欲望の願い
不知不覚、もう精疲力尽きてしまった。体は完全に透き通るように感じられ、快楽の余韻が舌の上で漂っている。彼を抱きしめながら、ベッドの上でポモディスの舌根と私の舌が激しく絡み合う。柔らかい唇は甘く、思わず強く噛んでしまった。彼は小さく「んっ」と声を漏らしたが、痛みを口には出さず、唇からわずかに赤い血がにじんだ。唾液まみれの舌でその「愛の血」を丁寧に舐め取る。
「アンナ、今夜は本当に楽しかったよ。こんなに爽快な感覚、初めてだ。すごく疲れたけど、すごく気持ちいい!」
彼は子供のようにはしゃいでそう言った。でも私には、彼がただ哀れに思えた。これまで女性に囲まれ、国王という立場にありながら、これを「爽快」と呼ぶなんて。
私は笑顔で応じながらも、心の中で苦笑した。たとえ彼の情婦になったとしても、きっと制限されるだろう。私の理想とは少し違う。でも、王后と離婚させて正妻の座に就くことはできるのだろうか……。
「陛下が楽しんでくださって、本当に嬉しいです。でも、もう朝が近いですよ。どうするんですか? 前にもおっしゃってましたけど、王后様はきっとあなたを探しているはずです。ああいう女性は、夜に夫が帰らなければ、絶対に疑いますよ」
彼の顔に苦い色が浮かび、手が震えている。軽く握っただけで、溢れ出る恐怖が伝わってくる。向き合いたくないという気持ちが。
「そうだな……君の言う通りだ。彼女は俺を探し回って、まるで鬼婆みたいに枕を破り、物を投げつけ、衛兵たちを散々痛めつける。だから俺は……」
「会いたくないんですね、わかります! ああいう相手と向き合うなんて、本当に辛いですよね。思わず拳を“ドン!”と顔に叩き込みたくなるか、思いっきり喧嘩したくなるでしょう!」
彼の目が輝き、まるで同じ境遇の仲間を見つけたかのように、私の手を両手で強く握り、激しく頷いた。惨めで楚々とした表情なのに、どこか理解を求める子猫のようだ。
「そう! そうなんだ! でもアンルクニンを殴るつもりはない。ただ、喧嘩したい。でも……できない。彼女に手を上げられたら、平手打ちが返ってくるだけだ……」
興奮して言い終えた後、彼は静かに首を振った。ため息はつかない。ただ、窓の外を眺めながら、嘲るように笑っている。自分の境遇を嘲笑うような笑みだ。自由への渇望も虚しく、華やかな衣装はただの支えに過ぎない。
こんな時こそ、チャンスを掴むべきか。理想とは少し違うけれど、宴会での光景は忘れられない。
溢れんばかりの宝石、贅沢を極めた大広間、巨大な王宮……これまで想像もできなかった世界。ここに来て初めて、本当の「天」を理解した。伝説の「聖山」も、きっとこんな感じなんだろう……。
私は軽やかだが慎重な口調で、ポモディスに願いを伝えた。
「陛下……少し失礼なことをお願いしてもいいでしょうか。とても冒涜的なお願いなんですが……」
「言ってみなさい。どうせ君は今夜、俺に忘れられない快楽をくれた。これからずっと忘れられないだろう……ははっ。だから、何が欲しいんだ? 金か? それとも貴族の特権か〜?」
私は彼の体に跨り、両手で枕の両側を押さえ、胸を彼の白く逞しい胸筋に密着させた。彼は突然の行動に驚いたようで、一瞬固まったが、すぐに我に返って問いかけた。
「ア……アンナ? どうして急に跨ってきたんだ……何が欲しいんだ?」
「陛下、私はあなたが欲しいんです。あなたの情人じゃなくて……あなたの妻になりたいんです!」




