刺激的な朝
「ん……んん~。朝か」
窓から差し込む太陽の光で、蓮は目を覚ました。
彼はベットから起き上がろうとした時、自分の身体の上になにかが乗っていることに気付く。
「ん?ってエイミーか」
蓮の身体の上に乗っていたのは、パジャマ姿のエイミーだった。
彼女はまだ眠っており、スースーと吐息を漏らしている。
そして……彼女の服の隙間から見える胸の谷間を見て、蓮は一瞬ドキッとした。
(って!妹相手になにを考えているんだ)
頭を左右に振って、煩悩を払う蓮。
彼はエイミーを起こそうとした時、
ムニッ。
自分の右手がなにか柔らかいものを掴んでいることに気付く。
蓮は顔から大量の汗を流しながら、自分の右手に視線を向ける。
「おい、マジかよ」
蓮の視界に映ったのは、エイミーのお尻を鷲掴みにしている己の右手。
ほどよく柔らかく、ほどよく硬い彼女のお尻の感触が蓮の右手に伝わってきていた。
「ん……あん……」
艶めかしい声を口から漏らしながら、エイミーはゆっくりと目を開ける。
ぼーっとした顔でエイミーは自分のお尻に視線を向けた。
自分のお尻が蓮の右手に鷲掴みされていることに気付いたエイミーは、ボッ!と顔を一瞬で真っ赤に染める。
「れ、蓮兄さん?」
「ち、違う!わざとじゃない。けっしてお前のお尻を揉みたいとかはこれっぽっちも」
蓮は慌てて誤解を解こうとした。
その時、部屋の扉が突然開く。
「失礼するのじゃ」
部屋に入ってきたのは黒い和服姿の黒髪少女—――皇覇満月だった。
「蓮、エイミー。とても重要な情報が手に…入っ……たの…じゃ……」
満月はベットの上でエイミーのお尻を鷲掴みしている蓮を見て、呆然とした。
だがすぐにハッと我に返った彼女は咳払いをする。
「あ~…その……なんじゃ。急用を思い出した。また一時間後に来る……それとこれは独り言なんじゃが、避妊はするように」
「待ってください。誤解です!」
「大丈夫じゃ。儂らもお主らの歳の頃は毎日やっていたのじゃ。生で」
「いや、だから誤解……え?生でやってたんですか!?」
「いや~あの時は旦那の顔が可愛くてのう~。ついやっちゃったのじゃ♪」
満月は「てへぺろ♪」と可愛らしく舌を出す。
「『やっちゃったのじゃ♪』じゃないですよ!というか今、初代魔法少女の一人がとんでもない発言しましたよね!?」
「むっ。儂だけ変態みたいな言い方はよさぬか。儂だけじゃなく他の初代魔法少女も好きな男とやっていたぞい。生で」
「おい、とんでもない情報が暴露されたぞ!」
「回数は最低三十ぐらいは…」
「もういい!もういいからあんたは黙ってろ!!」
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その後、蓮はなんとか誤解を解いた。
「なんじゃ、驚かせるでない。てっきりそういうことをしたのかと」
「冗談でもそんなこと言わないでください」
ハハハと笑う満月と、ハァとため息を吐く蓮。
「れ、蓮兄さん」
蓮の隣にいたエイミーは、頬を赤く染めながら彼の服を引っ張る。
「ん?」
「蓮兄さんが望むなら……私……いいよ」
上目づかいでチラッと蓮を見るエイミー。
蓮は目頭を指で押さえる。
「エイミー。兄の俺が妹のお前に手を出すわけないだろう」
「絶対に?」
「絶対に」
「む~!」
エイミーは頬を膨らませ、蓮の脇腹を指で抓る。
地味に痛いと思いながら、蓮は満月に尋ねた。
「それで……学園長はこんな朝っぱらからなんのようですか?」
「そうじゃったそうじゃった。実は捕まえた魔神教団の者からある情報を聞いたので、その報告を」
「ある情報?」
「うむ」
満月は真剣な表情で蓮とエイミーに重要な情報を教える。
「この学園都市に魔神教団の幹部―――《煉獄》が来ているらしい」
その言葉を聞いた蓮は、前髪で隠れていた目を大きく見開いた。
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