長野県安曇野 桜前線
露天で夜桜、満開の桜に酔いしれる。
麗華の企みにおじさんは気付かずに寝てしまう。
「お花見行って来れば?」
麗華「は?桜散ってますけど」
「東北で満開って言ってるけど」
麗華「遠すぎます!」
12話目の後半、既に12話目の区切りも無くなっていたが、リリースでは
14話まで進めて、4月中旬までにリリースを行い2週間の休みを取ることを
アナウンスして休みに入ることにする。
4月10日、金沢では桜も満開を過ぎて1週間が経とうとしていたころ、
収録が終わり、テレビをつけてニュースを見ていると桜前線は東北の方で桜満開の話をしていた。
麗華「今年はお花見できなかったな~」
京子「麗華、お花見したかったの?」
麗華「うん、したかったけど、今年は忙しかったし!誰かのせいで(笑)」
京子「あ~、そうだよね~、私もお花見できなかった!スケジュール守らない人いるし(笑)」
そんな話をしていると
「お花見行って来れば?」
麗華「は?桜散ってますけど」
「東北で満開って言ってるけど」
麗華「遠すぎます!」
「そだね、けど4月下旬なら長野の標高の高い所で満開のはずです」
京子「それじゃ、約束してた温泉旅行は長野で!」
「うん、いいよー、日帰りでいい?」
2人「え~、日帰り~?遠いしお泊りで企画して!」
「え~?そうなの?温泉旅行は行くって言ったけど、泊まりとは言ってないけど(笑)」
麗華「3月からここまで頑張ったご褒美で!!頑張ったんですよ!分かってます?(笑)」
京子「そのくらいの働きはしてると思うけど、おじさんの頭の中に付き合って!(笑)」
麗華「そうですよー、私も麗華ちゃんの気持ちに寄り添うのに気を遣ってます!(笑)」
京子「うん、私も京子に寄り添ってるから、疲れるの!(笑)」
「うん、わかった。久しぶりに行きたいところもあるから企画します」
京子「やったー、温泉付きでね!」
おじさんが直ぐにオッケーを出したことに驚いていると
「4月末の連休前で麗華ちゃんのお休みはあるの?」
麗華がスケジュールを確認し
麗華「4月25・26日が連休です!GW前に連休もらってます!!」
「ちょうどいい日だ。京子先輩も空いてる?」
京子「え~、そんな急に言われても~」
麗華「空いてないの?」
京子「空いてる!!(笑)」
「了解です。それじゃ予定はラインで今週末までに入れます」
数日後、おじさんからお泊り温泉旅行のスケジュールが送られてきた。
25日 11時 金沢駅集合
12時 金沢で昼食後に出発
15~17時 旅館近くの温泉
18時 温泉旅館到着
19時 食事・お風呂~就寝
26日 7時半 朝食
9時 旅館出発
15時 金沢着の予定
25日当日となる。
10時過ぎ、麗華と京子が駅中のカフェでコーヒーを飲みながら
麗華「やっとお休みですね(笑)」
京子「うん、おじさん変なスイッチ入ると休まないしね(笑)」
麗華「私も久しぶりにゆっくりできそー(笑)」
京子「麗華も大変だよね、休み削っておじさんに付き合って(笑)」
麗華「まぁ、その分以上の見返りはあるから、今はいいかなって(笑)」
京子「ふふっ、そだね(笑)」
麗華「京子ちゃんは何でおじさんに付き合ってマンガに出てるんですか?」
京子「うん、そだね~最初は直ぐに終わると思って付き合ったけど、途中から麗華とおじさんと
一緒にご飯食べるのが楽しくなったからと、ご飯が美味しく食べられるようになったから、かな?(笑)」
麗華「おじさん、意外と美味しいお店連れてってくれますもんね(笑)」
京子「ホントはどこでもいいの、ファミレスでも良いくらい。けど、私が食べきれない分を
麗華とおじさんが綺麗に食べてくれるから。私でもお店に入って好きなもの注文しても
良いんだって思えたら、楽しくなってて(笑)」
