表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/56

観音山の草刈り 小さなおにぎり

おじさんが毎年恒例の草刈りに行く、


「前田のお殿様も来たことがあるかも知れない場所だし(微笑)」

京子「じゃ、お城が建ってたのはホントなの?」

7月20日過ぎの夜

「アイコちゃん、明日は朝早く出て、帰ってくるの次の日の朝になる」

京子「はあ?なんかあるの?」

「観音山の草刈り」

京子「あはっ、草刈りして飲み会?」

「うん、だから明日は帰ってこれない」

京子「うん、分かった」

翌朝7時前、おじさんが出かける準備をしていると

京子「もう出かけるの?朝ごはんは?」

「うん、8時集合だからもうそろそろ出かける、朝ごはんはおにぎり作ったし、

アイコの分も用意してあるから後で食べて」

京子「うん、ありがと」

祥子「あぉん」

「祥子、行ってきます、アイコ、行ってきます」

京子「気をつけてね暑いから水分取りながら作業して!」

「はーい、行ってきます」

京子「行ってらっしゃい」

祥子「あーん」

おじさんがドアから出て行く。

京子「祥子ちゃん、タカト出かけて行ったね、また2人でお留守番だね(微笑)」

祥子「あーぅ」

祥子が京子の足に擦りついて

京子「目が覚めたし朝ごはん食べよ、祥子ちゃんもおいで、一緒に食べよ」

祥子「あん」

京子「あはっ、お返事してくれるんだ、可愛い(微笑)」

京子がキッチンカウンターに向かって歩くと祥子も後をついてくる。

京子がエサと水を祥子の前に置くと、京子に向かって

祥子「あぅん」

エサを食べ始める。

京子「あはっ、今のは頂きますの鳴き声?(微笑)」

祥子がエサを食べているのを少し眺めてからカウンターの上を見ると、

普通の半分くらいの大きさのおにぎりがお皿に3個並んでいてラップがかけてある。

京子「あはっ、小さなおにぎり(微笑)」

お湯を沸かしてお茶を入れ、おにぎりと一緒にテーブルに並べて食べる準備をして手を合わせ

京子「いただきます」

お茶を一口飲み、おにぎりを1つ手に取る。

京子「ふふっ、ホントに小さい(微笑)」

普通なら2口で終わりそうなおにぎりを4口くらいで食べていると2口目で

京子「あっ、小梅が入ってる、具まで入れてるんだ、へへっ、美味しい(微笑)」

2個目は海苔の佃煮にワサビ菜を刻んだものが入っていて、

京子「あはっ、ワサビのいい薫りする、海苔の佃煮と合ってる(微笑)」

3個目はシーチキンのマヨネーズ和えに大葉を刻んだものが入っていて、鼻から抜ける

大葉の薫りが良かった。

京子「へぇー、シーチキンマヨネーズに大葉を入れてあるんだ、美味しいな~(笑)」

京子が食べ終わると、水を飲み終えた祥子が

祥子「あぉん」

京子「あは、ごちそうさましたの?私も、ごちそうさまでした(笑)」

祥子がいつもの場所に戻っていき毛繕いを始める。

京子はお皿を洗ってテーブル横のソファーに戻りお茶をゆっくりと飲んで休憩してから

日課の掃除と洗濯を終わらせる。

洗濯が終わると、おじさんの実家から持って来たマンガの続きを読み始めて、

最終話まで近くなっている話を読みながら

京子「五代、逝かないって、あははっ、タカトみたい(笑)」

京子「響子ちゃん悲しそう、もー、頑張れよ!失礼だぞ!(笑)」

ブツブツと呟きながら読んでいると祥子が近くまで来て

祥子「あーぉ、あん、あーん」

京子「ん?なに、何かあった?」

祥子が鳴いた後にベッドに向かって歩いて行き、ベッドに飛び乗って

祥子「あぉー、あーん」

京子がベッドに近づくと

祥子「あん」

京子「どしたの?眠いの?(微笑)」

祥子「あぉん」

毛繕いを始める

京子「ふふっ、一緒に寝たいの?」

祥子が京子の顔を見つめて

祥子「あぉん」

京子「うん、それじゃ寝ようか?私も少し眠いし(微笑)」

祥子の横に京子が寝転がると

祥子「あーん」

京子の左腕に寄りかかって毛繕いを始める

京子「あははっ、可愛い!背もたれが欲しかったの?(微笑)」

祥子「あーぉ」

祥子の頭を優しく撫でるとゴロゴロと喉を鳴らし始めて

京子「気持ちいい?ありがとね、仲良くしてくれて(微笑)」

祥子「あん」

祥子の頭や耳裏、首筋や顎を撫でながら

京子「そー言えば、先月から来てないよな~、一回病院に行かないとな~」

祥子「あぉん」

京子「出来てたらいいな~」

祥子を撫でながら呟いていると、いつの間にか眠っていた。


翌朝6時

おじさんが部屋に帰って来てシャワーを浴びて出てくる

祥子「あぉん」

「うん、おはよ(微笑)」

京子「おはよー(微笑)」

「おはよ(微笑)」

京子「もう帰って来たの?」

「うん、一晩寝て酔いがさめたから、朝早い方が道空いてるし」

京子「そだね」

「はい、お土産」

京子「ん、なに?」

「観音山の写真」

京子「あっ、撮ってきてくれたんだ(笑)」

「うん、登りたいって言ってたけど今年は無理だと思うし(微笑)」

京子「そだね(微笑)」

祥子にエサと水をあげた後にコーヒーを淹れて2人で写真を見始める

京子「草刈りはどうだったの?暑くなかった?」

