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TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
第一章 魔法少女の兄も魔法少女
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妹の想い6

(俺はエイナのことを過小評価していたのかもしれない)


 蓮は頬から一筋の汗を流す。

 彼の視線の先にいるのは、膨大な黄金の粒子を放出させながら拳を構える魔森エイナ。


(いくら手加減したとはいえ、立ち上がることはできないぐらいにはダメージを与えた。なのに立ち上がり、しかも爆発的に己を強化した)


 エイナから感じる膨大な魔力と存在感。

 それを感じ取った蓮の本能は叫んでいる。

 本気を出せ。じゃないと負けるぞと。


(少し力を使った方がいいかもな)


 蓮は大太刀を構えながら、唱える。


「纏え炎」


 蓮の身体と大太刀から赤く燃える炎が発生。

 赤き炎を纏い、己の肉体と武器を強化した蓮は口を動かす。


「来い、エイナ」


 その言葉を聞いたエイナは、姿を消した。


「消えた!?」


 蓮が驚いていた時、彼は背筋が凍るのを感じた。

 咄嗟に彼は振り返り、大太刀を構える。

 その直後、重い打撃が大太刀から伝わってきた。

 打撃を放ったのは他でもない。

 エイナだ。

 彼女は一瞬で蓮の背後に移動し、拳を放ったのだ。


「くっ!」


 重い一撃を大太刀で防いだ蓮は、勢いよく吹き飛ぶ。

 吹き飛ばされた蓮は大太刀を床に突き刺し、体勢を整える。


(マジかよ。炎を纏っている俺はさっきよりも強いんだぞ?そんな俺を吹き飛ばした。しかも……)


 蓮はチラッと大太刀に視線を向ける。

 炎を纏っている大太刀の刀身に、皹が入っていた。


「これは……相当ヤバイかも」


 蓮がそう呟いたその時、彼の目の前にエイナが現れた。

 咄嗟に蓮がしゃがんだ直後、先ほどまで彼の頭があった場所にエイナの拳が通り過ぎる。

 エイナの拳から放たれた衝撃波は、遠くにあった壁に大きな穴を開けた。


「うっそん」


 思わずそんな声が蓮の口から漏れ出た。


「ハアアアァァァァァァァァァァァァ!」


 エイナは超高速に連打を放つ。

 迫りくる超連打を蓮は大太刀で受け流し、紙一重で躱す。

 だが先ほどの余裕は今の彼にない。

 蓮は必死な表情で攻撃を防ぎ、躱している。


「チッ!」


 舌打ちした蓮はエイナから素早く距離を取り、フゥ―と息を吐く。


「さっきの言葉は撤回するよ、エイナ。今のお前はプロの魔法少女と同じ、いやそれ以上の実力者だ」


 エイナが強者だと、蓮は認めた。

 認めたからこそ彼は、


「だから……本気を出してやる」


 蓮は発動する。己の必殺技を。


「炎よ、蒼く燃えろ」


 次の瞬間、蓮の身体が青く燃え上がった。

 彼の髪や瞳、甲冑、大太刀が赤から蒼へと変わる。

 激しく燃える蒼炎。

 その炎を纏った蓮は、大太刀を静かに構える。


「行くぞ。エイナ」

 読んでくれてありがとうございます。

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