麗華「京子ちゃん、もっと一緒に美味しいもの食べてまわろ!私も京子ちゃんとご飯食べて
話するの楽しいから!(笑)」
京子「おじさんは?(笑)」
麗華「おじさんは味にうるさいから、お財布として来てくれてればいいです(笑)」
京子「うん、そうだけど、あの拘りも面白いの(笑)」
麗華「まぁ、面白いですけどね!酸っぱいの嫌いとか、味濃いのイヤとか(笑)」
京子「うん、1回おじさんとラーメン屋さんに行ったことあって、濃厚豚骨ラーメンの
お店だったけど、おじさんが好み聞かれたら「脂少なめで味薄くして下さい」って言ってた(笑)
なら、こんな店来るなよ!って思って笑った(笑)」
麗華「あははっ、そうですよね。その上に同じ味が続くのがイヤって言ってご飯頼むし(笑)」
京子「面白いよね!一緒にご飯行ってて飽きない!(笑)」
おじさんからメッセージが入る
「あと10分ほどで到着します~」
京子「そろそろ行こうか」
麗華「はーい」
金沢駅西口ロータリーでおじさんがレンタカーで迎えに来ていた。
高速のインターに入る前に昼食をとってから高速に乗り長野県へ向かう。
いつもの軽ではないので快適にドライブを楽しむことが出来る。
麗華が助手席に座り京子はおじさんの左斜め後ろの席で寛いでいた。
車が富山県と新潟県の境目を通り過ぎてトンネルが何個も繰り返し続く区間に入る。
時々、進行方向の左側に海が見えるようになり
麗華「あっ、海が見える!けど、すぐトンネルだ~」
京子「天気いいから海見たいよね~」
「うん、もう少し行くとPAがあるからそこで休憩します」
麗華「海、見えるの?」
「うん、すぐ近くに」
京子「そうなの?」
5分ほど走ってPAに入り車を止める。
麗華「ホントだ~、海が見える!(笑)」
「この建物の向こう側に出ると海が直ぐ下に見えるよ」
京子「ホント?麗華、降りて見に行こ!(笑)」
麗華「おじさんは?」
「うん、トイレ行ってくる」
京子「あぁ~いつものだね!(笑)」
麗華「あははっ、頑張ってきて下さい(笑)」
麗華と京子が車を降りて建物に向かって歩いて行く。
建物の中を通り過ぎてテラスにでると百メートルはゆうに超す崖下に海が見えて、遥か遠くまで
水平線を見渡すことが出来た。
麗華「うー、凄ーい!高~い!(笑)」
京子「うん、高いね、凄い下に海がある(笑)」
2人で写真を撮っていると5分ほどしておじさんがやって来る。
麗華「おじさん、写真撮って!(笑)」
麗華がスマホを渡して、何枚か写真を撮ってもらい、スマホを渡してくれると
「あと、5分ほどしたら出発するよ」
おじさんが歩き出すと
京子「どこ行くの?」
「うん、喫煙所」
京子「私も」
麗華「私も~」
2人が着いてくる。
喫煙所でタバコを吸い終えると
「それじゃ出発しますか?」
京子「トイレ行ってくる」
麗華「私も~」
「うん、車で待ってる」
2人がトイレの方に歩いて行くとおじさんはもう1本タバコに火を着け、
2人がトイレから出てくるのを見て灰皿にタバコを入れて車に向かう。
3人して車に乗りPAを出発し、トンネルを何個か通り過ぎると目の前が大きく開けた
麗華「えっ、凄ーい、海のうえ走ってるみたい!」
京子「うん、凄いね、海の上の橋だ!」
1分も走らない内にまたトンネルに入る。
麗華「もう終わっちゃった(笑)」
京子「写真とるヒマなかった(笑)」
トンネルを出たり入ったりして10分ほどするとトンネルを抜けた山間に
工場プラントが姿を現す。
麗華「え、凄い、ラピュタみたい(笑)」
京子「うん、凄いね、これ何?おじさん」
「うん、工場プラント」
京子「それは分かる!なんの工場?」
「知らない(笑)けど、夜に見ると凄い綺麗な、って言うか人間凄いなって思うところだね。
こんなおっきなプラント作るって(笑)」
