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TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
第一章 魔法少女の兄も魔法少女
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後輩の新たな力3

(まさかここまでヤバいとは思わなかったな~)


 頬から一筋の汗を流し、フゥ―と息を吐くエイミー。

 共に戦っていた百合は拘束され、無力化。

 つまり一人で修と戦わなければならないということ。


(けど……今の修に私が勝てるの?)


 今の修は魔王の魔力を手に入れて、化物のように強い。

 ハッキリ言って勝ち目はない。

 しかし、エイミーは負けられなかった。


(ここで勝てないと、蓮兄さんの隣にはいられない!)


 エイミーは空中に巨大な魔法陣を召喚した。

 その魔法陣から灰色のマントを羽織り、緑の帽子を被った男が現れる。

 彼は鋭い目つきをしており、手には猟銃が握られていた。

 まるで狩人だ。


(私の〈マジックアイテム〉は【魔法王(ソロモン)】!ありとあらゆる属性の魔法を使うことができる。だけど一番のすごいところは強力な悪魔を召喚し、戦わせること。そっちが化物なら、こっちは悪魔で対抗する!)


 エイミーは命令する。

 己が召喚した悪魔に。


「行ってバルバトス!目の前にいる魔法少女を倒して!」


 主の命令に従い、狩人の悪魔は駆け出す。

 近づいてくる悪魔。

 そいつを倒すために、修は空中に無数の黒い石の槍を生み出し、飛ばした。

 迫りくる石の槍の雨。

 それを目にしてもバルバトスは恐れない。

 彼は冷静に猟銃を構え、引き金を引く。

 パアン!という銃声が鳴り響き、銃弾が飛ぶ。

 そして銃弾は細かく分裂し、無数の石の槍を破壊した。


「へぇ~やるな~」


 目を細める修の懐に入ったバルバトスは、猟銃の銃口を彼女に向ける。

 そして迷わず引き金を引いた。

 直後、銃口から弾丸が勢いよく放たれる。

 弾丸が修の顔に直撃する寸前、


「遅いよ」


 右手に持っていた槍を修は振るい、弾丸を弾く。

 そして左手で握り締めた槍で、バルバトスの身体を貫いた。

 槍に貫かれたバルバトスは粒子になって消滅する。


「惜しかったね」

「ぜんぜん惜しくないよ、修」

「!」


 修の背後からエイミーの声が聞こえた。

 振り返った修の瞳に映ったのは、両手のそれぞれに赤と水色の魔法陣を形成させたエイミーの姿。


「私の勝ちだよ。修」


 エイミーは両手から炎と冷気を勢いよく放射。

 炎と冷気による魔法攻撃が、修を呑み込んだ。

 読んでくれてありがとうございます。

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