第14話 カヤコ VS 神様
第14話投稿します。
今回、少し戦闘があります。
また今回の話の元ネタが分からない方も大勢いるかと存じます。
申し訳ありませんセーン。
Side 御子柴 陽一
俺とアリビアは今現在、宿でとある人物を待っている。
もうすぐ約束の時刻だ。
「ヨウイチ・・・本当にあの女を何とか出来るものかのう・・・」
アリビアは不安な様子。
当事者なのだから無理もない。
「大丈夫ですって、信じましょうよ。
ぴよしさんを・・・」
「うーむ、あの変な爺の紹介じゃから余計に不安なのじゃぞ」
アリビアの言う変な爺とは、先日街で出くわした『ぴよし』という爺さん。
裸の大将の格好をした、確かに変な爺だ。
アリビアが不安になるのもよく分かる。
しかしアリビアは知らない事だが、ぴよしの正体は俺をこの世界に召喚した神様だ。
そのぴよしが除霊に心得のある人物を紹介してくれるとのこと。
アリビアに取り憑いた怨霊カヤコを除霊できるかもしれないのだ。
もうそろそろ、その人物がここに来る約束なのだが・・・
コンコンッ
そのとき部屋のドアが鳴った。
「ちわー、ミカワヤでーす」
続いてドアの向こうから聞こえる能天気な声。
『あら、サブちゃん』
思わず俺は反射的にそう返そうとした。
ガチャリ
勝手にドアが開き、坊さんの格好をした爺さんが部屋にズカズカ入ってきた。
「「・・・・・・」」
思わず絶句する俺とアリビア。
その来訪者こそ、先日街で出会った『ぴよし』その人だった。
「何やってんですか? ぴよしさん」
当然の疑問を口にする俺。
ぴよしから除霊できる人物を寄こしてもらったハズが、やって来たのがぴよし本人。意味不明だ。
「ワシはぴよしではない。
ぴよしの双子の兄、『ぷよし』じゃ。
ぴよしに頼まれ、カヤコなる怨霊を退治に参った」
・・・また神様の茶番、いや狂言かよ・・・
『ぴよし』とその兄の『ぷよし』の一人二役、ご苦労様です。
なんでそこまで狂言が好きなんでしょうかね・・・この神様は・・・
しかも『ぷよし』って、『ぴよし』よりもすごいネーミングだ。
これは腹がぷよっとしてるから『ぷよし』なんだろうか?
「おぬしか、妾に取り憑いた怨霊を祓ってくれるという人物は・・・
しかし、あのぴよしとか言う爺の兄か・・・」
アリビアは怪訝そうに、ぷよしを一瞥する。
「双子というだけあって、見れば見るほどソックリじゃの。
そのうだつの上がらなそうな顔といい、でっぷり膨れた腹といい、締らない名前といい・・・
妾が目覚めてからというもの、何故かまともな人間と出会ったためしがない・・・」
期待はずれとばかりにため息を吐くアリビア。
相手が神様だとは知らず、好き勝手言ってるよ・・・
すると神様あらため、ぷよしは目を細めて言った。
「ほう、言うてくれるではないか・・・
幽霊にビビって、小便ちびったという小娘の分際で・・・」
「なっ!?」
ぷよしの思わぬ切り返しに、一瞬で顔が真っ赤にするアリビア。羞恥と怒りによるものだろう。
「ヨウイチッ!!
おぬし、しゃべったのかっ!?」
キッと涙目で俺を睨むアリビア。
「・・・・・・・・・いや、しゃべってないハズですけど」
思い返しながら答える。
俺の記憶が確かならば、アリビアが漏らしたことまでは神様には話していないハズだ。
そこまで話す必要はないし、人の黒歴史を暴露して悦に浸る趣味もない。
しかし、答えるまでに少し間を置いてしまったのがまずかったようだ。
「ウソぬかせっ!?
その間は何じゃ、その間は!?
だったら、なぜ初対面のこの爺があのことを知っておるのじゃ!?
おぬしがぴよしとかいう爺にバラしたんじゃろうっ!?
違うか!!??」
いや、俺にもそれが分からないから、つい考え込んで間を置いてしまったんだが・・・
やっぱり神様だからすべてお見通しなのか?
しかしそれなら街で会った時、わざわざ事情を説明する必要もなかった筈だが・・・
「ひどいぞっ、ヨウイチっ!!
乙女を辱めるなど、おぬしひどい男じゃっ!!!