麗華「こんなの見たこと無い」
「うん、石川じゃ見ないよね。けど新幹線から見えるよ、横を走ってるし。見たこと無い?」
麗華「うん、この辺はたぶんトンネルが多いから寝てる(笑)」
京子「うん、トンネル始まる辺りから軽井沢辺りまで外見ててもつまらないから、寝てる(笑)」
糸魚川インターを降りる頃には14時を過ぎていた。
高速を降りて国道を長野県安曇野に向けて車を走らせると、直ぐに山間に入りカーブが
続く道を進んで行く。
連続するカーブのゆったりとした横揺れと静かな振動が眠気を誘い麗華と京子は眠っていた。
1時間ほど車を走らせると急峻な山間の谷間から抜けて開けた盆地にでる。
コンビニの駐車場に車を止めると麗華が目を覚まし背伸びをし
麗華「ん~、もう着いたんですか?」
「うん、旅館近くには来たけど、まだ15時過ぎで早いから、君たちが言ってた
大きな露天のある日帰り温泉に行こうかと思って、カーナビに入れようと思って」
京子も起きて回りを見渡すと少し離れたところにある桜を見つける
京子「あっ、桜っ!満開だ~!(笑)」
麗華「えっ、どこどこ?」
カーナビの画面を見ていた麗華が京子が見ている方向を見て
麗華「あ~、ホント!桜が満開!(笑)」
京子「おじさんが言ってたのホントだったんだ(笑)」
麗華「知ってたの?」
「うん、5年ほど前まで毎年この時期にスキーしに来てたから」
京子「スキーしてたんだ?」
「うん、今は全くだけど(微笑)」
麗華「辞めちゃったの?」
「この年になると転んでケガするの怖くなって(笑)」
京子「気持ちまでおじいちゃんになってる?(笑)」
「これまでに骨折とか大きなケガしたことないから怖いのと、高血圧になってから
激しい運動が怖いし(笑)」
麗華「高血圧はね、食事改善ですよ!(笑)」
「2人とも俺に付き合って薄味の料理食べます?」
2人「絶対やだ!(笑)」
「そでしょ、外食だと俺もイヤ!(笑)」
車を大きな露天がある日帰り温泉の駐車場に止める
麗華「ここですか?」
「うん、ここは露天が大きくて周りは開放的でいいよ~」
京子「おっきな建物だね、内風呂も大きいの?」
「うん、内風呂も露天も大きいから他に人がいても今日なら気にならないと思うよ」
麗華「土日は違うの?」
「土日はスノボとスキー客がいっぱいくるから混雑するの」
麗華「もうGWですよ?」
「うん、この辺のスキー場はGW終わりまで営業するから、関東から関西、遠くは
広島辺りまでの人たちが集まるから、人でいっぱいになるよ、スキー場は!」
麗華「そんな遠くから来るんですか?」
「みんな狂ってるから(笑)」
京子「そんなに?」
「春スキーって特別かな、天気が良いと寒くないし、Tシャツでも滑れる位だから
気持ちいいし(笑)」
麗華「へ~、そんなに楽しいなら続ければいいのに」
「この年になると周りが辞めてくから(微笑)」
京子「あぁ、みんなおじさんになるから?(笑)」
「うん、そんな感じ(笑)」
麗華「お風呂行きましょ!」
京子「何時までに上がればいい?」
「遅くても18時まで、19時から晩ご飯だから」
京子「そんな3時間近くも入ってられなから(笑)」
「うん、16時半集合でどうですか?ご飯まで旅館でゆっくり休めるから」
麗華「1時間ちょっとね、了解です!(笑)」
「上がって来て休憩所に居なかったら車にいるから(笑)」
麗華「因みに、ここから旅館までってどの位ですか?」
「5分くらい」
京子「うん、分かった!(笑)」
2人が女湯に入って行く
脱衣所で服を脱いで内風呂に入ると
麗華「おっきー!ちょっと濁り湯なんだ!」
京子「大きいね、ゆっくりできそう」
2人でかけ湯をしてから内風呂に入る
麗華「はぁ~生き返る~!(笑)」
京子「ずっと車で座ってたからね!
