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TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
第一章 魔法少女の兄も魔法少女
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妹の想い3

「蓮兄……私と決闘して」


 エイナの言葉を聞いた蓮は、目を見開く。


「決闘?」

「そう、決闘。私が勝ったら、私を蓮兄の眷属にして」

「……俺が勝ったら?」

「そしたら魔王の眷属になるのを諦めるよ」

「……」


 蓮は目を細めながら、顎に手を当てる。

 彼は心の中で驚いていた。

 いつも明るく、アホなことを言うエイナが、まさか自分と決闘しろと言うとは思わなかったから。


「いいだろう。その決闘を受けてやる」


 蓮は瞳を怪しく輝かせた。


<><><><>


 魔法少女育成学園『三日月』の体育館。

 そこで魔法少女に変身した蓮とエイナはいた。

 赤い甲冑を纏い、右手で大太刀を握り締める赤髪の魔法少女。

 そして黄金の鎧を纏い、金色のガントレットに覆われた拳を構える緑と金の髪の魔法少女。

 二人の魔法少女は武器を構えながら、話し合う。


「こうやって戦うのは初めてだな」

「そうだね」

「お前の実力は見て分かる。学生の中ではそこそこすごい魔法少女。魔力量は普通だが、戦闘能力は学生にしては高いほう。努力してきたのが分かる。だが……プロの魔法少女と比べたらまだまだ。だから……手加減をしてやる」


 赤き魔法少女――魔森蓮は綺麗な指で大太刀の刀身を撫でた。

 すると大太刀の鋭い刃がなくなり、刃を持たない刀へと変わる。


「一撃だ。エイナが一撃でも俺に当てることができたら、お前の勝ちだ」

「……わかった」


 エイナはフゥ―と息を吐き、ルビーの如き赤い瞳を強く光らせる。


「行くよ!」


 エイナは床を強く蹴り、弾丸の如き速さで蓮に突撃した。

 そして蓮の懐に入ったエイナは、力強く拳を振るう。


「ハァ!」


 普通の人なら回避できない拳撃。

 それを蓮は余裕の表情で、大太刀で弾き返す。

 金属音が鳴り響き、エイナは軽く吹き飛ぶ。


「くっ!」


 エイナはすぐにまた蓮に突撃し、怒涛の連打を放つ。

 一撃一撃が速く重い連打を、蓮は全て大太刀で防ぐ。

 エイナの攻撃を防ぐ蓮は、一歩も動いていない。


「遅い」


 全ての連打を防いだ蓮は、大太刀の柄頭でエイナの胸に軽くトンと叩いた。

 直後、エイナに強い衝撃が襲う。


「ガハッ!」


 口から全ての空気を吐き出したエイナは、後ろに向かって勢いよく吹き飛ぶ。

 そして壁に激突し、大きな衝撃音が鳴り響く。

 壁にめり込んだエイナはゲホゲホと咳をする。

 そんな彼女に、蓮はカツカツと足音を立てながら近づく。


「エイナ。お前は大切な妹だ。だから手加減はしてやる。ただ……」


 蓮は赤い瞳を怪しく光らせた。


「二度と俺の眷属になりたいと言わないように、教育してやる」

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