カヤコとかいう化け物を感染されるし、
一体どこまで・・ひっぐ・・・
わ、妾を苦しめれば・・ぐすっ・・き、気が済むのじゃ・・・
ぅわーーーんーーー」
床に座り込み、とうとう泣きだすアリビア。
カヤコに取り憑かれて精神ズタボロになったところで、追い打ちをかけるようにこの辱め・・・泣いてしまうのも無理はない。
(カンベンしてくれ、俺だって泣きたいよ・・・)
神様を見た。
こちらは勝ち誇った表情をしている。
(ハァ~~~ッ)
大きくため息を吐いた。
・・・・・・・・・・
その後、ぐずるアリビアを頑張ってなだめて、俺たちは町はずれの広場まで来た。
ぷよしの要望で、除霊を行うにあたり人通りのない場所を選んだのだ。
そして時は夕暮れ、俺たち以外にこの広場には誰もいない。
「では、除霊をはじめようか・・・」
真剣な表情でぷよしが口を開いた。
地面に大きな五芒星を描き、その上にアリビアの本体たる指輪を置く。
この時だけは、アリビアも指輪の中に戻っている。
俺は少し離れたところで見ていた。
(あれ?・・・意外というか・・・思ったよりもマトモだ)
見た限りでは陰陽道を用いて怨霊を祓うようだ。
神様のことだから、てっきりネタに走って『 喰らえ、鬼の手! 』くらいはやると思ったんだが・・・
(いや、待てよ・・・・・・そうか!!)
あの神様のことだ
『 悪霊退散♪ 悪霊退散♪
怨霊、物の怪、困った時は♪
ドーマン♪ セーマン♪ ドーマン♪ セーマン♪
すぐに呼びましょ陰陽師♪ レッツゴー♪ 』
なんて歌いながら踊り出すに決まっている。
(そうだ、きっとそうに違いない・・・)
あの神様がネタに走らず、おとなしくまともな除霊などするハズがない。
きっとBGMも用意してたりするんだろうな・・・
バックダンサーとかも用意してるのかも・・・
・・・なんて無駄なことばかりに労力を払う人なんだ。
根拠はないが、俺は確信していた。
そしてそこまでやるであろう神様に、内心で呆れながら見ていた。
神様は精神を集中するかのように目を閉じ息を吸っている。
そしてカッと目を開き、
「 邪ッ !!」
肺の空気とともに気合いを一気に吐き出し、両手を指輪に向けて突きだす。
瞬間、地面に描かれた五芒星に光が走り、
シュバッ
中心の指輪が凄まじい閃光を放った。
(・・・・・・あれ?)
「よし、指輪とカヤコの切り離しは成功じゃっ!!」
(・・・・・・え? 歌は?? 踊りは??? BGMは????)
「ヨウイチ、やったぞ!
妾にもハッキリ感じられるぞ、憑きものが落ちたことが。
やっとあの女から解放されたのじゃ!
あの爺、人格はともかく能力は本物じゃ!!」
指輪から実体化して出てきたのか。
光の中、嬉しさと興奮が入り混じった表情で、俺に駆け寄ってくるアリビア。
(・・・・・・え? もしかして、俺一人だけ恥ずかしい勘違いしてた?)
完全に予想を裏切られてしまい、茫然とする俺。
「気を抜くな!
カヤコはまだ健在じゃ!!」
突然響いた神様の声にハッとする俺とアリビア。
そして光が止み、五芒星の中心、指輪のすぐ傍には
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”』
四つん這いになっている白い女・・・カヤコがいた。
ふと神様を見ると、その表情は真剣そのものだ。
神様は本気だ。
本気でカヤコをこの世から消すつもりだ。
神として結局はカヤコの脅威を理解していたのだろう。
だからネタに走らず、一片の油断なく、後腐れなく、カヤコを完全消滅させる。
そんな神様の強い決意がひしひしと感じられた。
(・・・やれやれ、人の本気も見抜けないとは・・・俺もまだまだというわけか・・・)
何度も異世界召喚され、何度も勇者・魔王を経験したところで完璧になれるわけではないようだ。
結局は俺も人間だからな。
自分も歳相応に未熟だったと、たった今気付かされた。
だがこの瞬間に限っては悪い気はしない。
何しろ本気になった神様を拝めるんだ。
こんな機会は、この先きっとないだろう。
(これから、どうやってカヤコをぶっ飛ばすのか・・・期待してるぜ、神様・・・)
心の中で神様にエールを送った。
・・・・・・・・・・
カヤコの前に悠然と立つ神様。
「カヤコとやら、貴様を倒す算段は既についておる」
不敵な表情でカヤコに話しかける。
その眼からは絶対の自信がうかがえる。
神たる者としての絶対の自信が・・・
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”』
しかしカヤコはそんな神様を前にして、いつもと変わらない反応。
四つん這いのまま、不気味に声をあげるのみ。
「怨霊とは、すなわちアンデッド系統・・・」
神様の眼が射抜くようなものに変わった。
「アンデッドは、ワシが封印する!!」
神様は懐からナニかを取り出す。
金属で出来ているっぽい、手のひらサイズの四角い物体だ。
(え・・・何?)
