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コエロ!
その時、空が異様にドンヨリしていたが、僕は雨は降ることないと踏んで、そのまま、ベンチに佇んでいた。
一人、熟考する…。
(アイツは、ああ言ってたけど、世に、それはそれは、苦しく、悲惨な、目も当てられないビジョンが、いくつもあるじゃないか…
あの親子だって、
お爺ちゃんと孫のような、あの二人だって、
貴婦人三人組、
一人黙々と運動する人達、
……あの人達は、これから、そういう目に合わないという保証はあるのか…?)
何か、顔にポツリと当たった気がした。
僕は、動かない。
今度は、左手に、それが。
僕は、歩き出した。
駐車場のマイカーに向かって。
「…僕が守ってやる!」
向かう先は、迷うことなく公園パーキングにあるマイカーだったが、
思わず、自分の口から出た、その言葉に、
僕自身が嘘を衝かれ思わず一人、歩きながら笑ってしまうのだった。
【おわり】




