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TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
第一章 魔法少女の兄も魔法少女
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刺激的な朝

「ん……んん~。朝か」


 窓から差し込む太陽の光で、蓮は目を覚ました。

 彼はベットから起き上がろうとした時、自分の身体の上になにかが乗っていることに気付く。


「ん?ってエイミーか」


 蓮の身体の上に乗っていたのは、パジャマ姿のエイミーだった。

 彼女はまだ眠っており、スースーと吐息を漏らしている。

 そして……彼女の服の隙間から見える胸の谷間を見て、蓮は一瞬ドキッとした。


(って!妹相手になにを考えているんだ)


 頭を左右に振って、煩悩を払う蓮。

 彼はエイミーを起こそうとした時、


 ムニッ。


 自分の右手がなにか柔らかいものを掴んでいることに気付く。

 蓮は顔から大量の汗を流しながら、自分の右手に視線を向ける。


「おい、マジかよ」


 蓮の視界に映ったのは、エイミーのお尻を鷲掴みにしている己の右手。

 ほどよく柔らかく、ほどよく硬い彼女のお尻の感触が蓮の右手に伝わってきていた。


「ん……あん……」


 艶めかしい声を口から漏らしながら、エイミーはゆっくりと目を開ける。

 ぼーっとした顔でエイミーは自分のお尻に視線を向けた。

 自分のお尻が蓮の右手に鷲掴みされていることに気付いたエイミーは、ボッ!と顔を一瞬で真っ赤に染める。


「れ、蓮兄さん?」

「ち、違う!わざとじゃない。けっしてお前のお尻を揉みたいとかはこれっぽっちも」


 蓮は慌てて誤解を解こうとした。

 その時、部屋の扉が突然開く。


「失礼するのじゃ」


 部屋に入ってきたのは黒い和服姿の黒髪少女—――皇覇満月だった。


「蓮、エイミー。とても重要な情報が手に…入っ……たの…じゃ……」


 満月はベットの上でエイミーのお尻を鷲掴みしている蓮を見て、呆然とした。

 だがすぐにハッと我に返った彼女は咳払いをする。


「あ~…その……なんじゃ。急用を思い出した。また一時間後に来る……それとこれは独り言なんじゃが、避妊はするように」

「待ってください。誤解です!」

「大丈夫じゃ。儂らもお主らの歳の頃は毎日やっていたのじゃ。生で」

「いや、だから誤解……え?生でやってたんですか!?」

「いや~あの時は旦那の顔が可愛くてのう~。ついやっちゃったのじゃ♪」


 満月は「てへぺろ♪」と可愛らしく舌を出す。


「『やっちゃったのじゃ♪』じゃないですよ!というか今、初代魔法少女の一人がとんでもない発言しましたよね!?」

「むっ。儂だけ変態みたいな言い方はよさぬか。儂だけじゃなく他の初代魔法少女も好きな男とやっていたぞい。生で」

「おい、とんでもない情報が暴露されたぞ!」

「回数は最低三十ぐらいは…」

「もういい!もういいからあんたは黙ってろ!!」


<><><><>


 その後、蓮はなんとか誤解を解いた。


「なんじゃ、驚かせるでない。てっきりそういうことをしたのかと」

「冗談でもそんなこと言わないでください」


 ハハハと笑う満月と、ハァとため息を吐く蓮。


「れ、蓮兄さん」


 蓮の隣にいたエイミーは、頬を赤く染めながら彼の服を引っ張る。


「ん?」

「蓮兄さんが望むなら……私……いいよ」


 上目づかいでチラッと蓮を見るエイミー。

 蓮は目頭を指で押さえる。


「エイミー。兄の俺が妹のお前に手を出すわけないだろう」

「絶対に?」

「絶対に」

「む~!」


 エイミーは頬を膨らませ、蓮の脇腹を指で抓る。

 地味に痛いと思いながら、蓮は満月に尋ねた。


「それで……学園長はこんな朝っぱらからなんのようですか?」

「そうじゃったそうじゃった。実は捕まえた魔神教団の者からある情報を聞いたので、その報告を」

「ある情報?」

「うむ」


 満月は真剣な表情で蓮とエイミーに重要な情報を教える。


「この学園都市に魔神教団の幹部―――《煉獄(れんごく)》が来ているらしい」


 その言葉を聞いた蓮は、前髪で隠れていた目を大きく見開いた。

 読んでくれてありがとうございます。

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