麗華「お風呂の中で足をまっすぐに伸ばせるって気持ちいいですよね?」
京子「うん、そだよね、ふくらはぎ伸ばせるって良いよね!(笑)」
2人して身体が温まると
京子「露天、行ってみよ!」
麗華「うん!」
露天への扉を開けると少し離れたところに何本かの大きな桜の木が満開で出迎えてくれる。
麗華「うは~っ、凄い~満開~!(笑)」
京子「綺麗~っ、満開の桜って見るだけで嬉しくなる!(笑)」
麗華「そうですよね!金沢で見れなかった分、綺麗に感じる(笑)」
2人して露天風呂にも入らず垣根の傍まで行き桜を眺めていたが少しすると
京子「ぃや、寒っ!」
麗華「寒いっ!(笑)」
2人して桜が見える露天でゆっくりとお湯に浸かり
麗華「今日はどんなところに泊るんですかね?」
京子「料理旅館って言ってたから、ご飯は美味しいのかな?」
麗華「おじさんなら、美味しいご飯が食べられるところにすると思います(笑)」
京子「そうだよね、楽しみになって来た(笑)」
湯舟に浸かって身体が熱くなると湯舟から上がり、直ぐ横のベンチに座って冷まし、
冷えると湯舟に浸かってを繰り返して、ゆっくりと露天風呂と満開の桜を楽しむ。
1時間ほど過ごして全身を洗ってから上がり、髪は乾かすこともなく、脱衣所をでる。
休憩所に出ると、おじさんもちょうど出てくる。
麗華「長風呂でしたね?」
「うん、君たちが長いと思ったから、ゆっくりしてた(笑)」
京子「男の長風呂って珍しくない?(笑)」
「そお?露天があればいくらでも(笑)」
麗華「このまま直ぐに旅館に行きますよね?」
「うん」
麗華「良かった、直ぐに行きましょ!スキンケアは少ししたけど、髪は乾かしてないし、
旅館でゆっくり手入れしたいです!」
「了解です」
車で旅館に向かうと5分もせずに到着する。
こじんまりして、小奇麗な旅館だった。
みんなして荷物を手にもって玄関に入ると女将さんが出迎えてくれる。
「今日はよろしくお願いします!」
女将「はい、ようこそ、いらっしゃいませ!お上がり下さい」
受付を済ませているとき、家族風呂の張り紙を見ていた京子が、
京子「ここの家族風呂って何時に利用できるとかあるんですか?」
女将「今日は他のお客様はいないので何時でも利用していただいて構いませんよ(微笑)」
麗華「それじゃ、深夜とか早朝でも、いいんですか?」
女将「はい、今日は大丈夫です!24時間入れます(微笑)」
「お風呂はついさっき入って来たから良いんじゃないの」
京子・麗華「お風呂はね!」
「えっ?今日と明日はゆっくり過ごしましょーよー」
京子・麗華「そのつもりです!(笑)」
おじさんもだいたいの予想はついていた。
「とりあえず部屋に入って、休憩しよ」
2人「はーい」
女将に部屋に案内されて女2人とおじさんに分かれる。
部屋を見回すと12畳一間にトイレ・洗面があるシンプルで奇麗な和室だった。
部屋に入ってから、スキンケアと髪の毛を乾かしても、
時間はまだ早かったのでおじさんの部屋を確認しにいく。
京子「おじさん、はいるよ~」
おじさんの返事を待たずに部屋に入っていくと、おじさんは窓際で窓を開けてタバコを吸っていた。
「君たち、なんで人の部屋を確認しに来るの?」
2人「おじさんだけ豪華な部屋に泊ってないか確認したいから(笑)」
「いやいや、前回も同じグレードの部屋だったし、今回も変わりませんよ」
2人「うん、みて分かった!(笑)」
18時50分、晩ご飯の部屋に案内される。
今日は他にお客がいないとのことで6人掛けの掘りごたつテーブルに案内される。
女将「お飲み物は何にしましょうか?」
おじさん「ビール2本お願いします」
女将「かしこまりました」
女将が席を離れていく。
麗華「おじさん、ここの料理ってどんななんですか?」
「まぁ、こんな山の中なので山菜が出るけど、魚中心のメニューかな」
2人「えっ?そうなの?」
おじさん「うん、山菜の天ぷらとかは出るけど、メインは魚だね」
2人「なんで?」
「なんで?え、なんで?ってどう言うこと?」
2人「だって、山の中だし!」
「あ~、そ言うこと。ここって海から車で2時間くらいだよ」
京子「2時間もかかるじゃん」
