結果発表 香箱ガニの軍艦巻きとケーキ
収録をグズる2人をケーキをエサに納得させる。
麗華と京子、おじさんの変な拘りに苦笑いする。
「えっ?他の人のタバコの匂いって臭くないですか?」
京子「は?自分が吸ってるのに?」
麗華「そうですよね、人のってそんな気にならないですよ」
11月下旬
リリースから1週間、今日は結果発表の日だ。
麗華と京子はいつもの様に金沢駅中のカフェでタバコを吸いながら
京子「結果どうなんだろうね?」
麗華「さぁ、どれだけ売れてるかっておじさんしか分からないみたいなんで」
京子「内容だけで言うと高校生の恋愛ものに近いけどどうなんだろ、面白かったと思うけど・・・」
麗華「うん、私もそう思います。この麗華ってちょっとおバカなのに、悩みも抱えてながら
頑張ってるところが可愛くって、私はこのキャラ好きです(笑)私ならブチ切れてるな~(笑)」
京子「うん、私も好き!」
麗華「あ、私がおバカなんてことじゃないですよ!(笑)」
京子「うん、分かってる!たぶん、おじさんが、頭の中にいる麗華が可愛くってしょうがないって
感じに描いてるから、読んでて楽しいの!(笑)」
麗華「私もそう思います!たぶん、おじさんの頭の中に理想の麗華ちゃんがいるって思います(笑)」
京子「そうだよね、麗華ちゃん愛されてるよね~(笑)」
麗華「京子先輩も愛されてますよ!最初の脚本で少し暗い部分があったのが、見直しで全部そんなのが
なくなって、いつも楽しそうな京子先輩がいてくれて、脚本読むのが楽しくなりました(笑)」
京子「うん、最初の話より全然良くなったよね、今の脚本のが好き!(笑)」
麗華「私もです!(笑)」
京子「そろそろ行こ、時間だし(笑)」
時間は10時半、おじさんから
「駅西ロータリーに到着します」
メッセージが入り、おじさんと合流して車に乗り込む。
京子「今日はなんでいつもより30分も早く集合したの?」
「うん、もう11月も半ばなんで(笑)」
麗華「11月でって、季節に関係するもの食べに行くってことですよね?」
「麗華ちゃん、鋭い!(笑)」
京子「え~、この季節って、おでんとかお鍋とか?」
「違います」
麗華「じゃ、甘えびとかカレイとかの地引網で取れるお魚とか?」
「うん、惜しいけど、今日はお寿司と11月上旬から12月末までしか漁が出来ない
香箱ガニの軍艦巻きを食べに行きます!(笑)」
京子「えっ、カニ?カニ大好き!!(笑)」
麗華「カニ、カニ~!告白しますが、大好きです!(笑)」
「香箱の軍艦巻きってたまにあるけど、今からいくお店のは好き!」
2人「出た、おじさんの好き!って(笑)」
麗華「それで、どこに行くんですか?」
「小松市の粟津に行きます」
2人「お店の名前は?」
「着いてからのお楽しみです(笑)」
お店の名前も教えてくれないので調べることもできず、2人は大人しく車に乗っていた。
「はい、到着です!」
小松市郊外にあるお寿司屋さんだったが、立ち姿が少し古くて老舗感があり、期待できそうな
たたずまいのお店だった。
おじさんが駐車場に車を止めたときには30台近くある駐車スペースがほぼ埋まっていた。
おじさんが車を降りて店に向かい、入口を入って予約名を告げると
店員「お待ちしてました、こちらへどうぞ!」
小上がりの畳席で4人掛けのテーブルに
「注文は俺がしていい?お寿司で食べられないものとかある?」
2人「大丈夫です!」
「うん、それじゃ注文しますね」
店員がお茶とおしぼりを持って来てくれると、おじさんが
「注文お願いします。ランチ3つと香箱の軍艦巻きランチ1人前お願いします」
店員「はい、かしこまりました!」
元気な受け答えで「ランチ3つ、軍艦1つです!」とカウンターにオーダーを入れていた。
10分程待っていると、
店員「ランチのお味噌汁と茶碗蒸しです。お寿司は直ぐに持ってきますね」
直ぐにお寿司の皿が届く。
京子「えっ、凄ーい、これで1200円?」
「うん、一番安いランチの次は、上ランチで、お寿司のグレードは上がるけど量は
変わらないし、それよりも俺が食べたいのはこの茶碗蒸し(笑)」
京子「茶碗蒸し?」
「うん、大好き!(笑)」
麗華「おじさんが好きじゃなくって大好きって初めて聞いた(笑)」
「うん、大好き」
3人「頂きます」手を合わせる。
京子「それじゃ茶碗蒸し最初に食べてみようかな」
麗華「私も~」
2人して茶碗蒸しを口に運ぶ
京子「あん、熱っ!うん、美味しい~、優しい味に具沢山!(微笑)」
麗華「熱っ(笑)うん、美味しい!タマゴの味もしっかりしてるし、
出汁もちょうどいい~!」
京子「お味噌汁はどうかな?あっ、あら汁だ~、柚子の薫りもして美味しい」
麗華「うん、柚子が魚臭さ消してくれて美味しいね」
「うん、この季節の柚子の薫りって特別だよね(笑)」
