男爵の息子に確認したら愛娘に上から目線で友達にしてやると言ってくれただけだと知って爆発しました
娘の事は見た目は実直なバーカー男爵の息子に任せておけば問題ないだろう。
俺は愚かにもそう思っていた。
「陛下、息子にお借りした魔導通信で手紙を贈ったところ、1年C組のアマーリアさんとお友達になるのに成功したそうです」
早速バーカー男爵は吉報を持って来てくれた。
「そうか、良くやった。男爵。で、アミが好きな食べ物とか欲しいものとか色々と判ったか?」
俺は身を乗り出して聞いていたが、
「いきなりはそれを探るのは難しいのではないでしょうか?」
男爵に言われ、
「陛下、男のヒューゲルがアマーリア様のお友達になれたのが奇跡ですぞ」
「そんなに急がれても駄目です。急いては事をし損じる申しますからな」
宰相や外務卿から窘められて、俺は事を急ぎすぎていたかと自ら反省した。
しかし、何日経ってもそれ以上の情報は入ってこなかった。
しびれを切らした俺は直接そのバーカー男爵のヒューゲルとかいう息子と話すことにした。
応接に魔導通信の魔方陣を設置してヒューゲル男爵の息子の部屋と繋ぐ手はずにした。
魔導通信で詳しいことを伝えるわけにも行かず、男爵には俺の名前も出さずに高貴な方の依頼だとだけ伝えるようにと命じていた。
「男爵、ヒューゲルは部屋にいるのだろうな」
俺が確認すると
「魔導通信の手紙で必ず部屋にいるように命じております」
男爵の言葉を信じて俺はその日の夜の19時にヒューゲルの息子の部屋と魔導通信で繋いだ。
いきなり俺が出て行くのはあれなので取りあえず画面には男爵だけで対応させることにした。
男爵ははこんなに距離があるのに息子と直に話せるという事で驚いていた。
魔導通信は莫大な魔力がいるし手間暇もかかるので、下位貴族でも中々利用は出来ないのだが、俺の魔力量からしたら大したことはなかった。
「ヒューゲル、元気だったか?」
男爵が画面に現れた息子に尋ねていた。
息子は見た目も男爵と似ていてあまり垢抜けたところはなかいが、一見真面目そうな男に見えた。
「親父、どうしたんだ? 魔導通信なんて高価なものを使って!」
ヒューゲルは驚いていた。
魔術師を雇ってノルトハイム王国の王都と魔導通信を繋ぐと金貨10枚は下らないようだ。
「いや、それはとあるお方に頼まれてだな」
「どこかの金持ちの伯爵家にでも金を積まれて頼まれたのか? 平民の女とつてを結ぶようになんて。本当に大変だったのだぞ、親父」
ヒューゲルは文句を言ってきたが、貴様のような男爵令息が皇女とお知り合いになれる機会を作ってやっているのだ。文句を言うなと俺は言いたかった。
「それでそのアマーリア様とはお友達になれたのだな?」
男爵が聞いてくれた。そう、そこが一番俺が聞きたかったことだ。
「当然だ。俺は帝国の男爵家の嫡男だぜ。俺の名前を出せばイチコロだったぜ」
ヒューゲルは自慢げ言ってくれるが相手はあのクリスティーネの娘だ。高々帝国の男爵家の名前を出してもびくともしないと思うが……暗部に色々と探らせたところ、アミは王国の貴族の男達に決闘を申し込まれたが、公爵令息にも完勝し、この前も魔術大会で優勝したのだとか。俺とクリスティーナの血を継いでいるのだ。能力はおそらく学園一だ。こんなさえない男爵令息に靡くか?
俺は疑問を持った。
「で、アマーリア様の好きなものとか判ったのか?」
「親父、相手は高々平民女だぜ。様付けする必要があるのか?」
こいつは俺に殴られたいのか?
俺はぷっつん切れそうになっていた。
「ウホン、ウホン!」
宰相が横から咳払いをしてくれた。
「ヒューゲル、何を言い出すのだ!」
俺と宰相の怒りを感じたのかバーカー男爵は焦りだした。
「ヒューゲル君というのかな」
たまらず宰相が画面の中に入ってくれた。
「えっ、誰だおっさんは?」
「お、お前、宰相様に何と言う事を」
「最小って何だ? あそこが小さいのか?」
この男宰相を知らないのか?
俺は呆れてヒューゲルを見た。
まあ、男爵令息風情だとそうなるのか?
それには宰相のバウアーはショックを受けていた。
「お前、宰相様に何を言うのだ! 貴族の中で一番偉いお方だ」
「一番偉いお方は公爵様様だろう。でも、ブライテンバッハ公爵家は当主が亡くなって今は夫人が継いでいるって話だぜ。ただ、夫人はなかなか男に飢えているそうで、この前は皇帝陛下に抱きついて押し倒したって噂だぞ。それに対して皇帝陛下も鼻の下を伸ばしていたって話だぜ」
「鼻の下は伸ばししておらんわ」
俺はたまらず叫んでいた。
「へ、陛下!」
俺が画面に出ると、さすがにこいつは俺の顔は知っていたようだ。
顔面蒼白になっていた。
まさか俺がいるとは思ってもいなかったのだろう。
「も、申し訳ありません。愚息が失礼な事を申しまして」
男爵まで頭を下げて謝りだしてくれた。
「まあ、謝罪はどうでも良い。ところでアマーリアの好きなものは何だ?」
俺は単刀直入に聞いていた。
「さあ、それは」
ヒューゲルは口を濁らせた。
「お前は友達になったのではなかったのか?」
「いや、それがその……
俺が再度問いただしていくと、何か答えがあやふやだ。
更にいろいろ聞いたところ、本人は大上段に友達にしてやるとアミの前で言ってきただけだと判った。
「馬鹿もん!」
俺は思わず叫んでいた。
「ヒェェェェ!」
ヒューゲルは俺からの叱責を受けて目を剥きかけていた。
「も、申し訳ありません。陛下からの命令とは知りませんでした。何卒お許し下さい」
平身低頭二人して謝り出したのだが、
今更謝られてもこちらは全然納得できなかった。
折角期待していたのに、こんな奴らに期待した俺が馬鹿だった。
こうなれば俺が動くしかあるまいと俺は心に決めたのだった。
ここまで読んで頂いて有難うございました。
次は皇帝自らアミの周りに探りを入れに行きます。
お楽しみに!








