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転生先の世界に丁度いい感じのチートを下さい 神「おかのした」  作者: 東線おーぶん


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第一話 乙女ゲー世界


 高校一年生の春、俺はこの世界を救えというクエストを全て無視して別の世界へと逃亡を図っていた。


高校入学までのモラトリアム。


中学卒業で卒業旅行なんてものとはスケールが違う世界間旅行。


安住の地を探す為、チートを使って好き勝手してもいい世界を探す為、自分の欲望を満たす為。


今俺は全ての現実から逃避して異世界へと逃亡する――。



「ちょっとー?休みだからっていつまで寝てんのー?もうそろそろ起きないとお昼ないからねー?」


「はーい!昼は自分で何とかするから気にしないでオッケーねー!」



母親の声に返事をして近所のファストフード店へと向かうべく寝間着から着替える。


家族全員で移住する世界ならやっぱり現代っぽい世界の方が良いよなーと今生の家族の顔を思い浮かべながらチートを起動して移動する世界を絞っていく。


まずは安全面をガチガチに固めようとして『ポイントを消費してポイントに応じた内容を現実に反映するシステムチート』(ポイント消費無し)略して『ポイントチート』を使い条件に合う世界を検索していく。


『別の世界へと続く扉を開く能力』を購入。


「んー、文化的時間軸はやっぱ現代は外せないしー。人間が生存している、あー魔法・・・アリでいっか」



道すがら試案しながら目当ての店で飯を買う。


結構大量に買ったのでそれを全部人影のない所で『アイテム化して収納する能力』を購入して保存。


俺の意志でコマンド画面が現れるとそこには今さっき買ったばかりのハンバーガーが入っている。


食料で検索すれば飲み物やポテトなどもあるしよくあるゲーム画面のアイテムボックスみたいな能力を手に入れた事になる。


何処となくこの規格外すぎるチートに我が事ながら引くが便利な能力なのでしょうがない。


言い訳をしながら幾つか能力を購入しながら考えを纏めようと思いつく限りの条件を入れていく時にふとあれ?もしかして渡る世界に転生者がいる世界って探してみれば良くね?と思いつく。



「んー・・・?乙女ゲー世界【グランドラブ~君と私の剣をチェンジする???】ねぇ・・・。



・・・最悪滅んでも良さげな世界だな・・・」



ボソッととんでもない事を呟いたが俺としてはもうこの字ヅラの世界なんて原作がゲームの世界っぽいし割と世界の危機に人一人の恋物語でなっちまいそうだし実験としては丁度よさそうだとこの世界に旅行してチートで好き勝手世界を改竄してみたりミクロの目線でこの世界の旅人になってみようと決意した。



『別の世界へと続く扉を開く能力』で渡る前に『世界の時を止める能力』で自分の世界を止めておくのを忘れない様にしておく。


これはあくまで俺の旅行である。


これは俺の人生が終わるまでの壮大な暇つぶしである。


そして俺は――別の世界への扉を開いた。









「俺、お前になら穴を貸せる」


「んん・・・ほぉ・・・んん・・・ほぉ・・・」


「君と私でこの国を支えて欲しい」


「君のチート?ではなく君が欲しいんだ・・・いや、ほんとそのチートじゃなくって・・・だからちょっと僕に無限の魔力とかくれないかい?君なら簡単だろう?」


「んん・・・んほぉ・・・んん・・・んほぉ・・・」


「私の剣と君の剣を共に交わさないか♂」


「わ、わたしのケンとあなたのケンを、こ、こうかんしてくだしゃい!」


「ねぇ・・・私、貴方となら結婚してもいいっちゃいいんだけど・・・見事に世界ぶっ壊れたわねぇ・・・」



「・・・乙女ゲーって奴を俺は舐めていたのかもしれない・・・・・・・・・帰ろっかな」



目の前に広がる性癖がノーマルの俺に限って言えば地獄絵図の惨状に対して弱音を吐く。


一応この世界に渡ってきてそれなりに時を飛ばしながらそれなりの日数が経った。


断じて別の世界(性癖)を開いた訳ではないのだけは声高に主張していきたいチート転生者の俺は気軽に世界の時を巻き戻す系の能力は使わないと決めているので(怠いから)面倒になったら二度とこの世界にこなければいいやと吹っ切ることにした。


洗脳とかできなくはないが親の顔正面から見れなくなりそうだし・・・と何でこうなったかを思い返していると早く事態の収拾をつけろとガンを飛ばしてくるこの場においてただ一人の女。


――そうこの世界の転生者である乙女ゲー世界に転生した女であるメアリーこと悪役令嬢に憑依転生してしまった【須藤 あかり】である。


盛大にため息をついた彼女は俺に呆れた様にだから言ったのに・・・的な表情を浮かべながら周りの口々に俺に求婚?をしているらしい面々を見たかと思えば何処か遠い表情で虚空を見つめ独りごちた。



「私の悪役令嬢人生――これからどうなっちゃうの・・・?」



彼女は切実にそう嘆いたのだった。




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