店員「香箱ガニの軍艦巻きお待たせしましたー!ごゆっくりどうぞ!」
「ありがとうございます。もう一つ、この季節の特別が来たよ!(笑)」
麗華「いやぁー、美味しそー、なにこれ~、見たことない~!(笑)」
京子「凄ーい、美味しそ―、ホント見たことない~(笑)」
2人して声を押し殺しながら騒いでいる。
「それじゃ、頂きます!」
3人して香箱の軍艦巻きを一つづつ箸でとり口に運ぶ。
麗華「香箱、香箱、美味しい~、身も内子も外子も全部、ミソに絡めたのが
乗ってて美味しい~の!(笑)」
京子「うん、一度に味が楽しめて、嬉しい~!(笑)」
「う~ん、大好き!」
麗華「また~、美味しいなら美味しいって言えば~!(笑)」
「え~、俺の好きとか大好きは美味しいとイコールなんで(笑)」
京子「だから、もっと素直に言ったらいいのに!(笑)」
「ま、表現の仕方は人それぞれだから!(笑)」
麗華「イクラ・イクラ~!美味しそー(笑)」
「京子先輩、好きなものだけ食べて!残ったら麗華ちゃんと俺で食べるから!」
麗華「そうですよ!イクラとかウニとか残してもらっても全然問題ないです!」
「麗華ちゃん、その表現はダメよー、京子先輩が食べたいもの食べて、
食べきれなかったら、だから!(笑)」
麗華「あっ、うん、そうです、出来たら全部食べて欲しいんです、ホントは!(笑)」
京子「うん、ありがと、でも全部は無理そうだから(笑)」
「まずは京子先輩が食べたいものだけ食べて!あとは俺と麗華ちゃんに任せて!(笑)」
麗華「私、実はお寿司大好きなんです!(笑)」
「麗華ちゃん、このウニとイクラあげる」
おじさんが自分のお皿のウニを指さしていた。
麗華「えっ?良いんですか?」
「うん、ウニは苦手なんで・・・あと、イクラは痛風に悪いから(笑)」
麗華「それじゃ、細巻き上げます(笑)」
かんぴょうとキュウリの細巻きを渡してくる。
3人してお寿司を堪能してからお店をでる。
ゆっくり食べていたので12時半を過ぎていた。
麗華「はぁ~美味しかった~(笑)」
京子「うん、美味しかった~(笑)」
「あっ、このあと、おやつに洋菓子店のケーキ買って帰るから!収録がんばってね!(笑)」
麗華「はぁ~、収録するんですか?こんな幸せな気分の時に?」
「いや、3人集まってランチだけって在りえないんですけど?」
麗華「たまにはランチしてゆっくりしたいんですけど!」
京子「ゆっくりしたい~!」
「いや、2人とも・・・まだ2本しか脚本消化してないんですよ、この後に続けて
リリースしないとリピーターさんが離れていくから、今が正念場なんです!」
京子「え~、少しくらい空いても良くない?」
「いや、収録してマンガでリリースするまでに時間が必要なんです!」
京子「それはおじさんの都合でしょ?」
「いやいや、ホント大変なんですよ!絵描いて、音声加工して、マンガの形にするのって」
麗華「え~、じゃ、良いですけど、このまま金沢に戻って収録ですか?」
「えーと、こっちで収録して、ケーキ屋さんでケーキ食べてから帰るのってどうですか?」
京子「ケーキ屋さんで食べるって?」
「そのお店はカフェ併設でケーキがその場で食べられるから、ケーキは好きなの
選んでいいですよ!」
麗華「えっ?カフェまであるんですか?」
「うん、女の子が好きそうな雰囲気のカフェで美味しいケーキが食べられます(笑)」
麗華「まあ、そう言うことなら仕方ないですね、収録してから帰りましょう!(笑)」
京子「うん、そだね!(笑)」
「うん、それじゃホテルに移動します」
お寿司屋さんの駐車場を出てホテルに向かう。
3話目は昨日の夜に送られてきていた。
「昨日の夜に送った3話目だけど読んでもらってます?」」
2人「読んでますけど・・・」
「それじゃ、ホテル行って修正あるならして、収録します!」
2人「はーい・・・」
収録が終わると15時前。
「お疲れさま~!」
京子「おじさん、マッサージの準備お願いします!(笑)」
「あ、はーい」
おじさんがお風呂のお湯を張りに行くのを見送りながら、麗華と京子がベッドの中で
麗華「京子先輩、可愛かったです!(笑)」
京子「うん、ありがと!麗華ちゃんも可愛かったよ!(笑)」
麗華「ありがとございます!(笑)」
おじさんが戻って来てソファーでタバコに火を着け、2人もベッドから起き上がり
ソファーに行きタバコに火を着けて一息入れると
京子「おじさんって私達が撮影してる間ってタバコ吸わないよね?」
麗華「あっ、そう言えばそうですね、なんでです?」
「えっ?他の人のタバコの匂いって臭くないですか?」
京子「は?自分が吸ってるのに?」
麗華「そうですよね、人のってそんな気にならないですよ」
「あ、いや、自分が吸ってる最中ならまだいいけど、吸わずに何かの作業とかしてる時に
