本当の姿
「なんです……これは」
小屋を出た修は、目を大きく見開いていた。
隣にいた蓮は目を細めて、舌打ちする。
「最悪だな……」
二人の瞳に映っていたのは、無数の敵。
その敵は人の形をしており、身体が雷でできている。
手には雷の剣が握られており、激しく放電していた。
そんな雷の剣士が……一万以上いる。
「どうやら俺達をここに転移させた魔法少女はヤバイやつみたいだな」
炎の魔法少女へと変身した蓮は大太刀を構える。
「修ちゃん……変身して俺の後ろにいろ」
「は、はい」
修は魔法少女に変身し、蓮の後ろに隠れた。
その直後、雷の剣士たちが次々と蓮達に襲い掛かる。
蓮は大太刀を素早く振るい、迫りくる雷の剣士たちを切り裂く。
切り裂かれた雷の剣士は消滅していった。
(一体一体は大したことないが……数が多すぎる!)
ガリッと歯噛みした蓮は、大太刀で雷剣士を切り裂いていった。
だが一時間以上やっても雷の剣士たちは襲い掛かる。
(流石に守りながらじゃあ……このままでは修ちゃんも俺もやられる)
蓮は戦いながら考えた。
修が生き残る方法を。
蓮自身が生き残る方法を。
その時……蓮の右手の中指が光り出す。
「!?」
驚愕した表情で蓮は中指に視線を向ける。
中指には銀色に輝く指輪が嵌められていた。
「……これしか……ないか」
顔を歪める蓮は、覚悟を決めた。
「……変身解除」
蓮は赤き魔法少女から少年へと姿を変えた。
それを見て修は目を見開く。
「ちょ、先輩!?いったいなにを」
「……修ちゃん。今から起こる事……絶対に誰にも言わないでくれ」
「え?」
蓮はフゥ―と息を吐いた後、右手を前に突き出す。
「変身」
次の瞬間、蓮の身体が銀色に輝き出した。
銀色の光は彼の肉体を少女のものへと変える。
短い黒髪は長い銀色のツインテールへと変わり、黒い瞳はシルバーオーラの如き銀色の瞳へと変わる。
そして空中にいくつもの装甲や機械が現れ、蓮の腕や脚、背中、腹などを覆い、鎧と化す。
「嘘……」
修は言葉を失った。
今、彼女は信じられないものが目の前にいたから。
「あれって……」
修の瞳に映るのは、機械仕掛けの鎧を纏った銀髪の魔法少女。
その魔法少女を修は知っている。
なぜなら修が最も憧れている人だから。
「白銀の魔法少女……《機神》!?」
読んでくれてありがとうございます。
また編集に集中しますので、更新をストップします。
更新ができるようになったら、やらせていただきます。




