娘の母の元に行かせた外務の使者は頭を燃やされて帰ってきました
俺はいけ好かない偽善王妃からの情報など眉唾物だと思っていた。
どのみちガセ情報を俺に流して、少しでも帝国との間を改善しよう、あるいは第二王子である自分の息子の応援を俺に頼もうという浅ましい依頼をするために流してくれたがせ情報だと断定していた。
まさか本当に金の瞳の少女がいるわけはないと思っていたのだ。
その言葉通り金色の瞳の少女の情報はすぐには集まらなかったが、最強魔術師の情報はすぐに集まった。
なんでも長い黒髪に青い瞳の子連れの魔術師だというのだ。
その魔術師は可愛い黒髪の女の子を連れているという話だった。
その名前はすぐに判明した。
クリスティーネ・フルフォードとゲオルクの夫婦魔術師だと知って、こいつらは名前を隠す気が無いのかと俺は心配になった。
こいつらなら、それは王妃というか、国王の言うことなど聞かないだろう。
何しろクリスティーネは王妃に嵌められて今の国王と婚約破棄させられ、断罪、国外追放されたのだから。国王や王妃のの言うことなど聞くわけはなかった。
クリスティーネか。魔物の流出の原因がクリスティーネだったら、国王に頼むよりは直接俺がクリスティーネに魔物をランフォースに送り出すのを止めてほしいと頼んだ方が効果的だとは思った。
「金色の瞳の女の情報はやはり王妃のガセだったのか?」
俺が暗部の長に聞くと
「いや、それがクリスティーネ様が連れておられるお子様の瞳の色が金色であるとの情報か入っておりまして、現在暗部で確認中です」
その言葉を聞いて、俺は思わずたちあがっていた。
「な、何だと! それは誠か?」
俺はフィンの胸ぐらを掴んで聞いていたのだ。
「へ、陛下苦しいです」
暗部の長の言葉を俺は聞いていなかった。
「本当かどうかと聞いているのだ」
「現在確認させております」
その言葉を聞いて俺は思わずフィンを掴んでいる手を離した。
「ぎゃっ!」
どんとフィンが地面に落ちる。
「陛下、酷いですぞ!」
フィンが怒って立ち上がったが俺はそれどころではなかった。
クリスティーネの生んだのが金の瞳の女の子なら、その父親は俺で間違いない。あの時の子供だ。
俺は確信を持った。
それまでは前皇帝の落としし種かまた面倒なことをと父を疑っていたのだが、俺の娘となると話は別だった。
「どうされました、陛下?」
流石のフィンも俺の動揺に気付いたようだ。
「その金色の瞳の少女は俺の娘かもしれない」
「な、何ですと。それは帝位継承権にも関係するのでは無いですか」
外務卿達も慌てだした。
「継承権などどうでも良い。俺の子供は未だにむさ苦しい男しかいないのだぞ。俺に可愛い女の子がいるなど信じられるか?」
俺が外務卿に聞いても他の誰に聞いても皆あまり何も言ってくれなかった。
「本当にまた面倒なことを。王妃様が知られたらなんとされるか」
俺には魔導公国から嫁いできた嫉妬深い配偶者がいたのだ。
その女から出た息子以外に俺には二人の息子がいた。
「そうか、娘か」
俺はおとうしゃまと呼ばれて微笑む俺の姿が思い浮かべられた。
「クリスの娘なら可愛いだろうな」
とはは思いながら、ゲオルクの事を考えると少し悪いと思った。
あいつはずっとクリスの事を思っていたし、今はやっと夫婦になって生活しているのだ。
なのに、クリスから生まれたのが俺との娘というのがなんとも申し訳無かった。
それも事故みたいなものだ。
俺は流石に躊躇した。
でも、俺の娘ならばこちらからいろいろと援助したいし、もし二人の邪魔になるなら引き取って良いと俺は思った。
その結果が優秀な暗部の人間を10名も失うことになったのだ。
俺の可愛い娘の映像と引き換えに。
仕方なかった。
俺は横にいて俺を白い目で見ていた外務卿の方を向いた。
「陛下、外務にいる人間は最低二カ国語は繰れる本当に貴重な人間なのです。陛下の暇つぶしに失わせるのは止めて下さい」
「外務卿、何が俺の暇つぶしだ。俺の血を継いでいるのなら、帝国の皇女だぞ。唯一の。貴様等は先日そのように騒いでいたではないか!」
「状況がむ変りました。情報を取るのに優秀な職員が10名も失われるのならば、ここは諦めるしかないかと」
「はああああ! 帝国の皇女だぞ。政略結婚には絶対にさせないがな」
「それでは意味が無いでしょう」
外務卿が頭を押さえていた。
「ふんっ、待ちに待った皇女が出来たのだ。これほど嬉しいことはないだろう」
「政略の駒に使えないのならば外務では使いようが無いではありませんか。なのに何故、犠牲者を出す可能性が高い任務をしなければいけないのです」
「それが貴様等の任務であろうが」
「安全な任務なら任せられますが、この状況下で外務に優秀な人材を集めるのは至難の業なのです」
愚痴愚痴外務卿が反対するのを俺は無理矢理、使者を決めさせて、クリスの所に送り出したのだ。
帰ってきた使者を見て俺は思わず吹き出していた。
頭が完全に燃えて丸坊主になっていたのだ。
「陛下、笑い事ではありませんぞ」
「いや、すまん」
俺は必死に謝ったが、使者は悲惨な目に逢わされたらしい。
「アミはゲオルクとクリスの子供で皇帝の血など一滴も入っていない。下らぬ事を言うとこうなるぞ」
使者は言う前から頭を燃やされたらしい。
その後で言わない事ではないと外務卿がわーわー喚くわで本当に大変だった。
ここまで読んで頂いてありがとうございます
20センチくらい下に記載の物語の外伝になっています
本物語を読んでいらっしゃらない方は是非読んでください。








