娘の母親がとても気になり出しました
それから俺は魔術学園の魔術の塔に執務の合間を見て日参した。
魔術の塔にはヨーゼフの魔術具があって、いつでも可愛いアミの姿が見られたのだ。
アミはとても可愛かった。
天然も入っているみたいで色々とドツボを踏むこともあったが、それがまた可愛かった。女友達に揶揄われてむくれるところもまた可愛かった。
愛娘をこんな間近に見られて俺はとても幸せだった。
でも、アミが可愛すぎて男どもが寄ってくるのはむかついたが、アミはそんな男達をうまく使っていた。
「フランツ様!」
今も貴族の女どもに絡まれたら従兄妹を呼び出して、従兄妹を使って逆に脅していた。何でも、その母がクリスの親衛隊長をしているらしい。
そう言えばアリーナとか言う熱心なクリスの取り巻きがいたのを思いだした。
「あの子は一体何をしているのよ!」
それを聞いてクリスは頭を抱えていたが……
そう、俺が行くと何故かクリスが必ずいた。
くそ、こいつがいなければ偶然を装ってアミに近づけるのに!
俺はクリスがいない時にアミに近づこうとしたのだが、何故か必ずクリスがいるのだ。
時間を変えても同じだった。
一度など夜中に転移したら、何故かクリスがいて、寝顔を見るのは禁止だと怒って追い返されたこともあった。こいつはひょっとしてずっと学園に張り付いているのではないかとさえ思えた。
見た目も可愛いのだ。絶対に寝顔も可愛かったに違いないのに!
俺はとても残念だった。
そんな俺だが、新たに最近とても気になることが出来た。
ヨーゼフ先生の魔道具は可愛いアミを映し出してくれたが、画面が少し小さかった。俺はアミに夢中になるあまり、どうしても画面に近寄る。
すると隣のクリスも同じらしく二人の距離がとても近くなるのだ。
クリスの息が俺にかかることがあった。
ハッと横を見ると食い入るように画面を見ているクリスが俺の間近にいたのだ。
とても見目麗しいクリスティーネがそこにいた。
元々美しかったのが、子供を一人産んだことによって更に妖艶さを漂わせ出したと言って良いんだろうか? 人妻の色香を漂わせているというかなんだ……俺はとても目のやり場に困ったのだ。
クリスは昔から友人だった。俺もクリスも婚約者がいたからかクリスに恋愛感情など抱いたことはなかった。俺からしたらクリスは力の伯仲した魔術師仲間だと思っていた。二人してやったいろんな馬鹿馬鹿しいいたずらをした記憶は楽しい思い出だった。
傍にいても女だと意識したことがなかったのだ。昔は……
でも、俺が媚薬を飲んでしまった時にクリスを抱いてしまった。
俺が薬のせいだといいつつ、欲望の限りクリスを抱いてしまい、クリスもそれに応えてくれたのだ。
あの後お互いに気まずくなってすぐに故国に帰ったから、クリスに会うのはそれ以来だった。
俺はその時にクリスが妊娠したのなんて知らなかったし、知っていたら絶対に責任は取って妻に迎え入れた。クリスは公爵家出身の令嬢だったし、えん罪をかけられて追放されたのは事実だ。その辺りをつまびらかにすれば帝国の皇帝の妻としても十分に迎え入れることは出来た。
そうなったら今は亡き当時の婚約者はとても悲しんだと思うが……
しかし、クリスはゲオルクと夫婦になることを選んだのだ。
俺の男としての魅力がゲオルクに負けてしまったんだろう。
そう思うとゲオルクに対して良い思いはしなかったが……
そんなクリスが隣にいたらその抱いた時のことがたまに思い出される。クリスのその時のいろんな表情や仕草が……
俺は不能になってから女絶ちしていた。
と言うか、最後に抱いた女がクリスだった。
だからかもしれないが、隣にクリスがいるととても気になってしまうのだ。
二人して愛娘の映る画面を見ている時はどうしても二人の距離が近くなって、否おうなしにクリスの事が気になってしまった。つい横のクリスを盗み見してしまい、クリスに不審な顔をされることも時々あった。
俺はいつの間にかアミを見るだけでなくてクリスに会えるのも楽しみに思うようになっていた。
そんなある日だ。
アミをフランツが自分の家に誘おうとしてきたのだ。
「フランツ、貴様、何をアミを誘っているのだ?」
俺は思わず手をアミに伸ばしていた。
「アミ、判っているわね、行っちゃ駄目よ!」
クリスも手を伸ばしていた。
俺達2人の手が重なったのだ。
「「あっ!」」
俺達は驚いてお互いを見た。視線が合う。
そして、慌てて視線を慌てて逸らした。
「いや、すまん」
「いや、ゴメン」
俺達の言葉が重なってしまった。
何かとても気まずい雰囲気が俺達の間に流れた。
「陛下、どちらにいらっしゃるのですか?」
そんな俺の元にいきなり帝国から宰相の怒りの魔導通信が入ってきた。
「いや、少し」
「いい加減にして下さい。執務がたまりにたまっております。ラフォース王国に派遣した騎士団からも指示を仰ぐ通信が入っておりますし、一度お戻り下さい」
宰相の怒り顔が写っていた。
「仕方ない。すまん、少し失礼する」
「私も」
クリスも用が出来たみたいで、俺達は気まずくなったのもあってそれぞれ地元に戻ったのだった。
テストの直後のお話しです。
この後大変なことが巻き起こります。
続きをお楽しみに!








