妹の想い7
「行くぞ。エイナ」
蒼き炎を纏い、大太刀を構える魔法少女—――魔森蓮。
彼は地面が砕けるほど強く蹴り、エイナに突撃。
エイナも黄金の粒子を放出しながら、蓮に突撃した。
蒼炎の魔法少女と黄金の魔法少女は全力で己の武器を振るう。
大太刀と拳が激突した瞬間、大きな衝撃波が発生。
壁や床に大きな亀裂が走り、建物が激しく揺れる。
「ハアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ!」
「シッ!」
エイナは激しく拳を振るい、蓮は舞うように大太刀を振るう。
黄金の拳撃と蒼炎の斬撃が何度もぶつかり合った。
ぶつかり合う度に壁や床に走った亀裂が広がっていく。
(パワーとスピードは互角。だが技は俺の方が上だ!)
蓮はエイナの攻撃を流れるように受け流し、大太刀を素早く振るう。
大太刀がエイナの顔に直撃しようとした。
だがその剣撃は、エイナの口によって受け止められてしまう。
「口で!?」
目を大きく見開く蓮。
エイナは口に力を入れ、大太刀を噛み砕く。
「知ってる?女ってのは、恋するとめちゃくちゃ強いんだよ」
エイナは真っ黒に染めた瞳で、蓮を見つめる。
彼女の瞳はなんでも吸い込むブラックホールのよう。
「蓮兄を独占したい。蓮兄を閉じ込めたい。蓮兄を食べたい。そんな想いが私を強くするの。オワカリ?」
蓮は全身が凍り付くような悪寒を感じた。
ここで負けてはならない。
負けた瞬間、なにかが決定する。
そのなにかが決定すれば、自分はエイナから逃げることができない。
本能でそれを感じた蓮は、纏っている蒼炎を激しく燃やし、大太刀に魔力を流し込む。
刀身が砕けた大太刀は元へと戻る。
(まさか妹にこの技を使うことになるとはな)
蓮は集中力を極限まで高め、大太刀を上段に構える。
身体と大太刀に纏う蒼炎を激しく燃やし、彼は放つ。
代々受け継がれた最高の剣技の一つを。
「天魔」
蓮は力強く、素早く、そして静かに大太刀を振り下ろした。
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