《機神》4
「さぁ……魔王討伐開始だ」
その言葉を口にした瞬間、白銀の魔法少女―――魔森蓮は機関銃を生み出し、両手で構える。
狙いを定め、彼は引き金を引いた。
直後、銃口から弾丸が超高速に連射され、ドドドドドドドドドド!という連射音が鳴り響く。
音速を超えた速度で連射された弾丸を、雷の魔法少女―――レティ―はウォーハンマーで防ぎながら突撃した。
稲妻の如き速さで弾丸の雨の中を駆け走ったレティ―は、蓮の懐に入る。
「喰らえ!」
レティ―は力強くウォーハンマーを横に振るった。
当たれば即死の一撃。
それを蓮は素早くしゃがみ込んで躱す。
しかし今の一撃で機関銃は破壊された。
「オラァ!」
レティ―は地面を強く踏み込み、ウォーハンマーを振り下ろした。
回避不可能な攻撃に対し、蓮は―――、
恐れなかった。
「甘いんだよ」
蓮はいくつものぶ厚い装甲と大きな盾を生み出す。
ぶ厚い装甲を身体全身に装備した彼は、盾で攻撃を防いだ。
次の瞬間、盾が大きな音を立てて爆発。
爆発によって吹き飛んだレティ―は体勢を整え、地面に着地する。
「くっ!まさか爆発する盾を使うとは!やるなぁ!」
楽しそうに笑みを浮かべるレティ―。
そんな彼女の視界に、爆炎の中からぶ厚い装甲に覆われた蓮が勢いよく飛び出す姿が映った。
全身を覆うぶ厚い装甲を全て外した彼は、地面の上を素早く走る。
「面白い!」
レティ―は百体以上の雷の戦士たちを生み出し、蓮に襲わせた。
しかしその程度で彼は止まらない。
「邪魔だ」
蓮はバーニアが搭載された大きな斧を生み出す。
そしてバーニアから噴射される炎の反動で大斧を振るう。
目に止まらない速さで百体以上の雷戦士たちを全て切断した。
まるで戦神の如き戦いにレティ―は―――、
「最高だな!おい!」
感動していた。
「もっと!もっとお前の力を見せろ!」
獰猛な笑みを浮かべたレティ―は蓮に接近し、ウォーハンマーを振るう。
蓮もバーニアの推進力が乗った大斧を力強く振るった。
ウォーハンマーと大斧が激突し、大きな金属音が鳴り響く。
そして……バキィン!と音を立てて、大斧が砕け散った。
武器を失った蓮を見て、レティ―は勝利を確信した。
だが、
「油断するのは」
蓮は彼女の勝利の確信をぶち壊す。
「早くないか?」
彼は大きな機械仕掛けのガントレットを生み出し、左腕に装備させる。
ガントレットに覆われた左拳を強く握り締める。
「歯を食いしばれ」
ガントレットからいくつもの推進器を展開し、炎を噴射。
超高速に放たれた機械の拳は、雷の魔王の腹に強烈な打撃を叩き込む。
レティ―が纏う鎧に大きな皹が走り、彼女の口から全ての空気が吐き出される。
「ガハッ!」
後ろに向かって勢いよく吹き飛び、いくつもの木と激突。
何十本の木はレティ―とぶつかったことで破壊された。
そして大きな石に激突し、レティ―はようやく止まる。
「ハ……ハハハ。まさかここまでやるとは……予想外」
ペッと口から血を吐いたレティ―はゆっくりと立ち上がり、笑いながら睨んだ。
ゆっくりと近づいてくる白銀の魔法少女を。
「〈マジックアイテム〉、戦闘技術、魔力の量……どれも化物クラス。魔王の力を封じてこれか……」
「本気を出してないのによく言う」
「お?バレていたか。なら―――」
「本気を出そう」
次の瞬間、レティ―の身体から黒い稲妻が発生。
その稲妻は一瞬で地面を黒焦げにし、周囲にあった木を塵にする。
レティ―から放たれる威圧感に、蓮は一筋の汗を流す。
「始めようか……本当の戦いを」
読んでくれてありがとうございます。
気に入ったらブックマークとポイントをお願いします。