他の人のタバコの匂いがすると、げんなりします。だから2人が頑張ってるときは
タバコの匂いで邪魔したくないと思ってるから」
京子「へ~、そうなんだ?」
麗華「なんか意味不明です(苦笑)」
京子「変なの(苦笑)」
「これも個人の好みの話なんで聞き流してて下さい(笑)」
タバコを吸い終えた京子がお風呂のお湯を確認しに行き戻ってくると
京子「おじさん、準備できた、行くよ!(笑)」
「あ、はーい」
京子にはフル、麗華には腰とお尻のマッサージが終わった時には16時になっていた。
ホテルをでてケーキ屋さんへと向かう。
「2人ともお腹に余裕でてきた?ケーキとお茶するくらいは大丈夫?」
麗華「はーい!オッケーです!(笑)」
京子「私もオッケー!(笑)」
駐車場を出て20分くらいでケーキ屋に到着する。
車を降りると
2人「おっきーい、こんなおっきなケーキ屋さんって初めてみる、しかも可愛い!!(笑)」
店内に入ると焼き菓子の甘い良い香りがする。
麗華「可愛いお店~、いい匂いする~」
それだけでも幸せな気分になる。
店内には10人以上の人たちがお会計や注文するのをまっていた。
20種類以上並んでいるケーキのショーケースの前にくるまでの間、ちょっと遠くから
ケーキを眺めているだけでワクワクする。
麗華「おじさんはいつも何食べてるの?」」
「好きなのは2段目の真ん中くらいにある黄緑色と赤色のピスタか、左上にある
真っ黒なプラネットかな」
麗華「どっちも美味しそ―!いっぱいあって迷う~」
京子「重たくないのってある?」
「うん、ピスタはコクのあるピスタチオムースにフランボワーズのソースがかかってて、
全体的にあっさりしてるよ。あとはフルーツのタルト系があっさりしてる」
京子「ふ~ん、じゃピスタにしてみる!」
「オレは久しぶりにプラネットにする」
麗華「2人は決まったんですね、私は、迷うな~?」
京子「3人で違うの頼んでシェアすれば良いんじゃない」
麗華「そうなんですけど、いっぱいあるから、どれにしたらいいか迷ってるんです!」
そうしているうちに一つ前の組が注文をし始めた。
京子「麗華ちゃん決まった?」
麗華「悩んでます、ショーケースの前に行って決めます!」
麗華がショーケースをじっと見つめている。
ショーケースの前に来て注文する番が来ると
「麗華ちゃん、決まった?」
麗華「はい、このモンブランにします!」
京子がモンブランの値札を見てびっくりして
京子「900円近い・・・」
店員さんにおじさんが
「このモンブランと、ピスタとプラネット、1個づつで、イートインでお願いします」
店員「はい、かしこまりました。お支払いいただいたら裏に回ってカフェの店員に
レシートを渡して下さい。
準備が出来次第お持ちいたします」
「はい、お願いします」
おじさんが支払いを済ませてレシートを受け取ると
「カフェに行こか」
2人「はーい!」
3人して1度お店の外に出て歩いてカフェに向かう。
麗華「えっ?えっ、こっちも可愛い~!」
2人「ちょっと写真撮っていいですか?」
「どうぞ、けど他の人が写らないようにね」
2人「はーい」
それぞれ好きな場所から写真をお互いに撮り合ってから、
2人「おじさん、写真撮って」
おじさんに女子2人そろった写真を撮ってもらう。
「そろそろ入りますか」
2人「はーい!」
童話に出てきそうな可愛い扉を潜りカフェに入ると平日なので席は空いていた。
おじさんが店員さんにレシートを渡すと
店員「お好きな席にどうぞ」
麗華「こっちの窓際がいい!」
みんな着いて行く。
店員もやって来て
店員「お飲み物はどうされますか?」
メニューを渡してくれる。
京子「私はカフェラテ下さい」
麗華「私は紅茶お願いします」
「ホットコーヒー、アメリカンでお願いします」
店員「かしこまりました」
京子「アメリカンって薄くない?」
「うん、薄いね」
京子「せっかくコーヒー飲むなら普通のが良くない?」
「うん、飲む目的が違うかな」
京子「目的?」
「うん、ケーキと一緒に飲むからコーヒーはお茶の代わりに近いかな。だから薄いのがいいの」
京子「ケーキもコーヒーも両方味わえばいいのに」
「コロナにかかってから味覚に自信がなくなってね、味わいたいものは1個にしてる」
麗華「そんな変わりました?」
「うん、好みが変わった。話長くなるから車戻ってから、覚えてたら話す(笑)」
店員「お待たせしました」
飲み物が運ばれてきて直ぐにケーキが運ばれてくる。
白いシンプルなお皿にケーキが乗せられていて、ケーキが映える。
2人「や~ん、美味しそ~!」
麗華「おじさん、京子先輩、写真撮るまで食べないで下さいね!」
京子「うん、分かった」
2人でお互いのケーキと飲み物を単品で、セットで写真を撮り、
麗華「京子先輩、こっち!」
京子「ん?」
京子が顔を上げるとパシャ!
