小さな温もり
ソファーで横になってると、軽い衝撃
また君か…
茶色の尻尾が楽しそうに私の上で揺れている
私の反応がない事が、ご不満なのかな?
胸から脚までお散歩です
首にスリスリ 顔をペタペタ
両手を私の頬に置きロックする
ペロッとひと舐め
好きなんだろなー 好きにさせよう
抵抗しないでいると、やりたい放題だ
「遊べー 構えー 相手しろー」そんな気分なのかな?
いつまでも、ずっと私の顔を舐めている
もう、顔中ベチャベチャだ
たまに、君の足が瞼を襲うのはご愛嬌だ
たまに痛いよ?
舐めてもらって暖かいけど…すぐ冷えるんだよ?
部屋寒いんだから…
はぁ…とため息一つ
分かってる
君が顔を舐めるようになったのは私が泣いてたからだ
声を殺してたのに、誰にも気付かれなかったのに
君だけは…
君だけはいつの間にかそばに居た
涙を消してくれてた。
体を起こすと私の膝を素早く君が確保した。
「逃がさないよ!!」 そんなセリフが聞こえた気がした。
膝の上、うつ伏せで、周りをキョロキョロ
「あげないよ!!」 あはっ 独占したいのかな?
自然と笑みが溢れる
頭をゆっくり撫でると、お腹を見せて
もっと もっと と体をすり寄せる
しばらく、撫でたら安心して眠くなったのか
膝の上で丸くなった。
はぁ…君がそこいる間、私は寝れないんだよ?良いけどさ…
部屋の中、小さな温もりを感じながら
ずっと、上下する背中を眺めてた。
もう、寒さは感じなかった。
君の温かさ 思い出しながら
笑いながら 泣きながら…
忘れずに でも元気になれるように
きっと君も それを望んでるよね?
幸せでした ありがとう