表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
第一章 魔法少女の兄も魔法少女
31/86

《白雪姫》8

 蓮が火月と激しい戦闘を繰り広げている中、エイミーと百合は魔神教団の魔法少女達を次々と倒していった。

 白いドレスアーマーを纏っている白雪百合は、三本の白い矢を手の平から生み出す。

 そして弓に三本の矢を装填し、放つ。

 三本の矢は三人の敵に正確に直撃。

 矢を受けた三人の魔法少女は地面に倒れ、眠りについた。


「私の〈マジックアイテム〉は【眠り姫】。風を操り、敵を眠らせるのよ」


 素早く矢を放ち、敵を次々と眠らせていく《白雪姫》。

 そんな彼女の背後で、エイミーはいくつもの魔法を発動する。


「ハァ!!」


 エイミーは両手を前に突き出した。

 すると空中にいくつもの魔法陣が現れる。

 魔法陣は赤、青、黄色の三つに分かれていた。

 赤い魔法陣から炎の球が放たれ、青い魔法陣から氷柱が放たれ、黄色の魔法陣から石の刃が放たれる。

 エイミーの魔法攻撃が魔神教団の者達を襲う。

 炎の球は敵を燃やし、氷柱は敵を凍結させ、石の刃は敵の肉を切り裂く。

 敵が傷ついていくのを見ていたエイミーは、辛そうに顔を歪める。


「私が頑張らなきゃ!蓮兄さんは私が支えるの!!」


 エイミーは顔を左右に振り、覚悟を宿した目で敵を睨む。

 愛する兄を守るために、一人の妹は魔法を敵に向かって放つ。

 そんな彼女に斧を持った魔神教団の魔法少女が襲い掛かる。


「死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 叫び声を上げながら、魔神教団の信者は斧を振り下ろす。

 斧の刃がエイミーの頭をかち割ろうとした。

 その時、風を纏った矢が斧を弾き飛ばす。

 直後、別の白い矢が魔神教団の魔法少女の型に突き刺さる。

 矢を受けた斧使いの魔法少女は眠りにつき、地面に倒れた。


「危なかったわね」

「す、すみません!」

「気にしないで。未来の義妹を守るのがお姉さんの役目だから」


 美しい声でとんでもないことを口にする白雪百合。

 エイミーは額に青筋を浮かべ、頬を引き攣らせる。


「誰がお姉さんですか、誰が」


 地獄の底から響いたかのような低い声を出すエイミー。

 白き少女は魅惑の微笑みを浮かべる。

 彼女の微笑みを見て、一瞬エイミーはドキッと胸を高鳴らせた。


「あら。私は将来あなたのお義姉さんになる人よ?」

「絶対に認めませんから!蓮兄さんを一緒に監視して管理するのは認めましたが、結婚は認めません!」

「私は蓮さんを幸せにするわ」

「み・と・め・ま・せ・ん!」

「なら……私がこの魔神教団の人達をあなたより多く倒したら、認めてくれるかしら?」

「絶対にあなたより多く倒します!」


 いくつもの魔法攻撃を放ち、次々と敵を倒すエイミー。

 そんな彼女に負けないと、百合は矢を高速連射した。


<><><><>

 

(あっちは大丈夫そうだな)


 大太刀を振るいながらエイミーと百合を見ていた蓮は、火月との戦いに集中する。

 彼が放つ剣撃を、ギリギリ反応して火月は盾で防ぐ。

 金属音が鳴り響き、火花が飛び散る。


「ヒヒヒヒヒヒヒ!!」


 不気味な笑い声を上げながら、火月は盾を振るう。

 重い盾の一撃を蓮は大太刀で防いだ。

 直後、爆発が発生し、蓮の皮膚を焼く。


「この程度の爆発で俺は倒せねぇよ」


 蓮は己の身体を赤い炎で包んだ。

 赤い炎は焼かれた蓮の皮膚を一瞬で癒す。

 傷を負ってもすぐに完治させる《魔炎》。

 彼は火月に一瞬で距離を詰め、大太刀を振るう。


「無駄!」


 火月は大盾で蓮の剣撃を防いだ。

 刹那、大盾は真っ二つに切断された。


「はぁ?」


 なにが起きたか分からず、呆然とする火月。

 そんな彼女の腹に、蓮は重い蹴りを叩き込む。

 ドゴッ!という大きな打撃音が鳴り、火月は口から血を吐く。


「ガハッ!なん…で……」

「簡単な話だ。同じ場所に剣撃を何度も叩き込んで斬った。どんな硬いものでも同じ場所にダメージを喰らえばいつか壊れる」

「ヒヒヒ。やら……れたね……だけど、私たちの役目はちゃんと……果たせた」

「なに?」


 眉を顰める蓮。

 そんな彼を見て、火月は「ヒヒヒ」と嘲け笑う。


「まだ分からないの?私たちの役目は時間を稼ぐこと。あなた達が私たちと戦っている間に、《煉獄》様はもうここから離れた」

「!!クソ!まさか学園長のところに!!」

「ヒヒヒ。あの女はいつでも殺せるわ。《煉獄》様の狙いは皇覇満月ではないわ」

「……どういうことだ?」

「教えるわけないでしょ。知りたければ自分で探しなさい」


 そう言った火月の身体が、突然光り出す。


「まさか自爆!?」

「せいぜい気を付ける事ね」


 次の瞬間、火月の身体から大きな爆発が発生。

 その爆発に蓮は巻き込まれた。

 読んでくれてありがとうございます。

 気に入ったらブックマークとポイントをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