実家の草刈り 稲庭うどん
おじさんの実家の草刈りに京子が着いて来て、
「アニメは見てないけど、マンガの方はお母さんに赤ちゃん出来たときの話が好き(微笑)」
京子「あはっ、私も(微笑)」
6月下旬
「アイコちゃん、明日は実家行って草刈りしてくるから、朝に出て15時くらいまで帰ってこない」
京子「えっ?お昼ご飯は?」
「自分でなんとかして下さい」
京子「イヤ、一人で食べるの寂しいし」
「途中で帰ってこれないし」
京子「じゃ、ついてく」
「何しに?」
京子「タカトの実家って行ったことないし、どんなとこかな~って」
「単なる準過疎地ですよ」
京子「準・・・なに?」
「過疎地」
京子「人いないの?」
「居ますけど、何にもないよ、歩いて行けるところにコンビニも無い(笑)」
京子「ふーん、けど行ってみたい!」
「何にもすることないよ、俺は草刈りしてるし」
京子「いいよ、スマホは繋がるよね?」
「そこまで山の中じゃない!(笑)」
京子「あはっ、なら大丈夫(笑)」
翌日7時、いつもの軽でおじさんの実家に向かい、途中のコンビニでお茶や水、お菓子を買って、
保冷剤の入ったクーラーボックスに入れる。
コンビニから5分程走ると広い県道から狭い道に入り、田んぼに囲まれた家の前に車を止めると
京子「えっ、なにこれ、でっかい!」
「うん、でっかいだけが取り柄の家(笑)」
京子「凄ーい、けどホントに周りに田んぼしかないんだ(笑)」
「取りあえず入ろ」
おじさんがクーラーボックスを片手に家の入口でカギを開けて中に入り、
中に入ると部屋や廊下の窓を全て開けてまわるついでに京子を案内する。
京子「へ~、一部屋一部屋がおっきいね」
「うん、掃除が大変(笑)」
京子「私、掃除した方がいい?」
「いや、この前の時に掃除したからいいよ」
京子「タカトは草刈りするんだよね、私は何かすることある?」
「特にないから、マンガでも読んで暇つぶししてて(笑)」
20畳の洋間にソファーが置かれた部屋に案内されると2つの壁一面に本棚が並んでいた。
京子「えっ、これ全部マンガ?」
「うん、古いのは40年前のから、新しいのでも10年前かな」
京子「えへ~、凄ーい!これなら暇つぶせる!(笑)」
「飲み物はクーラーボックスから好きに取って、あと水道は通してるからトイレは使えるよ」
おじさんが部屋までクーラーボックスを運んでくれる。
「それじゃ、家の周りの草刈してるから、なんかあったら近くにきて大声で呼んで」
京子「大声で?」
「草刈り機のエンジンの音が煩いから、けど2メートル以内には近寄らないこと」
京子「うん、分かった、頑張って来て(笑)」
おじさんが玄関から出て行くのを見送ってからマンガが並んだ本棚を見て回る。
京子「あっ、みかん絵日記・・・アニメでしか見たことなかったの、原作がある(微笑)」
本棚から5冊を取り出して読み始める。
京子「アニメ良く見てたな~、懐かしい(微笑)」
外からおじさんが操る草刈り機のエンジン音が小さく聞こえていた。
2時間程しておじさんが外から戻って来て
「アイコちゃん、泣いてる?(微笑)」
京子「ひゃっ!もー、おどかさないでよ!」
「気付かなかった?(笑)」
京子「うん、没頭してた(笑)」
京子が頬の涙をティッシュで拭っていると
「それ、面白いよね、微笑ましいのとか感動もあるし、悲しくなる話もあるけど」
京子「うん、アニメ見てた時に気付かなかったけど・・・小さかったから」
「アニメって、アニメも相当古いよ?」
京子「たぶん再放送」
「アニメは見てないけど、マンガの方はお母さんに赤ちゃん出来たときの話が好き(微笑)」
京子「あはっ、私も、お母さんが優しいの(微笑)」
おじさんがクーラーボックスから冷たいお茶を取り出して飲んで、甘いお菓子を食べながら
「外、暑い!疲れるわ~(笑)」
京子「お疲れさま、もう終わったの?」
「ここの敷地はまだ半分」
京子「ここの?」
「うん、ちょっと離れたとこにあと2ヶ所ある」
京子「1日で終わるの?」
「うん、無理、いつも2日に分けて、ここで1日、もう2ヶ所で1日かかるから」
京子「そんなに?」
「まあ、8時間ずっとやれば1日で終わるけど、そんな体力無いし(笑)」
京子「無理しない方がいいよ、暑いから」
「うん、熱中症も怖いから」
京子「そだね」
「さてと、残りの半分、終わらせてくる」
京子「気を付けてね、暑いから」
「うん」
