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TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
第一章 魔法少女の兄も魔法少女
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蒼き炎2

「勝つのは……私だよ♪」


 赤黒い炎の化物となった《煉獄》。

 その姿はまるで竜人。

 

(もはや魔法少女ではないな。いや……今の俺も人外か)


 蒼い炎を纏っている今の蓮は、魔法少女の能力を超えている。

 人の形をしているだけの、炎の化物。

《煉獄》とそう変わらない。


(……だけど、それでいい。目の前の敵を殺せるなら、それでいい!)


 家族の命を奪った仇。

 そいつを己の手で討つことができるのであれば……《魔炎》は化物になることを望む。


「さぁ……決着をつけよう」


 蒼炎を纏い、大太刀を構える《魔炎》。

 炎竜となり、大剣を構える《煉獄》。

 二人の炎の化物は殺意を宿した目で、睨み合う。


 そして……同時に駆け出す。


「シッ!」

「ハァ!」


 音速を超えた速度で武器を振るう《魔炎》と《煉獄》。

 蒼炎を纏った大太刀と赤黒い炎を纏った大剣が激突した。

 次の瞬間、嵐の如き衝撃波が発生し、地面に大きな亀裂が走る。


「死ね、《煉獄》!」

「死ぬのはあんたよ、《魔炎》!」


《魔炎》と《煉獄》は連撃を放つ。

 大太刀と大剣が超高速に何度もぶつかり合う。

 剣同士がぶつかる度に金属音が鳴り響き、地面に走った亀裂が広がっていく。


 美しく、舞うように大太刀を振るう《魔炎》。

 力強く、荒々しく大剣を振るう《煉獄》。


 二人の炎の化物は一歩も引かない。

 互いに目の前の敵を倒すために剣を振るい続けた。

 そして、


 パキンッ!


《煉獄》の大剣が甲高い音を立てて、砕け散る。


「終わりだ」


 魔森蓮は《煉獄》の首を斬り飛ばそうとした。

 だがそれよりも速く、《煉獄》は大太刀を蹴り飛ばす。


「未来が見えてるのよ、こっちは!」


 赤黒い炎を纏わせた左拳を、《煉獄》は力強く放つ。


「甘いんだよ!」


 迫りくる炎の左拳に対し、蓮は蒼炎を纏わせた右拳を放つ。

 炎を宿した拳と拳は交差し、互いの敵の頬に直撃。

 クロスカウンターだ。

 大きな打撃音が鳴り響き、脳が揺れる感覚が二人を襲う。

 だが二人は倒れない。

 歯を食いしばり、《魔炎》と《煉獄》は拳を放つ。


「ぐっ!」

「ガハッ!」


 またも互いの顔を殴った炎の魔法少女達。

《魔炎》は蒼炎を宿した拳で、《煉獄》の腹を殴る。


「ブハッ!」


《煉獄》の身体はくの字に曲がった。

 口から血を吐いた《煉獄》はキッと蓮を睨み、拳を放つ。

 赤黒い炎を宿した拳が蓮の横腹に叩き込まれ、ボキボキと骨が折れる音が鳴り響く。


「グハッ!」


 激痛が襲い、蓮は顔を歪める。

 だが蓮は耐えた。

 耐えて、敵の顔面に拳を叩き込む。


「くっ!このぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 ガリッと強く歯噛みした煉獄は、蓮の顔面に強く頭突きする。

 強烈な頭突きを受けた蓮は、鼻から血を流す。


「ハアァァァァァァァァァァ!!」

「ウオォォォォォォォォォォ!!」


《魔炎》が殴り、《煉獄》が殴りが繰り返される。

 お互い回避もせず、防御もしない。

 炎の魔法少女の二人は目の前の敵を倒すために、全力で殴り合う。


「負けない!アンタだけは……絶対に!!」


 一度敗北し、殺された《煉獄》。

 彼女は左拳に宿した赤黒い炎を強化。

 激しく燃える炎の拳を、《煉獄》は放つ。

 あらゆるものを焼き尽くす灼熱の炎の拳。

 それを《魔炎》は真正面から迎え撃つ。


「勝つのは……俺だ!」


 蒼炎の魔法少女は左拳を強く握り締める。

 復讐のために。

 大切なものを守るために。

《魔炎》は地面を強く踏み、腰を回し、蒼き炎を纏わせた左拳を放つ。


 赤黒い炎を宿した拳と蒼炎を宿した拳が、激突する。

 読んでくれてありがとうございます。

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