京子「なんで私のこと撮るの?」
麗華「記念です!」
麗華は自撮りでしっかり笑顔で写っていた。
麗華「はい、おじさん」
「俺はいいの!ケーキだけ撮っといて」
手で顔を隠していた。
麗華「それじゃ私達2人の写真撮って下さい(笑)」
麗華がスマホを渡しておじさんにケーキと一緒に2人並んだところを撮ってもらう。
京子「そろそろ食べよ!飲み物冷める」
麗華「はい、あっ、紅茶美味し!ケーキも美味しい~!!マロンクリームが優しい甘さ!」
京子「うん、美味しい、フランボワーズが爽やかで美味しい!」
「うん、久しぶりに食べたけど、チョコが濃厚なのにしつこくないからいいね」
麗華「おじさん、ちょっと頂戴。うん、美味しい!」
京子「私も!美味しいな~」
麗華「おじさんってチョコ好きなんですか?」
「うん、チョコも好きだけと、栗の方が好き!だからモンブラン少し頂戴」
麗華「えっ?いるんですか?」
「ダメなの?」
麗華「ちょっとだけですよ!(笑)」
京子「私のもいいよ!(笑)」
「うん、ありがと。ピスタはいつも食べてるけど、飽きないな~美味しい!
あとは、前からこのモンブランは気になってたけど900円超えるってのに
引いてて食べたことなかったから(笑)」
京子「私もモンブラン頂戴」
麗華「いいですよ、どうぞ!」
3人して食べ比べをしていた。
京子が珍しく完食していたので
麗華「京子先輩、全部食べきれたんですね!」
京子「うん、スイーツなら大丈夫!」
麗華「ですって、おじさん、差し入れ頑張ってね!(笑)」
「えっ、なんで?ホテル入る前にコンビニ寄っておやつは好きなもの選んでいいって
言ってますけど?」
麗華「コンビニはやっぱりコンビニなんです!世の中にはもっと美味しいスイーツが
溢れてるんですよ!このお店のケーキみたいに(笑)」
「いや、さすがに毎回は面倒なんですけど・・・」
京子「おじさんの買ってくるスイーツっていつも美味しいんだ~、大好き!(微笑)」
麗華「あっ、私もそう思います!」
2人「だから、次からもお願いします!!(笑)」
「え~、スイーツって日持ちしないの多いから大変なんですけど」
京子「日持ちするものでもいいし、たまにその当日が消費期限でも、どっちでもいいよ!
おじさんが食べさせたいって思うもの買って来てくれれば(笑)」
麗華「うん、それでオッケーです!(笑)」
「オッケーです!って言われてもな~、大変なんですけど・・・」
麗華「私たちのモチベーションに繋がるんですけど(笑)」
京子「因みに、毎月1回でいいから1年間違うスイーツって用意できるの?(笑)」
「なんですかそれは?俺に対する挑戦ですか?(笑)」
京子「できるの?できないの??(笑)」
「そのくらい簡単です、季節ごとにでる定番スイーツを出すだけでも12ヶ月は埋まります」
京子「だよね?だったら、月一くらいはおじさんが食べたいスイーツ持って来て欲しいな~」
麗華「私もそれで我慢します!(笑)」
「いや~、月ごとに食べたいってなると、現地まで行くのが大変なんですけど」
京子「どう言うこと?」
「現地行って買ってこないと食べられないってこと」
麗華「そんな広範囲なんですか?」
「主に石川と福井だけど、移動だけでも大変です」
おじさんが帰りの車の中でセールスの結果を教えてくれた。
予想外の話で実感がなかったが、それも続くかは分からないので少し様子見することになる。