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TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
第一章 魔法少女の兄も魔法少女
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修羅場

「修……それはどういう意味かな?」

「私にも詳しく聞かせてほしいわ?」


 額にビキビキと青筋を浮かべるエイミーと、微笑みながら冷たい目をする百合。

 二人から感じる殺意。

 蓮は顔から大量の汗を流しながら怯える。


「言葉通りだよ。ねぇ~先輩♡」


 猫なで声を漏らす修。

 エイミーと百合は血走った目で、蓮を睨む。

 視線を向けられた蓮は、すぐに顔を逸らす。


(おい、こっちを見るなよ!俺は何も悪くない!)


 心の中で叫ぶが、二人が恐ろしくて声が出ない蓮。


「蓮兄さん……なにがあったか詳しく教えてくれない?」

「私にも聞かせてくれるかしら?」


 エイミーと百合は威圧を放ちながら、尋ねる。

 彼女達に逆らうことができなかった蓮は「ハイ」と言うことしかできなかった。


<><><><>


「—――というわけです」


 学生寮の蓮とエイミーの部屋。

 そこで蓮はエイミーと百合に全てを話した。


「魔王……眷属化……そんなことが」

「正直…驚いたわ」


 話を聞いていたエイミーと百合は、呆然としていた。


「色々と言いたいことはあるけど……なんで蓮兄さんは魔王のことをもっと早く言ってくれなかったの?」

「えぇ、まったくよ」


 鋭い目つきで蓮を睨むエイミーと百合。

 蓮は言おうか迷った後、口をゆっくりと動かす。


「……話す必要がないと思ったから。俺は完全な魔王になったら、みんなの前から消えるつもりでいたんだ」


 それが蓮の本心だった。

 いや、より正確に言うなら、()()()()()()()()()()


「魔王という化物になるのはいい。だけど……妹や友人に俺が化物だって思われたくなかった」


 その言葉を聞いたエイミーと百合は、


「ふざけないで!」

「ふざけないでくれるかしら」


 本気で怒った。

 エイミーは怒鳴り声を上げ、百合は強い怒気を宿した静かな声を出す。


「私が……蓮兄さんを化物って思うわけないでしょ!?」

「右に同じく。私にとって蓮さんは大切な人よ。そんな人を化物って思うわけないわ」


 二人の言葉を聞いた蓮は、微笑みを浮かべる。


「ありがとう、二人とも。でもね……」


 感謝を述べた後、蓮は真剣な表情で告げる。


「二人は魔王になった俺を見たら、化物だって思うよ。絶対に」

 読んでくれてありがとうございます。

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