後輩の新たな力2
「さぁ行くよ、修」
「最初から全力よ」
エイミーは周囲に無数の魔法陣を展開し、火の剣や水の槍、光の斧などを飛ばす。
そして百合は風を纏った白い矢を連射する。
無数の魔法攻撃と風を纏った無数の白い矢が修を襲う。
しかし、修は動じない。
「無駄だよ」
修は右脚を大きく上げ、床を強く踏んだ。
直後、床から大きな黒い石の塊が出現。
その黒い石の塊は無数の魔法攻撃と白い矢から修を守る。
そして黒い石は人型の人形へと変わり、エイミーと百合に襲い掛かった。
見た目が大きいわりに素早く走り、たった数秒で二人との距離を縮める。
「エイミーさん!」
「わかってます!」
エイミーは光の盾を目の前に生み出した。
黒い石の人形は腕を大きく振るい、光の盾を殴る。
大きな打撃音が鳴り響き、光の盾は一瞬で砕け散った。
「そんな!」
目を大きく見開くエイミーを百合は片腕で抱え、その場から離れた。
その直後、エイミーと百合が先ほどまでいた場所に、黒い石の人形の拳が振り落とされる。
衝撃音が鳴り響き、拳によって床が大きく陥没した。
「なんてパワー!」
頬から一筋の汗を流す百合。
そんな彼女に無数の黒い石の手が襲い掛かる。
「くっ!」
エイミーを床に降ろした百合は風を纏う白い矢を生み出し、連射する。
超高速で飛ぶ白い矢。
その矢は黒い石の手に直撃し、
ガキン!
金属音が鳴り響き、全ての白い矢は弾かれてしまった。
「くっ!なんて硬さなの!?」
顔を歪める百合の身体を無数の黒い石の手が拘束し、壁に叩き付けた。
「ガハッ!」
「白雪さん!」
まさかこんなに速く白雪百合を無力化するとは思わなかったエイミーは、驚愕の表情を浮かべる。
「どうしたの?この程度なの?二人とも」
威圧を込めた声で問い掛ける大石修。
禍々しい魔力を放つ彼女を見て、エイミーは思う。
化物と。
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