表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血鬼ピンキーの1000年戦記  作者: きっと小春
第一話 14階層の夢
3/32

第三話 信頼と信用

 結局、全員に契約魔法:(コンスト)をかけた魔法使い。

 信用したのだから、魔法使いでは駄目だ。ちゃんと名前で呼ぼう。

「リン、私にも契約魔法:(コンスト)をかけて、皆を裏切らないように……」

「大丈夫よ、ピンキーを信じているから」

「狡い、まるで私が……」

 ピンキーの言葉を遮ったのは、剣士の青年フォルだった。

「君の仲間を人族が殺したんだ。疑うのは当たり前だ」

 4人は道中、いろんな事を教えてくれた。

「ねぇ、ピンキーも精霊魔法覚えてみる気はない?」

 ピンキーは首を横に振った。

「きっと無理だよ」

 黄金の騎士に言われたことがある。

 強くなるためには人族から吸血する必用があるのだと。

 吸血するっことにより、吸血鬼として進化して力が手に入るらしい。

 でもピンキーは頑なに拒んだ。

 二度と元に戻れなくなるのが怖かった。

「私は血魔法と骨魔法で十分よ」

 この天空の塔で黄金の騎士に習った二つの魔法。

 今までも十分やってこれたし……これからだってと思っていた矢先に14階層のBossに完敗したのだ。

「なら剣の特訓だ」

「うん。血魔法:呪鎌(サイス)

 ピンキーは大きな鎌を召喚する。

 ピンキーとフォルは楽しげに打ち合うが、実力的にはフォルの足元にも及ばない。

「ピンキーは魔法使いタイプだが、リン達よりも接近戦で戦える。接近戦も強くなればオールラウンダーとして戦えるぞ」

「うん、頑張る」

 訓練が終わると、擦り傷切り傷は当たり前で骨折すら珍しくない。

 ピンキーは戦闘モードに入ると、恐怖や痛みを感じないのだ。

「ちょっとは手加減しなさいよ。ピンキーがボロボロじゃない」

 しかしフォルには目的がある。このパーティーで前衛職はフォルのみ。出来ればピンキーにも接近戦で戦って欲しいと思っている。

 二刀流のBossの攻撃をフォルだけで抑えることができない。ピンキーが接近戦でBossの攻撃を抑えることが出来れば攻略の糸口が見えてくる。

 ピンキーの左腕は骨折しているため、だらんとぶら下がった状態だ。

「アンゼム、お願い」

「まかせろ、治癒魔法:再生(リプロ)

 戦闘モードから解放したピンキーの顔が痛みに歪む。

 吸血すればもっと強くなれるかも知れない。

 でも……。人族の血の味を覚えてしまったら自分が自分じゃなくなる。

 そんな気がしていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