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TS魔法少女の二度目の復讐  作者: グレンリアスター
TS魔法少女の過去
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ハナ5

「ハァ…ハァ…ハァ……」


 汗だらけの状態で荒い息を漏らすハナ。

 そんな彼女の周りにはゴブリンの死体が多く転がっていた。

 ゴブリンたちの死体は粒子と化して、消滅していく。


「はい。今日はここまで。風呂に入ったら、飯を食って寝てください。用意はできているので」

「あ、ありがとうございます」

「これを二、三年ぐらい続けますが、大丈夫ですか?」

「十年でも足りないぐらいです」

「いい根性です。ならあの建物に入ってください。あれがあなたの泊まる場所です」


 蓮が指を指した方向には和風の家がいつのまにか建っていた。


「では先に休んでください」

「あれ?蓮くんは?」

「俺も修行しようと思います。鏡に出てくる()()()と」


 蓮は目を細めながら、浮遊する鏡を見つめた。


「あの……蓮くん。あなたがあった勝っているところを見ててもいいですか?」

「え?いや……いいですけど、休まなくていいんですか?」

「はい。それより蓮くんが戦っているところを直接見たいです」

「……わかりました。危ないので安全なところまで離れていてください」


 そう言って蓮は相棒の名を呼ぶ。


「創造せよ、【機械神】」


 蓮の右手の中指に銀色に輝く指輪が出現する。


「変身!」


 次の瞬間、蓮は少年から機械仕掛けの鎧を纏う銀髪の魔法少女へと姿を変える。

 銀色の瞳を輝かせ、白銀のツインテールを揺らす蓮。

 彼は浮遊する鏡を睨む。


「来る」


 浮遊する鏡から一人の少女が現れる。

 その少女を見て、ハナは目を大きく見開きながら汗を流す。


「あれは……」


 鏡から出てきた少女はb、魔法少女になった蓮と同じ凛々しい顔立ちをしていた。

 長い黒髪を伸ばし、黒曜石の如き黒い瞳を両手に宿っている。

 巫女服のような戦闘服を纏っており、右手には神々しく、美しい刀が握られていた。

 そして背中には光の輪っかが浮かんでいる。


「本当……化物だよな、俺の先祖様は」


 黒髪の魔法少女から放たれる威圧感に、蓮は一筋の汗を流す。

 彼が戦うのは、かつて滅びそうになった世界を救った初代魔法少女。

 魔獣が来る前、存在していた妖怪や悪魔たちをたった一人で全滅させた巫女にして聖女。

 あらゆる化物を剣一本で殺した最強の剣士。


 名は―――《剣神(けんしん)》、姫神璃々(ひめがみりり)


(まったく……コピーとはいえ、すごい覇気を纏っているな。いつ見てもめちゃくちゃビビる)


 蓮の目の前にいる姫神璃々は、本物ではない。

 あくまで鏡が生み出した偽物。

 魂のない人形。

 だが……その偽物は本当と同じ強さを持ち、同じ戦い方をする。


「さぁ……やりましょうか」


 蓮は二つのガトリングガンを生み出し、両手にそれぞれ準備する。

 そして自分の周りに百の浮遊する銃を生み出す。

 対して姫神璃々は静かに刀を構え、息を吐く。


「喰らえ!」


 蓮はガトリングガンと浮遊する銃たちから、無数の弾丸を連射した。

 回避も防御も許さない銃弾の雨。

 そんな雨の中を、璃々は刀を振るいながら突き進んだ。

 彼女が振るう剣撃は超高速に飛ぶ弾丸を一つ一つ切り裂く。

 そして蓮の懐に入った璃々は刀を腰に差した鞘にしまい、抜刀。

 咄嗟にしゃがんだ蓮は超高速に放たれた斬撃を躱すことに成功。

 しかしガトリングガンと百の浮遊する銃は真っ二つに切断された。


「チート野郎が!」


 蓮は二つの大型チェーンソーを生み出し、力強く振るう。

 しかし高速に回転する無数の刃は一本の刀によって防がれる。

 チェーンソーと刃が激しくぶつかり合い、火花が飛び散った。


「くっ!」


 蓮は二つの大型チェーンソーを振るい続けた。

 彼の連撃はとても美しく、正確に急所を狙う。

 しかしその連撃は璃々の刀にのって全て受け流された。

 そして璃々は刀を素早く振るい、二つの大型チェーンソーを綺麗に切断する。

 武器を失った蓮は指先、腕、脚、肘、膝、背中から無数の刃を生やした。

 その刃は超高速に振動する。


「これなら!」


 蓮は身体を力強く、そして素早く回転させた。

 振動する無数の刃が璃々の身体を切り刻もうとする。

 だがそうはならなかった。

 なぜなら璃々が目に止まらない速さで刀を振るい、蓮の無数の刃を切断したからだ。


「くっ!なら」


 蓮は璃々から距離を取る。

 そしてなにもないところから百メートル級の超巨大剣を彼は生み出した。

 その剣にはいくつもの推進器が搭載されている。


「くたばりやがれ!」


 超巨大剣の柄を握り締めた蓮は全身を使って振り下ろした。

 振り下ろす瞬間、剣に搭載されていたいくつもの推進器から炎を噴射。

 加速した超巨大剣は璃々に襲い掛かる。

 しかし彼女は逃げない。

 璃々は静かに鞘に刀をしまう。

 そして音速を超えた速さで抜刀。

 超高速に放たれた剣撃は、迫りくる超巨大剣を細切れにした。


「本当……自分が強くなったっていう自信をぶち壊してくれるよ。この人は」


 頬を引き攣る蓮は、頭をガリガリと掻く。


(ここで五百年以上、鍛えているのにまだ手も足も出ない。いや……勝つにはこれしかないよな)


 蓮は鞘に納められた刀を生み出す。

 すると彼の右手の中指に嵌っている銀色の指輪がピカピカと光る。


「わかっているよ、【機械神】。無理はしない。無茶もしない。一分だけ『姫神の剣』を使うだけだ。それで勝てなかったら諦める」


 蓮がそう言うと、銀色の指輪は光らなくなった。

 彼は刀の柄を握り締め、銀色の瞳を怪しく光らせる。

 白銀の魔法少女が纏う機械仕掛けの鎧から、ブオオオオォォォォォォォォォォン!という怪物の雄叫びのようなエンジン音が鳴り響く。


「さぁ……こっちも『姫神の剣』を使わせてもらうぜ。璃々様」

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