夜中に扉をノックされたので文句を言いながら開けたらそこに夢にまで見た愛娘が立っていました
俺はどうかしていた。
クリスを女として見るなんて!
クリスはアミの母で……アミの母で……そう、アミの母だ。
アミは俺が媚薬を盛られたとはいえ、俺とクリスが子作りした結果出来た子供だ。
そう、俺とクリスが……やった結果だ。
女としてみると言う以前に俺とクリスで子作りしていた。
その事実を俺は思いだしていた。
出来たということは俺はその時はクリスを女としてみていたのだ。
まあ、媚薬の後遺症で不能になった俺にはもう関係無い事なのだが……
「はああああ」
俺はその事を思ってため息をついた。
「陛下、どうされたのですか? またため息をつかれて」
「そんな暇はないですぞ。陛下が執務をほったらかしにして、よくノルトハイム王国に行かれますから、執務がとても滞っているのです。さっさとサインして下さい」
悩む俺の事など全く考慮もせずに宰相達は山のような書類を俺の前にもってきてくれた。
俺はうんざりしつつサインをしまくった。
サインの書類の山からやっと解放されたのはその日も夜になってからだった。
アミはどうしただろうか?
それとクリスも……
俺は疲れているはずだったが、このまま眠る気にはなれなかった。
俺は疲れも気にせずに転移したのだ。
魔術の塔の真ん前に。
「もう待てないわ! 今すぐに第三騎士団に行って、建物からアミを助け出さないと」
魔術の塔に入るとクリスが焦って叫んでいた。
「まあ、クリス少し落ち着け」
ヨーゼフ先生が必死に抑えていた。
「どうしたんだ?」
俺は尋ねていた。
「また、更にややこしい奴が帰ってきた」
ヨーゼフ先生が頭を抱えてくれたが、無視だ。
「レオ、アミが第三騎士団に捕まって、その後、建物から出てこないのよ」
焦燥した顔のクリスが教えてくれた。
「何だと? 何故アミが捕まったんだ?」
「第一王子に対する不敬罪を適用されたみたいなんだけど」
「アミは我が帝国の皇女だぞ。ノルトハイムは我が帝国と戦争をするつもりなのか?」
俺はいきり立った。
「はああああ! アミはゲオルクの子供だって言っているでしょ」
「クリス、今はそれどころではないぞ。第三騎士団に突入するなら俺も行くぞ」
俺はクリスに宣言した。俺の娘を酷い目に遭わせた騎士達は絶対に許さん!
ふつふつと怒りがこみ上げてきた。
「いや、待て待て、今アリーナ達が第三騎士団に向かっている。その様子を見てからでも遅くないだろう」
ヨーゼフ先生が必死に俺達を抑えようとしてくれた。
「今、アミはどうなっているんだ? ヨーゼフ先生の魔道具で見れないのか?」
「騎士団の地下牢までは見れないそうなのよ」
「なんだそのちゃちな魔道具は、どうしようもないな」
今まで散々使っておきながら俺はその魔道具をこき下ろした。
「お前らな。普通はどこでも映す魔道具などそんじょそこらの魔道具屋には置いていないのだぞ! それを貶すとはなんたることだ!」
ヨーゼフ先生が怒り顔で文句を言ってくれたが、今はそれどころではない。
アミが無事かどうかだ。
「貴様等両親は静かにしておれ。アミは第三騎士団風情が何かしようとしてもやられるような柔な体はしておらんわ」
ヨーゼフ先生がそう宣言してくれたが、
「そんなこと言っても、アミはか弱い女の子ではありませんか」
「そうよ、ヨーゼフ先生。もしアミに何かあったらどうしてくれるのよ?」
「いや、まあ……」
俺とクリスに詰め寄られてヨーゼフ先生も指すかに慌てたが、
「ほら、見てみい。クリスの親衛隊がやってきたわ」
魔道具が第三騎士団の建物に向かうアリーナ達の集団を映しだしてきた。
その瞬間だ。
ドカーン!
巨大な火柱が上って第三騎士団の建物が炎に包まれたのだ。
「「アミ!」」
俺とクリスが立ち上った。
爆発にアミが巻き込まれていたらと思うと俺達はいても立っても居られなかった。
「落ち着け2人とも。あのような爆発を起こせるのはアミだけじゃ」
ヨーゼフ先生がそう教えてくれたが、俺達は気が気ではなかった。
でも、次の瞬間だ。火柱の中からアミが女の子を背負って出て来たのがみえた。
「退けーー!」
アミが勇ましげに叫ぶと、そのまま、外にいた騎士達の中に突っ込んでくれた。
「「「ギャーーーー」」」
外に出ていた騎士達を強化した体で弾き飛ばしていた。
「アミちゃん!」
アリーナ達がアミを囲んでくれた。
「どうしたの? その格好は?」
「こいつらにやられたんです」
アミが騎士を指さして言ってくれた。
「おのれ、帝国の皇女に手を出すとは良い根性をしている」
「私のアミに手を出すなんて絶対にあいつら燃やしてやる」
俺達は同時に叫んでいた。
「レオ! アミは貴方の子供ではないわよ」
「何を言っている。あの金の瞳はどう見ても俺の子供だろう」
俺達が火花を散らして睨み合った時だ。
ドンドン
魔術の塔の扉を叩く音がした。
「ちょっとヨーゼフ先生。アミが居なくなったんですけど」
画面をちらっと見た見たクリスがヨーゼフ先生に食ってかかる。
「いや、そんな訳はなかろう」
ヨーゼフ先生が画面を操作するがどこにもアミはいない。
ドンドン
扉が再び叩かれた。
本当に面倒くさい奴だ。
「こんな夜中に誰だ?」
俺はそう文句を言いながら扉を開けた。
そう、そうしたらそこにアミが立っていたのだ。
俺は目を瞬いた。
夢にまで見たアミが俺の目の前に立っていたのだ。
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
やっと娘に会えました。
続きをお楽しみに