「車がない頃は海から4~5日かかってたから魚は加工品しかなかったけど、今は港に
上がった魚は遅くても5~6時間もあればここに着くから新鮮ってこと、冷たいままね」
麗華「なんで?海から遠いよ」
「う~ん、例えば脚本の中の麗華ちゃんの家の近くの港で上がった魚を金沢市内に運ぶまでに
最低でも3時間はかかるって分かるよね」
麗華「うん、分かります。高速バスでも3時間はかかります」
「だよね、それと一緒で今は海岸線から200キロ以内なら市場通って少し時間がかかるけど
最短5時間程度でお魚が届くってこと、そこから実際に料理として出すのは5時間程度は
間あくけど、金沢の居酒屋と変わらない時間ってことです」
京子「あ~そだね、車なら早いよね」
「そう言うことです」
麗華「けど麗華の家から漁港は直ぐ近くにあるはずだよね?」
「うん、そだね、例えば、麗華ちゃんのお母さんが水揚げさればかりのお魚を朝7時に漁港で
買ったとしても、そのお魚をいったんは冷蔵庫にしまって、食卓に出したのは夕方7時でした。
としたら、今と同じだと思いませんか?」
麗華「あ、そだね、家の冷蔵庫に12時間保管してから出すのと変わらないや!(笑)」
「そう言うことです」
そんな話をしていたら前菜(八寸)が運ばれてくる。
3人の前に並べられたものを見ると山菜と小魚が並べられていた。
八寸、お刺身、焼き物、揚げ物、メインは小さなうな丼(蒸し丼・おこわに近い)デザートと続き、
終了となる。
どれも美味しくて満足できる晩ご飯だった。
京子の分はおじさんが旅館に頼んであったのか、今回も半分づつの量になっていた。
「満足した?」
2人「うん、美味しかった!(笑)」
「うん、良かった」
女将さんが席までやってきて
女将「お粗末様でした。お口に合いましたか?」
3人「はい、ご馳走さまでした。美味しかったです!(笑)」
女将「ありがとうございます!このあとはゆっくりお風呂に浸かって下さいね、今、
ちょうど桜が満開です!」
2人「桜みえるんですか?」
女将「はい、うちのお風呂のすぐ横に桜があります。男湯・女湯のどちらからでも見えます。
今が見ごろですよ!(微笑)」
女子2人「えっ、ホントですか、満開なんですよね?」
女将「はい!(微笑)今はこの辺りがちょうど満開の時期なんです」
「だから、今日ここに来たんです!(笑)」
京子「だからスケジュールに五月蝿かったんだ~(笑)」
「うん、満開の桜って綺麗だしね~、2人に見せたかった(笑)」
女将さん「石川県から来られたんですよね、あちらはもう散ってしまったんですか」
「うん、そうなんです。4月上旬には見ごろが終わって。お花見できなかったので、ここまで来ました」
女将さん「ありがとうございます!」
女将さんが皿を下げながら席を離れていくと
京子「女将さんと楽しそうに話してたね~(ニヤニヤ)」
「世間話ですよ、あと、情報収集(笑)」
麗華「情報収集って、何が分かったんですか?」
「この辺が桜満開ってこと!(笑)」
京子「はぁ?分かり切ったことじゃない?」
「うん、けど分かり切ったことでも確認は必要かな、確信になるから・・・営業の基本です(微笑)」
京子「あ、うん、そだね」
「お腹いっぱいになったし、部屋に戻ろうか」
2人「はーい」
女将が残っている皿をさげに来たので
3人「ご馳走さまでした。美味しかったです!」
女将「はい、ありがとうございます!(笑)」
「明日の朝もよろしくお願いします」
2人「よろしくお願いしま~す!」
女将「はい、かしこまりました!(笑)」
3人「おやすみなさ~い」
女将「お休みなさい(微笑)」
食事が終わり麗華と京子が部屋に戻ると
麗華「今日はどっちにします?」
京子「私は明日の朝風呂を希望!」
麗華「私は今からでオッケーです!」
京子「えっ?そうなの?桜は?」
麗華「女将さんに聞いたらお風呂横の桜は明け方までライトアップされているので、
今の時間でも桜満開が満喫できるとの話です」
京子「そうなんだ~、私は夜明けの桜が見たいから、今からは麗華が行ってきていいよ!」
麗華「了解です!帰りにカギを持って来れば良いんですよね!(笑)」
