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第32話 魔王 VS 超巨大魔導暗黒機械神ダークマター

第32話、投稿します。


サブタイトルからして既に勝敗は決していますが……

Side 勇者 リーズ




「 ……な、何なのよ……これ…… 」



エリナもファヴも周りの兵たちも、そして魔王すらもも絶句してる。

無理もないわ。


何しろ私たちの目の前には今、天を衝くような漆黒の巨人。

全身に鎧を纏っていて、生き物と云うよりはゴーレムみたいな……

でもゴーレムにしたって、この大きさはあり得ない。


いきなり魔王が乱入してきたのにも驚いたけど、これはそんなのとは比べ物にならないくらいの衝撃だわ。



そして何より……さっきあの巨人が言い放った聞き捨てならない単語。



「 お、おい……リーズ。

  も、もしかして……ア、アレって…… 」



ファヴも聞き逃さなかったみたいね。



「 ……ええ、

  ミコシバが言ってたヤツの事よね…… 」



そう……

私たちの聞き間違いじゃなければ、あの巨人はさっき自分をこう言った。


" ダークマター " って……



「 えっ!?

  な、なに? 何の事を言ってるの? 」



あ……そう言えばエリナは聞いていなかったんだっけ。

今は悠長に説明している場合じゃないけど。


ミコシバが私たちに語った話。


この世界の全ての生命・全ての種は、ダークマターという存在によって創り出されたという事。

ダークマターは文明の高度な進化を模索していて、そのために過去に何度も文明を滅ぼし、そして再生させているという。

そんな、完全に私たちの理解の範疇を越えた内容。


もちろん、それを聞いた時は眉唾ものだと思ってたけど

まさか、本当に……?


常識的に考えて、そんなモノが本当に存在するなんてとても考えられない。



でも目の前の巨人を形容するならば、それこそ神とか悪魔しかなくて……



「 ……冗談でしょう? 」



もしそんなヤツが本当に存在するとして、本当に世界を滅ぼそうとしているんだったら、

……私たちじゃ、どうしようも……





Side 魔王 シリウス




「 ……ダークマターって…… 」



確かバルディウスが懸命に説いていたアレだよな?


過去に何度も世界の創造と滅亡を繰り返しているっていう、

そんでもって我ら魔族国の魔神信仰のモデルになった存在とか……



…………え?

ほ、本当に実在したのか? 魔神……


俺はてっきり、魔王の血族の権威を高めるために、代々の魔王の誰かがでっち上げた方便なのだと……

実際、魔族国でもそう認識している者が殆んどだし……




……だとすればヤバいんじゃないのか?

バルディウスの話だと、魔族と人間が永きに渡って争い続け、文明の発展が停滞したからって理由で、もうじき世界を滅ぼしに掛かるって……


実際、さっき現われた時も魔族と人間を滅ぼすとか言ってたし……



……もしかして、俺たち全員ヤバくないか?





Side ダークマター ( 御子柴 陽一 )




さて、カッコよく亜空間から出現したのはいいけども、これからどうしたものか。


ここにいる全員にダークマターの力を見せて、恐怖を与えなければならないわけだが……

そのためにここにいる全員を全滅させるわけにはいかない。顔見知りもいる事だし。

遠方に魔導砲ぶっ放してキノコ雲つくる事も出来るんだけど、それも微妙だ。

だからと云って何もしなければ、それはそれで怪しまれる。



結論、この戦場で最も強い者に戦いを吹っ掛けて勝利。

つまりは噛ませ犬になってもらうわけだ。



そしてそのターゲットは

……………………………

……………………………

……………………………

……………魔王、お前だ。



丁度いいタイミングでヘタレから脱却したみたいだし、

さっき『 神でも悪魔でも掛かって来い 』なんて自信満々に言ってたし、

相手としては申し分ない。

フラグも充分に立っていると言える。



悪く思うなよ、魔王。

俺は別に、お前が憎くてこんな事をやるわけじゃないからな。


それに死んでもらうわけじゃない。

このダークマターの力を示せれば良いわけで、

出来るだけ攻撃は当たらないようにするから。


……ちびらせたらスマン。





Side 魔王 シリウス





直立不動だった巨人が動き出した。



……どうにも引っ掛かる。


気のせいだとは思うんだが、

あの巨人、さっきから俺の方ばかり見ている気がする。


それに気のせいだとは思うんだが、

俺の方に向かって一直線に歩いているような……



「 うわぁぁぁぁぁっ!!?? 」

「 こっち来たぁぁッ!!?? 」

「 に、逃げろぉっ!? 全員退避だぁぁっ!!?? 」

「 どこにだよ!? 馬鹿野郎!! 」



周りの兵たちも慌てて逃げ惑っているしな……



……あの巨人、なんだか俺に向かって手を伸ばしているみたいな……


……気のせ…………気のせいなんかじゃねえぇ~~~っ!!!???




ア、アイツ、明らかに俺を狙ってやがるっ!!

オイオイオイオイっ!? 冗談止めろよっ!!??

確かにさっきは調子に乗って『 神でも悪魔でも何でも来い 』なんて言ってしまったけどな、

まさか本当に来なくてもいいだろっ!!??


ふっざけんなっ!! クソッ!!!!


魔王が相手するのは勇者だけって相場は決まってんだろっ!!

大きさ考えろよっ!?

普通は等身大の敵だろっ!!??

百歩譲ってもドラゴンあたりが限界だろっ!!!???

