見ぃつけたー!
僕たちは、何年前に廃校になった小学校を使ってかくれんぼをする事にして、お昼過ぎに集まった。
じゃんけんで負けた太郎君が、最初の鬼だった。
「もーいーかい!」
太郎君はグラウンドの真ん中で、大きな声で叫ぶ。
「もーいーよー」
あの声は、順子さんだな。そんなに大きな声で返事をしたら太郎君に場所がバレちゃうじゃないか。僕はもう誰も使っていない職員室の机の下に隠れて息をひそめていた。
「あ! 聡君、見つけー」
「お、ケンジ君見つけー」
太郎君が、友達をどんどん見つけていく。太郎君張り切っているみたいだ。彼の声がどんどん職員室に近づいて来るのがわかる。
ガラガラガラ!
職員室のトビラが開く音が妙に大きく聞こえる。廃校になってから誰も来ないので、トビラのガタツキが大きくて開くときには大きな音がするんだ。
さっき僕が職員室に入る時も、音をさせないようにトビラを開けるのに苦労したし。
ぺたぺたぺた。
太郎君のスニーカーが職員室を歩き回る音が僕の耳にひびく。
がたがたがた。
彼が職員室のあちらこちらを探している気配を感じる。
ふーふーふ。
あれ? これって、彼の息遣い?
「どーこーにー、いるんだー。職員室で遊んでる悪い子はー」
え? この声は太郎君の声と違う。ガラガラな声だ。
ふーふーふー。
この息遣いも、明らかに彼のものではないし。
「おーい。 健太君ー。どこに隠れたのー。後は君だけだよー」
グラウンドの方から、太郎君の困ったような大きな声が聞こえる。
え? じゃあ、今職員室にいて、僕を探しているのは誰なんだ?
がたん!
しまった、驚いて隠れている机にぶつかっちゃった。
僕は驚いて声が出そうになったのを手で必死に押さえた。
ぺたんぺたんぺたん。
よく聞いたら、これってはだしで歩いてる音だよね。
はだしの足が、僕が隠れている机の前で止まる。
「みいーつけた」
了