おじさんが外に出て行き、京子はマンガに戻る。
12時過ぎにおじさんが外から戻ってくると
京子「お疲れさまです!お腹空いた!(笑)」
「うん、ちょっと待って、汗が止まったら帰るから、途中でご飯食べて」
京子「この部屋って涼しくて快適だった」
「午前中はずっと日影だから部屋の温度、あんまり上がらないしね」
京子「うん、過ごしやすくて全巻読んじゃった(笑)」
「ここ来た時はこの部屋で過ごすことが多いね、涼しいし」
京子「それにしても、マンガいっぱいあるね?」
「うん、高校の頃くらいからのが残ってるし、姉貴のも残ってるから」
京子「だから少女マンガもあるんだ?」
「うん、俺は買ってない(笑)」
京子「でも、読んでた?」
「うん、面白いのは」
京子「面白いのは?」
「ゴリゴリの恋愛ものは読めなかった(笑)」
京子「面白いのに」
「なんか恥ずかしくなるし(笑)」
京子「へぇー、それじゃこの中でも読んでないのあるんだ?」
「うん、結構あると思う」
京子「読んでみたら?面白いのあると思うよ」
「もう少しして、足腰が弱って来たら、ここに来て読んでみる(笑)」
京子「もう少しって、まだまだ先でしょ!(笑)」
「うん、そのつもり(笑)」
おじさんが話をしながら体の汗を拭き着替えをして
「それじゃ、ご飯行こうか」
京子「うん、あの、読みたいの何冊か持って帰っていい?」
「いいよ、好きなの選んで」
京子「この山田太郎の全巻を持って帰ります!(笑)」
「それ面白いよね、その作家さん好き、亡くなって残念だけど」
京子「えっ?亡くなったの?」
「うん、何年か前に病気で」
京子「そうなんだ」
「面白い漫画家さんだったけどね」
京子「私はドラマ見ただけだけど、原作読みたいの」
おじさんが袋にマンガを詰めてくれる。
「他には?」
京子「あと、めぞん一刻」
「あはっ、これも面白いよ、高橋先生も好き(笑)」
京子「うん、らんま1/2とか犬夜叉の作者さんだよね?」
「うん、けど世界観が全然違うよ、面白いけど」
京子「うん、読んでみたい(微笑)」
「分かった」
袋では入り切らないので箱に入れ替えて
「それじゃ、帰るよ」
京子「うん、ご飯はどこ行くの?」
「暑かったし、さらっと食べられる冷たい稲庭うどんが食べたいです」
京子「稲庭うどん?」
「うん、秋田名物の」
京子「金沢でそんなの出してるとこあるの?」
「一か所だけ知ってます(笑)」
京子「へぇー、そんなとこあるんだ、うん、行ってみたい(笑)」
おじさんの実家を後にして30分くらいでお店に着く。
産業道路を小松から金沢に向かい、白山市から金沢に入って直ぐにお店がある。
京子「こんなとこにお店あるんだ」
「うん、昔からあるけどね」
京子「うどん屋さんだよね」
「うどん、蕎麦、丼物がある普通のうどん屋さんです」
京子「で、稲庭うどんがあるんだ?」
「うん、他じゃ見たことないから、稲庭うどんが食べたくなったらここに来てる」
京子「ふーん」
「入ろ」
京子「うん」
お店に入ると13時を過ぎていても席の半分以上は埋まっていた。
席に座ってメニューを見ていると
「かつ丼にしよ」
京子「は?稲庭うどんは?」
「さっきは暑かったからサラッと食べられる冷たいのがいいと思ってたけど、
時間たったらもの凄くお腹が空いてきて、かつ丼が食べたくなった(笑)」
京子「あはっ、うん、いいよ、私が稲庭うどんの冷たいの頼むから(笑)」
「うん、ありがと!(笑)」
店員に注文して暫くすると
店員「かつ丼と冷たい稲庭うどん、お待たせしました」
「ありがとうございます」
京子「へ~、細麺なんだ」
「うん、乾麺だから」
京子「なんで乾麺だと細麺なの?」
「太麺を乾燥させるの大変だし、あったとしてもお湯で戻すのも大変だと思うから」
京子「あぁ~そだね、乾麺で太麺って見たことない(笑)」
「俺も見たことない、平べったいのはあるけど(笑)」
京子「いただきます」
「いただきます」
京子「あっ、ツルツルだ!」
「うん、そのツルツルがいいの」
京子「うん、生麺よりツルツルだね」
「のど越しが良いよね」
京子が半分ほど食べ終えて
京子「タカト、あとお願いします」
「ん?いつもより食べてなくない?」
京子「うん、ちょっと胸につっかえてる感じで」
「調子よくない?」
京子「大丈夫、なんともないよ(微笑)」
「調子悪いときは言って」
京子「うん、分かった」
残りはおじさんが食べてお店を後にする。




