将棋駒の精霊!?
「まで122手で先手番の天童女流将王の勝ちです。」
やった。
と私は心の中で小さくガッツポーズをした。
「天童女流将王。神崎女流名人への挑戦権獲得おめでとうございます。」
記者さんの質問に返答する。
「ありがとうございます。」
「意気込みをお願いします。」
「はい。精一杯指して皆様に楽しんでいただける
戦いをお見せしたいです。」
神崎女流五冠は史上最強の女流棋士であり現役奨励会三段。
未だ誰一人成し得ていない女性棋士に最も近い人物だ。
神崎さんとタイトル戦で争えるなんて夢みたい。
正直勝てる可能性は相当低い、けど
まぁ、胸を借りるつもりで頑張ろう!
「ただいまー♪」
元気にドアを開ける
といっても出迎えてくれる人はいない。
早く仏間に行ってお父さんとお母さんに報告しなければ。
「おかえり。秀佳ちゃん」
20歳ぐらいの高身長イケメンチャラ男が笑顔で出迎えてくれた。
「はじめはして。ってえー!!」
し、知らない人が家の中にいる!?
「秀佳さんお帰りなさいませ。」
「今日は一段と明るい声だったな。なんか良いことでもあったのか?」
見たこともない人たちがゾロゾロと現れ
代わる代わる私に声をかける。
その数8人。
上はは25歳くらいから下は小学校低学年くらいだ。
新手の強盗!?
「あ、あなたたち何者ですか。」
恐る恐る聞いてみる。
「私たちは正明さんの形見である将棋の駒の精です。」
と8人の中で一番年長ぽい優男風の人物が言う。
将棋の駒の精?
そんな非現実的なこと信じられない。
でも、何でお父さんの名前を知っているのだろう?
では、正明さんの両親名前は天童峰子、天童勇作。
違いますか?
優男はたたみかけるように言う。
何でおじいちゃんとおばあちゃんの名前を?
「私たちずっと秀佳さんを見ていましたから。」
「誰もいないないこの家で、一人泣いている秀佳ちゃんを見てたよ。
俺たちは神に願った。君は一人じゃないって伝えたかった。」
と今度は一番始めるに出てきたチャラ男風がそう言った
「私たちの秀佳さんを想う気持ちが我々を人間の姿に変えたのです。」
「今から俺達みんな秀佳ちゃんの家族だからよろしくね。」