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TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
第一章 魔法少女の兄も魔法少女
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復讐は終わらない3

「クソいってぇ~」


 目を覚ました蓮が、最初に口から出た言葉がそれだった。

 全身筋肉痛のような痛みに襲われ、身体が重く感じていた蓮。


「やっぱり【鳳凰】の蒼炎は、肉体の負担が大きいな」


 上半身を起こした蓮は、ポキポキと腕を回す。


「ここは……病院か?」


 蓮は周囲を見渡す。

 彼が今いる場所は、綺麗に清掃された白い部屋。

 とても広く、大きなテレビがあり、まるで高級ホテルのよう。

 右腕には点滴が刺さっている。

 そしてベットの上に居る蓮の近くには、目を閉じて吐息を漏らす二人の少女の姿があった。


「エイミー……白雪さん」

「おぬしが目を覚ますまでここにいると聞かないのじゃ。その子娘達は」

「!!」


 聞き覚えのある声が聞こえた。

 声のほうに視線を向けると、そこにいたのは学園長である皇覇満月。

 そして彼の隣には、黒髪の少年—――皇覇月夜の姿もあった。


「学園長……月夜さん」


 なぜここに?と蓮が聞く前に、満月と月夜は答える。


「お主と話がしたくてのう」

「僕はお見舞い。魔森蓮くん、調子は大丈夫?」


 眉を八の字にして尋ねる月夜。

 本気で心配してくれている彼を見て、蓮は胸が温かくなるのを感じた。


「はい、大丈夫ですよ。身体のあちこちは痛いですけど、【鳳凰】の炎で治せます」

「そっか~よかった」

「月夜さんのほうは大丈夫ですか?」

「僕は平気。満月が避難させてくれたから」

「そうですか~。よかったです」


 月夜と蓮は笑い合う。

 歳は離れているが、二人は確かに感じていた。

 男の友情を……いや、ヤンデレに愛されている男の友情を。

 蓮と月夜が男の友情を感じていた時、満月はゴホンと咳をする。


「蓮。お主に聞きたいことがあるのじゃ」

「なんでしょう?」

「お主……覚醒しているな?まだ完全ではないが」

「……気付いていたんですか?」

「眠っている間にお主の身体を調べさせてもらった。もう少しで……人ではなくなる」

「覚悟は出来ています」


 真っすぐな目で蓮はそう言った。

 彼の言葉と目には、迷いがない。

 満月はハァとため息を吐く。


「そうか……なら止めぬ」

「満月、いったいなにを話しているの?魔森蓮くんが人ではなくなるってどういうこと?」


 話についてこれていない月夜。

 そんな彼に満月は「月夜は知らなくていい」と告げる。


「蓮よ。お主が()()になる覚悟があるのは分かった。だがよく覚えておくのじゃ。お主が人でなくなったら、悲しむ者がいることを」

「……はい」


 蓮は眠っているエイミーと百合に視線を向ける。

 彼女達の顔が悲しみで歪めるのを想像した蓮は、胸が苦しくなるのを感じた。


「分かってます。ですが……復讐は続けます」

「そうか……では、儂らはこれで」


 満月は月夜を連れて、病室を出た。

 残された蓮は眠っているエイミーと百合を見つめる。

 彼の瞳には、なにがなんでも守りたいという覚悟が宿っていた。


「もう……死なせない。絶対に」

 読んでくれてありがとうございます。

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