世界観
必ず、あらすじに記載された注意書きをお読み下さい。
・大まかな世界観について
緩やかに市場が衰退し始めたので、外宇宙に新しい市場を作りたくなった諸国によって、外宇宙探索プロジェクトが行われる。
いくつかの植民可能と判断された惑星の調査を行った結果、惑星の微生物が引き起こすであろう病気、それに対する免疫獲得に、今のままの人類だと数万年かかる可能性が示唆される。
数万年も待ってらんねぇとなった諸国によって、とあるプロジェクトがスタートした。
それは過酷な居住可能惑星に適応する人類を作る為の計画、新人類計画が西暦2200年にスタートする。
20年かけて完成したナノマシン、NS-35は遺伝子を収集し、書き換え、環境に適応した生物に改変する能力を持つ。
NS-35によって、外惑星病原に対する免疫の獲得を目指した計画は、実地テストを残すのみとなる。
伝染病が発生している地域に使ってみようぜ、と国連で決まったので、実際ぶち込んでみた所、見事伝染病に対する免疫を獲得、人類は新たな病気の根絶に成功したのだった。
・問題発生
NS-35は遺伝子を収集、改変する機械である。
人類や、原生動物をありとあらゆる脅威から守ろうと、様々な遺伝子を収集し、改変し、生物に投与していく。
結果、人類及び原生動物は、とんでもない進化のチキンレースへと飛び込んでいってしまう。
NS-35が産み出した変異生物の脅威に対する遺伝子改造を行い、新たな変異生物が産まれる。
その新たな変異生物が脅威となれば、それに対する遺伝子改造を行い、更に強力な変異生物が誕生する。
計画を始動させた諸国が、そのサイクルに気が付いて、沈静化を図るために軍隊を投入すれば、生物は人類を脅威と認識、それに対する免疫を獲得し始める。
結果、まさかの自然VS人類の大戦争に発展してしまう。
人類そのものを共通の脅威としてしまった変異生物とウイルスは、生存能力だけでは、脅威の根絶は不可能と判断し、人類に対する強い攻撃性を獲得。
中東に派遣された連合軍が、その攻撃性の前に壊走、中央アジア一帯から人類が駆逐されてしまった。
・第四次世界大戦
人類はNS-35をH-DIEと呼称。
全人類規模での滅菌作戦を展開する為に、国際連盟の垣根を超えた人類初の統一国家、地球共和国を発足させるも、どこか現状認識の甘かった国家が足を引っ張り、共和国軍は連戦連敗。
ユーラシア大陸全土にウイルスが広がるも、無双するアメリカ軍によって、大多数のユーラシア大陸在住人が避難に成功する。
もう俺らがなんとかするしかねぇわと、第二次世界大戦レベルで本気になった合衆国が再編と軍拡を進める最中、共和国軍がアフリカ大陸からも駆逐される。
しかし、彼らが必死になって稼いだ時間により、アルティメットモードに突入したアメリカ軍の準備が整い、ユーラシア奪還作戦の為に戦力の集中を行っていた。
・裏切者
戦力の集中の混乱を突き、一人の男が月面基地を僅か三十人で乗っ取ってしまう。
月面基地に設けられた資源輸送用のマスドライバーによって、質量攻撃が軍隊集結地点に向けて発射され、人類は折角整えた軍隊の七割を喪失してしまう憂き目に会う。
壊滅していた宇宙軍所属のドイツ人、アーベルによって、裏切者は撃破されるも、最早抵抗出来る程の戦力建て直しは不可能、と判断した合衆国は、未だ無事であった同盟国に声をかけて、とある計画をスタートさせる。
・人類延命計画
現状では奪還は絶望的、遅滞を行うには戦力を消耗し過ぎる。
となれば、ウイルスの性質を利用し、未来にかけるしかないと判断した人類は、五つの計画をスタートさせた。
残るリソース全てをつぎ込んだ五大計画が始動し、人は未来に想いを託す。
・プロジェクト・ノア
量子データ化された全人類の遺伝情報、文化情報を、他惑星に移動させる計画。
