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愛しい娘になんとか「お父様」と言われたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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魔術の塔に向かったらいきなり襲撃されました

 俺はうんざりした。


 アミは俺の可愛い可愛い娘だ。小憎らしい小僧ではない。映像でしか見たこと無いが俺の愛しい娘なのだ。

 暗部や公爵夫人や男爵親子など他人に頼るのが間違いだった。

 自分の娘のことなのだから最初から自分で動けば良かったのだ。

 謝り続けるバーカー男爵とヒューゲルにはいい加減に飽きてきたというのもある。

 そもそも俺が行くのは早すぎると言う宰相達の言うことを聞いたのが間違いだった。こいつらは俺が行けば執務が滞るのが嫌なだけだ。宰相らの言うことを聞いていたらいつまでたっても愛しいわが娘に会えないではないか!


 こんなことなら、俺が最初から動けば良かったのだ。


「フィン!」

 俺は暗部の長を呼んだ。

「はっ」

 天井裏から降りてきた。


「ヒィィィィ!」

 バーカー男爵はフィンを見て目を見開いて悲鳴を上げた。


「陛下、お助けを! 何卒それだけはお許し下さい!」

 男爵が挺身低頭して慈悲を願ってきた。


「何をしておる?」

 俺は呆れて男爵を見た。

「えっ、処分されるのではないので?」

 キョトンとして男爵が聞いてきた。

「そんなことをしてどうなる!」

 俺は思わず叱責していた。

「申し訳ありません」

 頭を下げる男爵を無視して、俺はフィンを見ると

「行くぞ!」

「どちらへいかれるので?」

「こいつの元に決まっているだろう」

 驚いた顔をするフィンに俺は頭を下げて謝っているヒューゲルを顎で指した。


「陛下!」

「お待ちください、陛下!」

 宰相と外務卿が俺を止めようとしてくれたが、俺はもう待たなかった。


 フィンの腕を掴むと一気に転移したのだ。

「えっ、ギャーーーー」

 絶叫するフィンを連れて……



 そのままヒューゲルの部屋に転移した。


「ギャッ」

 足下で悲鳴が聞こえたが、無視だ。


「なんとも狭い部屋だな」

 俺が呟くと、

「学生寮という物はこんな物ですよ」

 転移の状態から立ち直ったフィンが答えてくれた。


「もう、元気になったのか?」

 俺は呆れてフィンを見ると

「転移は嫌だから止めてほしいと前から申し上げているではありませんか!」

 怒ってフィンが俺に食ってかかったが、

「ふんっ、少しは慣れたか?」

 俺は流してやった。


「慣れるわけはないでしょう!」

 俺の言葉にフィンは怒っていた。


 フィンは護衛を兼ねられるので便利だから何回か一緒に転移させている。その転移の落ちるような気分が嫌だから転移だけは止めてほしいと必死に頼まれているのだけど、俺は聞く気はなかった。


「すみません。退いてください!」

 俺たちの足下から死にそうなヒューゲルの声がした。


「ああ、貴様が下敷きになっていたな」

 俺は役立たずの男爵令息から退いてやった。


 こいつがちゃんとやらないから俺が来ることになったのだ。下敷きくらいですますのはしゃくだったが、こいつにはこれから色々と動いてもらわないといけない。


 俺が退いてやると男はやっと起き上がったが、

「まさか、皇帝陛下が現れるなんて……」

 驚き慄いていたが、


「では、ヒューゲル、行くぞ!」

「行くぞって、今からあの女のところに夜這いされるので?」

「馬鹿者! 実の娘に夜這いする親がどこにいる!」

 俺はヒューゲルの頭を思いっきり叩いていた。


「ギャー」

 大げさにヒューゲルは頭を押さえて転けていた。


「む、娘って今おっしゃいました?」

「そうだ。アミは俺とこの国の公爵令嬢だったクリスティーネの娘だ」

 俺ははっきりとヒューゲルには説明した。

「えっ、かの女は皇女殿下だったのですか?」

 ヒューゲルは固まっていた。


「そうだ。しかし、他の者には絶対に内緒だぞ。話したら死あるのみだ」

「ヒィィィィ!」

 ヒューゲルは更に悲鳴を上げてくれるんだけど……


「グズグスせずに行くぞ」

 俺は先頭に立って部屋を出ようとした。

「陛下お待ちを」

 フィンがさっと俺達の前から消えてくれた。


 様子を見に行ってくれたようだ。


「今です。左手に回って、非常階段から下に降りられます」

 フィンの声に従って進む。


「その右手の扉が非常階段の入口です」

 俺は良く使った扉を開けて外に出た。

 昔、寮から忍び出るのに良く使ったことを思い出していた。


 階段を降りる。


 外に出ると、フィンが現れてそのまま女子寮に向かいそうになるのを、

「どこに行くのだ?」

 俺は問いただしていた。


「女子寮では?」

「愚か者。この時間に行ける訳なかろう!」

「ではどちらに行かれるので?」

 不思議そうにフィンが聞いてきた。


「魔術の塔だ。師に会いに行く」

「なるほど」


「へ、陛下、魔術の塔って偏屈じいさんが居るところでは」

 何かフィンが恐れているんだが、

「ヨーゼフ先生が偏屈じじいってそれは笑えるな」

 俺は笑っていた。


「陛下笑い事ではありませんよ。数年前にいたずらで入り込んだ学生が帰ってこなかったって伝説があるくらいで」

 ヒューゲルは本当に脅えているみたいだった。

「ふんっ、そんなのは単なる噂話だ」

 俺はそう言い切った。


 そう言えば昔クリスらと夜に魔術の塔で肝試しをやって、ヨーゼフ先生に怒られたことがあったのを思いだした。

 今は昔の懐かしい思い出だ。


 俺が物思いにふけっていた時だ。


「陛下!」

 フィンの悲鳴が聞こえた。


 俺は障壁を張る


 ドカーーーーン!

 凄まじい爆発が起こったのだ。

 俺達はいきなり謎の敵から襲撃されたのだった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

攻撃してきたのは誰なのか?

続きをお楽しみに!

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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