2節デート其の1
書斎を出た恭司はフッとさっき章吾に渡された包みを開いてみる
「こ・・・これはぁ・・・」
恭司が開いた包みの中には・・・札束!
それもなんか黒光りするカードも一緒に包まれていた
そこに沙耶がやって来た
「恭ちゃん、ここにいたんですか」
沙耶が息を切らして話しかける
「ああ、う、うん」
沙耶は恭司が何かに動揺しているのに気づく
「どうしたんですか?」
沙耶が問いかけてくるので恭司は「束」と「カード」を見せる
「どうしたんですかぁ!?それ!」
沙耶も恭司呆然と立ち尽くす
「章吾さんに「楽しんで来なさい」って言われて渡された」
「楽しんでって・・・」
沙耶も少し驚きながら「お父様なら仕方がないかぁ」などと考えていた
「それじゃあ行ってきますね」
沙耶が入り口前で裕子に言う。だが、裕子の方はそわそわしていた
「あの・・お嬢様、本当に同行しなくていいんですか?」
「はいっ!大丈夫です!私には恭ちゃんがいますから!」
沙耶が万遍の笑みで言うと裕子も納得したように
「わかりました、では、恭ちゃんよろしくお願いしますね」
「ああ、わかってる」
「では、行きましょう!」
沙耶が恭司の腕を絡めとって歩く
「おっ、おい、沙耶歩きにくいだろう!」
「♪〜」
このとき沙耶はかなりの上機嫌だった
しばらくすると二人は近くの大通りに出る大通りには人がアリの用にうごめいている
「来たのはいいんだが・・・沙耶?」
「はい?何ですか?」
「これから、どうするんだ?・・・・」
「どうしましょう?」
「う〜ん」と沙耶が難しい顔で考え出す
「何にも考えてなかったのか?」
恭司の口からたまらず愚痴が出る
「しょ、しょうがないじゃないですかぁ!、だって恭ちゃんがここに残れるって思ったときどんなにうれしかったか!」
「わかった、わかった!じゃあ、ちょっといいか?」
「行くところ決めたんですか!」
「ああ、こっちに来たのはいいが、服がないんだよ、服買いに行こうぜ」
「はいっ、えっと〜こっちです!」
そのまま恭司は沙耶につれていかれて人ごみに消えていった・・・・