ラグランジュポイントに置いて、巨大なテラフォーミング船を建造、ノア級と名付けられたそれは、他星系調査によって得られた地球環境に最も近い星へと向けて、発進した。
数百年をかけて、その星をテラフォーミングし、もう一つの地球を産み出し、そこに人類を定住させる予定であったが、移民船のAIが航行中にフリーズ、間違えてアステロイドベルトに突入し、小惑星に衝突、爆散轟沈した。
・プロジェクト・アダム
文明滅亡後200年で、NS-35は全体的な老朽化から、一斉に無力化されるととある研究者が試算した。
感染変異体によって、新たな生態系が築かれ、NS-35の感染から免れた人類は、その生態系から爪弾きにされるだろうとも予測していたので、だったら非感染性のNS-35を作ればええねんと計画が始動する。
人類の遺伝データから、生存能力の高い個体を選出し、ありとあらゆる環境、個体が受けたストレス等をデータ化し、それを即座に個体の遺伝子及び、記憶野、経験野に反映させるサバイバルツールを開発。
複数人をデータの収集役として蘇らせ、彼らが持ち帰ったデータにより、残りの遺伝データを改修し、培養工場で人類を量産し、地球に解き放つ計画。
西暦2450年に実行され、数百人の生存する者が再び地球に解き放たれたが、中には伝説的な犯罪者や、危険思想犯も混じっており、世界中で猛威を振るい始める。
危うく、他の計画がポシャる所まで行ったが、最後に蘇ったラスト・サバイバーによって、彼らは打破される。
そのラスト・サバイバーは、プロジェクト・アダムが再び生存能力だけに着目したサバイバーを産み出そうとしている事を知り、単身、プロジェクト・アダムの統括AIが存在する秘匿要塞へと突入。
統括AIの搭載された巨大な量子コンピュータを破壊し、プロジェクト・アダムに終止符を打った。
・プロジェクト・ギフト
ノアとアダムが失敗した時に備えた予備計画。
優れた人材を今よりかは平和になった時代に残そうと、長期冷凍睡眠装置を開発し、そこで保存する計画である。
中には、冷凍保存されていた遺体から脳ニューロを引きずり出し、クローン体に転写、過去に存在していた伝説的な人物を蘇らせて、長期冷凍睡眠装置、ギフト・ボックスの中に封入したものもある。
ともかく、生き残った人類達の文明は、大きく衰退している事が予想されたので、その衰退に歯止めをかける為に、実行した計画であったが、解き放たれた二万人の放浪者の内、生き残ったのはほんの百人程であった。
噂によると、終末後の館山市を中心に広がっている豊かな都市の都市長と、その配下の軍閥に所属する何人かは、ワンダラーであるらしい。
・プロジェクト・イヴ
もし、予測と違い、人類が絶滅するまでNS-35の脅威認定が取り消されず、人類種が絶滅した際に発動しようと考えられていた計画。
大戦末期に投入された純戦闘型自動人形の戦闘能力を減らしてまでも再設計し、搭載されたジーンバンクと人工子宮により、再び人類を産み直す計画だった。
NS-35に感染し、変異した個体、感染変異体は、絶滅した生物を脅威認定から外す生態をしており、絶滅すれば再び人類を産み直しても、問題はなかった。
しかし、結局は予想が当たって、人類種が脅威でなくなった瞬間、人類に対する異常なまでの攻撃性は、邪魔な性質とされて除外された為、計画は発動せずにお蔵入り、残された自動人形達は経年劣化で、次々に故障している。
・プロジェクト・ルーシー
本当に最後の手段として計画された。
地上が感染変異体の楽園と化してしまった場合に備え、封印されていた旧世紀の戦略兵器、水素爆弾を大量生産し、地球上全てを焼き払う。
焼き払われ、死の星と化した地球を、地球再生及び、人類復古を目的として開発された陽電子AI、ルーシーによって、元に戻す計画。
ルーシーの居場所は、厳重に封鎖されており、どこに存在するかを、知っている人間は今の所存在しない。