祥子
おじさんが実家から猫を連れてくる、
「うん、美人さんだったしね、愛嬌のある尻尾だし(笑)」
京子「あはっ、そうだよね、凄い美人さんだよね、この子!(微笑)」
4月末
おじさんから京子に電話がかかって来て
「アイコちゃん、3~4日、連絡取れないかも知れないけど」
京子「何かあるの?」
「うん、オカンが亡くなったから・・・」
京子「えっ?」
「葬儀とかあるから」
京子「私、お参りに行った方がいい?」
「家族葬にするし、そこにアイコちゃんが来たら大騒ぎになるから(微笑)」
京子「うん、そうだよね」
「ごめんなさい、ちょっとだけ時間下さい」
京子「いいよ、待ってる」
「それで・・・お願いがあって」
京子「なに?」
「実家で飼ってる猫がいて、俺が引き取りたいんだけど」
京子「ふふっ、私、猫が大好きって前に言ってるよ!連れて来て!」
「もう、おばあちゃん猫だけどそれでもいい?」
京子「うん、いいよ!」
「ありがと、猫と一緒に住めるアパート見つかるまで、こっちとそっちを行ったり来たりするけど」
京子「うんうん、直ぐ連れてきて、このアパート動物飼っていいところだから」
「えっ、そうなの?」
京子「うん、私も前に飼いたいと思って動物飼っていいアパートにしたけど、結局は飼わずにいただけで」
「うん、ありがと、こっちの整理がついたら連れて行きます」
京子「うん、待ってるね」
3日後、おじさんが猫を連れて京子のアパートに帰ってくる
猫「あーん、あーう、あーぉ、あーん」
バスケットに入っているキジトラ模様の猫が鳴き続けていた。
「ただいま」
京子「おかえり、怖がってるのかな?」
「うん、たぶん、住み慣れた家から連れてきたから怖いんだと思う、あと、人見知りが少しある猫だから(微笑)」
京子「そうなんだ、名前は?」
「祥子」
京子「祥子ちゃん、こんにちは、今日からよろしくね!(微笑)」
「祥子、今日からここに住むことになったから、慣れるまで辛抱して」
おじさんがバスケットから抱き上げると鳴きやみ、
床にそっと降ろして頭を撫でると「あぉん」一鳴きしてバスケットに戻ろうとする。
「はは、辛抱して、もうこのバスケットは片付けるから」
京子「ダメよ、祥子ちゃんが慣れるまでバスケットはこのままにしとこ!」
「うん、そうか、そだね」
祥子がバスケットの中に戻って隅っこに身を寄せている。
京子「祥子ちゃん、私はアイコって言うの、仲良くしてね(微笑)」
京子がそーっと手を伸ばして祥子の頭を撫でると
祥子「シャーっ!フゥーゥウー!ウー!」」
威嚇してくる
京子「んふふっ、ごめんね、怖かったね、ごめんねー(微笑)」
「ごめんね、人見知りだから、知らない人には2~3日こんな感じだよ(微笑)」
京子「ふふっ、いいの、猫ってこんな子が多いのは知ってる(微笑)」
「実家で猫って飼ってたりしたの?」
京子「うん、保護猫とか保護犬が何匹もいる家だったから、今でもそうだけど」
「そうなんだ、祥子も保護猫で小さい時に保健所から連れてきた」
京子「この子も?顔見ると外国種の血が混ざってそうだけど?」
「うん、たぶん、なんで保護猫になったかは分からないけど。見た目が良いから
この子の兄弟は直ぐに引き取り手があったみたい、けど、この子だけカギ尻尾だから
残ったみたい」
京子「あぁ、そんな人ばっかりだよね」
少し不機嫌そうに話て
京子「けど、タカトは気にしなかったの?」
「うん、美人さんだったしね、愛嬌のある尻尾だし(笑)」
京子「あはっ、そうだよね、凄い美人さんだよね、この子!(微笑)」
「それにカギ尻尾って福を引っかけてくるって言われてるから(笑)」
京子「そうかー、祥子ちゃんは福を引っかけてくるのか~(笑)」
その日はバスケットの横に実家から持って来たエサ皿と水飲み皿、
トイレを置いて様子をみる。
翌日にはバスケットから出てきて部屋の中を見て回り、窓から日が差し込む場所を
見つけて毛繕いを始めたのを京子が見つけ
京子「タカト、祥子ちゃん、あの場所が良いらしいよ(微笑)」
「うん、そだね、猫用クッション買って来て置いてみる(微笑)」
おじさんが新しく猫用クッションと燃えるゴミで出せるトイレ砂を買って来る。
祥子にトイレの場所をおじさんが教えている間に、京子がクッションを日の当たる
場所に置いて離れて見ていると、祥子がトイレから戻ってきてクッションの匂いを
念入りに嗅いでから中に入り毛繕いを始めた。
京子「大丈夫そうだね(微笑)」
「うん、そだね(微笑)」
おじさんが祥子のすぐ傍まで行き頭を撫で、あごを撫でるとゴロゴロと喉を鳴らしている。
京子がそっとおじさんの後ろに来て祥子の様子をみて
京子「いいな~、私も撫でてみたいな~」
「撫でてみる?」
京子「いいの?大丈夫かな?」
おじさんと場所を入れ替わって、そっと手を伸ばしてみるが、もう少しで
触れそうになった時、祥子が立ち上がってクッションから離れていく。
京子「あっ、祥子ちゃん~・・・ふられちゃった(微笑)」
「はは、それでも昨日みたいに威嚇されてないから、明日にでも触れると思うよ(微笑)」
京子「そうかな?」
翌日、おじさんが祥子の横に座って頭や首すじ、あごを撫でていたが、
京子がエサ皿を持って近づくと、京子の方に歩き出す。
京子「えっ、祥子ちゃん来てくれたの?(笑)」
京子がエサ皿を祥子の前に置くと食べてくれる。
京子「あははっ、可愛い、食べてくれてる(笑)」
「もう大丈夫だよ、アイコのことエサくれる人だって認識したみたいだし」
京子「そうかな~?」
「エサの後に毛繕いするし、それが終わったあとなら触らせてくれると思うよ」
京子「うん、ちょっと待ってる(微笑)」
祥子がエサを食べ終えて水を飲みクッションに戻る。
毛繕いが終わるのを京子が直ぐ傍で待っていると、クッションの中で横になり背伸びをすると、
「今なら触らせてくれると思うよ、そっと撫でてみて(微笑)」
京子「うん」
祥子の頭を優しく撫でてみる。嫌がるそぶりも見せずにそのまま撫でさせてくれるので
頭から耳のうしろ、首筋にかけてをそっと撫でていく。
京子「ふふっ、可愛い、ありがとね、祥子ちゃん(微笑)」
何日か同じような距離感で過ごしていたある日、毛繕いを終えた祥子が京子に顔を向けて香箱座りをする。
京子「えっ、私に向かって香箱座りしてくれるの、嬉しい!(笑)」
祥子「あーぉ」
京子「えへへっ、可愛い~(笑)」
京子が祥子の頭を撫でまわしていると
祥子「シャーッ、ふー!」
京子「あ、ごめんなさい、調子に乗ってました・・・」
祥子「あーぅ!」