あんな山よりデカいバケモノとか卑怯通り越して反則だろっ!!!!????



「 パパ…… 」



ノヴァが不安そうな顔で話し掛けてくる。



「 パパ……アイツ、多分パパを狙って来てる…… 」



ああ、そうだろうなそうだろうな。

だから早く飛竜に乗って逃げないと……



「 パパ、絶対に負けないで…… 」



…………は?



「 私、信じることにした。

  パパなら、どんなヤツが相手だって絶対に負けないって 」



……ちょ、ちょっと待て。



「 む、娘よ……

  信じてくれるのは嬉しんだが…… 」



お前には俺があのバケモノに勝つ場面が想像できるのかい?

パパにだって出来る事には限度があって……



「 パパ…… 」



ノヴァが不安そうに、ただ俺を見つめてくる。

その小さな肩が僅かに震えている。


ノヴァだって不安なのだ。

あんな信じられないほどの巨大なバケモノが突然現れ、怖くない筈がない。


でも俺を信じようとしてくれる。

あんな明らかに勝てる見込みが絶望的な相手でも、ノヴァは俺なら何とかしてくれるって信じているのだ。



「 …………… 」



そんなノヴァの期待を、また俺は裏切るつもりなのか?

また無様に逃げ回る姿を見せて、ノヴァを失望させるつもりなのか?



「 ……否 」




そうだ、俺は生まれ変わったのだ。

俺は決めたはずだ。

相手が誰であろうと、せめて娘の前では最強無敵の魔王(ちちおや)であり続けようと……


強い弱いの問題ではない。

及ぶ及ばないの問題ではない。


……虚勢でもいい。

ノヴァを失望させるような姿だけは見せるわけにはいかない。




この瞬間にも漆黒の巨神……ダークマターが近づいてくる。

その巨大な掌が、俺を捕らえようと迫って来ている。



だが逃げるわけにはいかない。

今度こそノヴァに見せてやりたいのだ。

神も悪魔をも恐れぬ、真の魔王たる俺の雄姿を……



「 お、おぉ…… 」



言え、言うんだ俺っ!

まずはダークマターとか云うふざけたヤツに言ってやれ!!


お前なんぞ知るか、俺の前から消え失せろ! と……


でも言ったらきっと殺される。



「 おまぇ…… 」



でも言えっ!!

ダークマターの巨大な掌が、もうそこまで迫って来てる。

でも言ったらきっと助からない。



「 お、おま…… 」



でも言えぇっっ!!!!



「 おま、

  お待ちくださいダークマター様わたしは貴方の忠実な僕でございます貴方を主神と仰ぐ魔神信仰の敬謙な一信者でございます貴方様に刃向かうつもりは微塵もございません本当です天地神明に誓いますですからどうかお慈悲を命だけはお助けくださいぃっ!! 」





…………はっ!?


お、俺は一体、何を口走って……?

し、しかも土下座までして……



「「「「 ………………… 」」」」



……場の視線を一身に浴びているのが分かる。

さっきまで混乱の極みにあったというのに、今に限って場が静まり返っている。


顔を上げると、案の定、勇者共と周りの兵たちが呆気に取られた顔で俺を見ている。


何故かダークマターまで、俺に伸ばした腕をそこで止めている。



……む、娘は……ノヴァは……?



「 ……パパ 」



ノヴァは俺を睨んでいた。目にいっぱいの涙を溜めて。



「 む、娘よ……

  い、今のは決して俺の意思で言ったわけでは…… 」



そうだ。今のはナシだ。

アレは無意識のうちに出てきた言葉だ。

本心かも知れんが、決して俺の本心とは認めん。



「 …………もういい。

  ……二度とパパの事は信じない 」



ノヴァは武器の大鎌を担ぐと飛竜に跨って……


って、まてまてまてまてっ!!??


俺の代わりにダークマターと戦うつもりかっ!!??



「 ま、待てっ!? ノヴァ!!

  無謀だっ!! やめろっ!!! 」



しかしそんな俺の制止を無視し、ノヴァは飛竜を飛翔させて……



「 ノヴァァァァァ~~~!!?? 」





Side ダークマター ( 御子柴 陽一 )




驚いた。

これまで色んな異世界を渡ってその都度、色んな魔王を見てきたけどな……



「 流石に土下座して、マシンガントークならぬマシンガン命乞いする魔王は初めてだ 」



いや、命乞いマシンガンの方が語呂がいいか?

というか今更、魔神信仰を引き合いに出されてもな……


しかも娘や宿敵である勇者の前でだぞ?

あの魔王、ヘタレは全く治っていなかったようだ。


プライドは無いのかと小一時間ほど問いたいところだけど、俺が魔王の立場だったら同様の事するかも知れん。

あの魔王、微妙に俺と通じるところがあるな。

追い詰められると、取り敢えず手段を選ばないところとか……

あの魔王の場合、それが(ことごと)く失敗しているみたいだけど……



しかしどうする?

戦う前から決着が着いてしまった。



おっ……なんか魔王の娘がドラゴンに乗って接近してきた。


武器を手にしているところを見ると、何をトチ狂ったのかダークマター(おれ)に戦いを挑みに来たらしい。



「……適当に相手して、適当に追い払うか」



本来どうでもいい相手だし、ほどほどにな……



……それとも魔王の娘を噛ませ犬に使えってフラグなのか?

次回、神様(ぴよし)が再登場。

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