「この季節なんで、けど今年はいつもに比べても凄く暑かった(笑)」

京子「そんなに?」

「うん、暑いから登るだけでも大変なのに草刈りしながらだから(笑)」

京子「水分補給はちゃんとしてた?」

「うん、作業前に500ミリのお茶とスポーツドリンクを1本づつもらうけど、1時間半で

両方とも飲み切ってる」

京子「1リットルもそんな短時間で?」

「うん、全部、汗で流れてくから、トイレにも行かない(笑)」

京子「これが登山道の入口?」

「うん、まだ刈り始める前の」

京子「道っぽいけど、草が生えてるね」

「そんな背の高い草は生えないけど」

京子「刈った後は?」

「後半の写真で出てくる」

京子「どうやって撮ったの?」

「登り始めから撮って、途中の何か所かで撮って、草刈が終わったら山を下りながら撮ってきた。

後半は草刈が終わった道が写ってるよ」

京子「じゃあ、前半は草が生えてて、後半は刈り終わった写真なの?」

「うん、そうです」

京子「へへっ、面白そう、ビフォーアフターだ(微笑)」

写真を何枚か見ていくと、余り草が生えていない広場が写り、何人かのおじさん達が

草刈り機を操っているのが見える

京子「ここは?なんかの広場?」

「ここがお城が建ってた跡」

京子「へぇー、なんか結構広いんだね」

「前田のお殿様も来たことがあるかも知れない場所だし(微笑)」

京子「じゃ、お城が建ってたのはホントなの」

「えっ、本当です、だからみんなして綺麗にしてるんだけど(笑)」

京子「あはっ、そうだよね(笑)」

何枚かの広場の写真の後に木々の葉だけが写っている写真があり

京子「この葉っぱだけの写真は?」

「うん、この方向に小松の町並みが見えるはずだけど、葉っぱで見えない(微笑)」

京子「あっ、麗華ちゃんが泣いてた場所だ(微笑)」

「そだね、ホントは海まで見えるんだけどね(微笑)」

京子「冬になったら見えるんだよね?」

「たぶん、けど、危ないから(微笑)」

京子「ホントに熊とか居るの?」

「毎年、近所の庭に熊が出たから注意して、って町内放送が流れるし、最近は猪も出るから」

京子「猪って良く聞くよね」

「30年前までは石川に猪は居なかったけどね、最近はね」

京子「えっ、居なかったってどう言うこと?」

「猪って冬眠しないから雪が多い地域は居ないはずだけど、石川でも最近は雪が少ないから」

京子「冬眠しないの?」

「みたい、だから俺が10代のころに猪被害なんて聞いたことも無かったけど、最近は

当たり前に被害があるし、家の栗も被害受けてる」

京子「えっ、タカトの家って栗の木があるの?」

「うん、畑にあるよ、おっきな木が」

京子「この前の家の庭じゃなくて?」

「少し離れたところの畑にある」

京子「へぇー、被害って?」

「秋に栗の実が落ち始める前に下草を綺麗に刈って拾いやすくするけど、こんな感じ」

去年の写真を少し探して栗の木が写っているのを見せると

京子「写真じゃあんまり大きい木かよく分かんないけど、綺麗な場所だね」

「こんな感じで栗のイガが落ちてると直ぐに分かるようにしてあるけど、夜中の内に

猪が来て全部食べてくの」

京子「猪って栗食べるの?」

「食べるよ、食欲が凄いから夜中に落ちたのの内、半分以上は無くなってる」

京子「それって猪が食べたって分かるの?」

「うん、イガと一緒に栗の実が落ちるけど、イガの周りに鬼皮だけが残ってるから」

京子「それって人が拾って行ったりとかしないの?」

「人間は鬼皮を残していったりしないし、人が持って行くのか、猪か猿が来たかは分かるよ」

京子「猪と猿の違いも判るの?」

「うん、猪は下に落ちてるのしか食べないけど、猿は枝になってるのも食べるから、

猿が来た後は葉っぱが着いた枝が落ちてるから分かるよ」

京子「へー、そんなので分かるんだ」

「結構な太い枝が折れて落ちてたりするし」

京子「近所の人が少し拾っていったりとかは?」

「前に何回かあったけど、町内放送で犯罪ですって流してもらってからは無くなった、

今は猪がほとんどだね」

京子「放送までしたの?(笑)」

「うん、綺麗に整備してあるのに人の家の敷地の青果物を持っていくって、犯罪です」

京子「そんなに?」

「そですよ、これがシャインマスカットとか梨とかならニュースになりますよ(笑)」

京子「あ、そだね、毎年ニュースになってるね(笑)」

「放送してからは拾っていく人は居なくなったから、代わりに近所に配ってる」

京子「配ってるの?」

「うん、食べきれないし(笑)」

京子「へぇー、どの位とれるの?」

「毎年40キロくらい」

京子「40キロって量が良く分からないけど(笑)」

「以前のアイコの体重くらいですよ(笑)」

京子「もっと分からない(笑)」

「えーと、お米の5キロの袋で言うと、20袋にはなるかな」

京子「えっ、そんなに?」

「お米と違って隙間が多いから、袋詰めするとそんな感じです」

京子「今年も採れるの?」

「毎年、必ず採れるよ」

京子「えへっ、食べてみたいな~(微笑)」

「うん、その時期になったらね(微笑)」

京子「楽しみにしてるね(微笑)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