京子「うん、その通り!(笑)」
麗華がおじさんの部屋に向かう。
20時半を少し回っていた。
麗華「おじさん、来ましたよ、開けて下さい!!」
入口の襖をどんどんと叩くと
「もーホントにマッサージなんですか?」
麗華「違います。家族風呂行きましょ!」
「は?さっき温泉に入ってきたのに?」
麗華「ん、えぇーと、言い方変えます。ライトアップされた夜桜見に行きましょ!(微笑)」
「あぁ~、そだね、夜桜か~、いいね!行こか!(笑)」
麗華とおじさんが家族風呂に入りに行く頃、京子も夜桜を見にお風呂に向かう。
内湯は4人も入ればいっぱいな感じで、露天は3人が限度な感じがした。
内風呂でかけ湯をしてから露天に入りに行く。
露天への扉を開けると隣から麗華とおじさんの声が聞こえてくる。
麗華「夜桜、綺麗ですよね~、こんな時間にお風呂入りながら夜桜見るって初めて!」
「ライトアップの夜桜って格別だよね、真っ暗な中に満開の桜ってめったに見れない」
麗華「うん、綺麗~」
少し沈黙があったが
麗華「おじさん、今日はありがとね、連れてきてくれて・・・」
「うん、よろこんでもらえてよかった」
麗華「それじゃ、マッサージお願いします!」
「もう現実に引き戻されるんですか~(笑)」
麗華「幻想はいつまでも続かないんです(笑)」
「うん、そだね、こっちおいで」
麗華がおじさんに背中を預ける。
麗華「うん、あぅん、んん、う~、ん~気持ちい~」
麗華のうめき声とお湯が跳ねる音が続いていた。
京子は黙って隣から聞こえてくる声を聞きながら夜桜を眺めて過ごす。
暫くすると
「そろそろ上がりますか?熱くなって来たし」
麗華「はーい!」
2人が上がっていく音が聞こえて静かになると、周りからは気の早い
数匹のカエルの声が響いているのに気付く。
京子「もうカエルの鳴き声が聞こえるんだ(微笑)」
小さく囁いて湯舟から上がり部屋に戻る。
麗華とおじさんが部屋に戻って
麗華「腰のマッサージお願いします!」
「うん、いいけど、この前みたいに寝ないでね」
麗華「あは~(笑)うん、大丈夫だと思います!(笑)」
「それじゃ始めるから、ここに俯せになって」
麗華「うん、お願いします」
肩下から腰へのマッサージが始まり
麗華「うーん、うー、ふー、いいー、んーん」
「お尻のマッサージするね」
麗華「うん、お願いしま~す~」
お尻のマッサージが終わるころには始まってから30分が経過していた。
「麗華ちゃん、終わりましたよ~、寝てます~?」
麗華「・・・・・」
おじんが麗華のお尻をパシンと音がするくらいで叩いてみたが反応がない。
身体を揺すっても起きない。
「うん、寝てるか」
スマホを手にして京子先輩に電話する。
京子「なに?」
「麗華ちゃんが起きないんだけど」
京子「お尻引っ叩いたら」
「うん、起きないの」
京子「じゃ、そのまま寝かしといたら?」
「いやいや、引き取りに来て」
京子「私、もう寝てるんだけど」
「いや、電話してますよね」
京子「うん、じゃ、ちょっと待ってて」
暫くすると京子先輩が部屋にやってくる。
「ごめんね~」
京子「おじさんが謝ることないよ」
「うん、じゃ連れてって」
京子が麗華の体を揺すってみるが目を開けない。
麗華の身体を仰向けにすると麗華が目を開いて京子の目を見つめて、また目を閉じた。
京子は一瞬考えて
京子「おじさん、無理だね」
「なんで?」
京子「だって起きないし」
「いやいやいや~」
京子「麗華の布団持って来るからこのまま寝かせてあげて」
「まじで?」
京子「だって、起きないし」
京子先輩が部屋に一度戻って布団を持って戻って来る。
京子「麗華にかけてあげて、目が覚めたら戻ってくるでしょ、それまで置いといて」
「うん、はーい」
京子「それじゃ、カギもってくね~、明日の朝、桜見に行こー!(笑)」
「え~、なんで~?」
京子「今日は麗華に譲ったの!明日の朝は私に時間ちょうだい!おやすみ~!!」
京子が部屋に帰って行く。
麗華とおじさんが二人きりになるが、
「麗華ちゃん、おやすみね~」
電気を消して布団に入るとおじさんから直ぐ寝息が聞こえてくる。
麗華「えっ、ホントに寝るんだ?も~(微笑)」




