまいました。脳が中卒レベル になった大統領は全世界に宣戦布告しました。こうして第一次世界大戦がはじまりました。私の祖父は総司令官でしたが、困り果て、南極までたどり着いてそこを要塞化し、余生を過ごすという「南極計画」を実行しました。彼らは皇帝ペンギンの祖先になりました。曽祖父はもう一度手術をして大統領の脳を取り除き、彼をただの「中卒」にし、大統領の地位をはく奪、自らは王になりましたが、何十か国の軍に攻められ間もなく国は滅びてしまいました。何が言いたいのかというと私は先祖のように国を滅ぼせるし、そのつもりだということです。首を洗って待っていろ。バーカ。自分の思いがうまく伝わっただろうか。そう不安に思いながら書いた手紙をクリーチャー に運ばせたのであった。
イオニアスの願いも空しく、ギリシャ軍は総攻撃を仕掛けてきた。しかしギリシャ軍の装備はひどい。銃はモデルガンで戦車や航空機はラジコンでミサイルはペットボトルロケットで火砲はちくわ という始末である。軍事基地がバッティングセンターなのがせめてもの救いだが、そこでの過酷な訓練をもってしても逆境を覆すには至らない。結局イオニアスの「マイクロプラスチックゴーレム」を筆頭とするクリーチャー軍団に大敗してしまった。この時、全ての兵士が生命保険に加入していたせいで国の経済に深刻なダメージが入り、それにイオニアスの銀行強盗の被害も加わってギリシャは財政が破綻、ギリシャの通貨「ゴリラ」も大暴落し、絶体絶命である。ギリシャの首相は自分だけでも生き残ろうと思い、自宅を世界遺産に登録するようユネスコに嘆願したが、三つ星レストランの称号しかもらえなかった。ギリシャはたった一日で滅びようとしていた。
二号機は初号機と合流することに成功した。私は警官に「あなたはおとりになってください。私は奴の心臓を撃ち抜きます。」と言った。というのも、国連軍の調査によれば、本当に心臓を撃ち抜くしかブリブリバンを倒すことができないからだ。私は狙撃ポイントに移動し、警官は再び移動を始めたブリブリバンのもとへ向かっていった。ゲリフンダーも遅れてやってきた。紹介し忘れていたが、ゲリフンダーはアメリカの最新鋭の飛行戦艦である。操作は簡単で、「攻撃」と書かれたボタンをひたすら押すだけ。中東での戦いでは山火事一軒、ぼや3件、異臭騒ぎ二件という驚愕の戦果を挙げ、イランの情報戦部隊のサイバー兵器「迷惑なメール」によって機能停止し、風に吹き飛ばされて戦線を離脱、本国へ帰還した。こうした経緯からゲリフンダーは「空飛ぶワニワニパニック 」と恐れられるようになったのである。おとりにはもったいない性能だ。私は狙撃ポイントに到着した。それと同時に、出撃前に聞いた、南部で戦力の足しにするために組み体操用の人材をかき集めているという情報を思い出した。今頃はそれなりの人数が集まっているだろう。それならどうせ故障するであろう700兆ワット砲なんかよりも私が初号機ごと組体操に加わってアンマンパンになったほうがまだ勝てる見込みはある。そう考えた私は700兆ワット砲を食べて膨大なエネルギーを蓄え、その場所に向かって全力疾走した。しかし、それは警官から見たら裏切りにしか見えなかった。警官は決戦を仕掛けるしかないと思った。
イオニアスは勝利を確信したが、何やら巨大なものが迫ってくる。ビチョビチョマンだ。ギリシャの国民が組体操をしたのだろう。クリーチャーは恐れをなし、かずのこを散らすように逃げてしまった。イオニアスはそれに向かって銃撃を浴びせたが、弾丸が吸収されびくともしない。茶チェーンソーで切りかかるが、ビチョビチョマンはバレエのポーズでそれを完全に防いでしまう。今度は前にもやったようにクリーチャーを全体召喚し、それを組み合わせて芋虫を作り、それを食べて超ちょうちょ砲を発射しようとしたが、その前にヘロヘロビームに被弾してしまい、傷を負って動けなくなってしまった。その時、彼は「万物の源はコバエである」と言う自身の言葉を思い出した。彼はコバエを千匹召喚すると、それが組み合わさって何かに変化することを期待した。大量の原発ができた。途方に暮れていると、ビチョビチョマンが体操座りのまま突っ込んできた。イオニアスはとっさに原発の中に避難した。こうして国とイオニアスは滅びた。
二号機はブリブリバンのすぐ近くまで来ていた。警官は助言を得るべくAIを使おうとしたが、逆にAIが助かる方法を尋ねてきた。警官はパスワード拳でディスプレイを叩き割った。第二形態のロックが解除され、全身を男性ホルモンと女性ホルモンとLGBTホルモンが駆け巡り、二号機は第二形態になった。見た目は変わらなかった。ゲリフンダー司令官の「ムハンマド小林」はそれを真似てディスプレイを叩き割った。爆発した。しかし、彼はあきらめなかった。彼はライダーベルトを取り出すと、仮面ライダーになろうとし、「変死!」と叫んだ。決め台詞を間違えたため、彼は死んだ。ブリブリバンは急に強くなった二号機の気配を察知し、振り向いたが、二号機は対応する時間を与えず「LGBT(レジェンダリーガス爆発タックルの略)」を繰り出した。ブリブリバンはA,T(あ、大変だ)フィールドを展開し、衝撃を抑える。二号機は追撃の「LGBT」を繰り出すが、ブリブリバンは土を食べることで蓄えていたエネルギーを使い、宇宙ビームを発射、二号機は大ダメージを受けた。二号機は回復アイテム「LGBT(ライオンとゴキブリと豚の豚汁)」を食べようとしたが、ブリブリバンは呪文「SDGs(それはどう見てもゴミに過ぎない)」を発動、LGBTはSDGsによってゴミになってしまった。もうだめかと思われたその時、南からアンマンパンが現れバビブベボビームを放った。ブリブリバンも負けじとバビブベボビームを放とうとするがうまくいかない。バビブベボビームはブリブリバンの心臓を貫いた。ブリブリバンは元のイグアナドンとフランス料理店の店長に戻った。警官は二号機から降りた。ほっと胸をなでおろすと、弟子が駆け寄ってきた 。彼は目が潤んだ。ああ、何か考えがあってあのようなことをしたのか。しかし、私は警官の近くに倒れていたイグアナドンの前で立ち止まると、イグアナドンと合体し、ブリブリバンになった。警官は終始真顔であった。ブリブリバンはバビブベボビームを放った。辺り一帯は焼け野原になった。私は神になった。