唖然とする。
神様はこれから一体何をしようというのか・・・
神様はその物体は腹部にあてる。
シュルシュル
するとその物体から帯状のモノが伸び、神様の腰に巻きつく。
これではまるで・・・
「のう、ヨウイチ・・・
あやつは一体何をするつもりなのじゃ?
なにやらベルトを巻いておるように見えるが・・・」
俺の隣で、これから戦いを見守るアリビアが首をかしげている。
やはり彼女の目にも、あれはそう見えるらしい。
謎物体がバックルとなり、そこから帯が伸びてベルトを形成しているのだ。
「変態!!」
神様がそう叫ぶと、
『ターンアップ』
電子音声らしきものが響き、バックルがくるりと反転。
バックルはスペードマークのレリーフに変わった。
同時にバックルから青いエネルギーフィールドが発生し、瞬時に神様は包まれる。
・・・イヤな予感がしてきた。
・・・こう、ネタのニオイがプンプンと・・・
そして現れたのは・・・
全身鈍色の鎧に身を包んだ鋼の騎士。
・・・元の体格のおかげで、明らかにメタボっぽいけど・・・
腰には、騎士の象徴たる剣のような武器をさげている。
しかし最も特徴的なのは、その頭部。
スペードマークを模して剣のように尖った頂頭部。
昆虫のように大きな赤い複眼。
「ワシは、アンデッドを封印する最強の騎士・・・
カメンライダーじゃっ!!!!」
シュバッと構えをとる神様・・・もといカメンライダー
・・・メタボだから、いまいちしまらない。
(・・・・・・)
イヤな予感が当たってしまった。ネタ大爆走。
・・・さっきまでの俺のシリアスな気分を返せよ。
「な、なんじゃっ!?
どうなってるんじゃ!?
いきなり青い光に包まれて・・・・・・鎧姿に・・・
これは一体どういう魔術なんじゃ!?
見たことも聞いたこともないぞ・・・
か、カメンライダーとは一体・・・?」
しらける俺の隣では当然困惑しているアリビアが・・・
ただ、なにやら目をギラギラさせて興奮している模様。
いかにも興味しんしんといった感じ。
「いくぞ!!」
カヤコに向かって走り出す神様。
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”』
メキッゴキッグリッ
グロテスクな音を立てながら、操り人形のように不気味に関節をくねらせ、四つん這いの状態から立ち上がるカヤコ。
「ゥウェ~~~イッ!」
珍妙な掛け声を発し、カヤコに向かってそのまま跳躍する神様。そして、
「ウェ~~~~~イイィッ!!!」
十分に勢いをつけたジャンピングパンチをカヤコに繰り出す。
ドガスッ!
重く響く衝撃音。
立ち上がったばかりのカヤコの体が大きく揺さぶられる。
「まだまだ~~~っ!!」
勢いづいて、連続パンチを繰り出す神様。
ガスッ! ガスッ!! ガスッ!!!
いかにも素人丸出しな大振りパンチ・・・いわゆるテレフォンパンチなのだが、
重さと速さにモノを言わせた暴風のごとき猛攻だ。
カヤコはされるがままに殴られ続ける。
一撃ヒットするごとに、カヤコの体が大きく揺れる。
反撃する余力がないのか?
それとも反撃するまでもないのか?
前者であって欲しいが、怨霊に物理的な攻撃が効くかは正直怪しい。
「す、すごいぞ・・・
カメンライダー・・・
あのカヤコとかいう化け物が手も足も出んとは・・・」
隣でアリビアは、目をキラキラさせながら神様の雄姿を食い入るように見えている。
そして
「ォンドゥル、ルルギッタンディスカーッ!!!」
謎の奇声とともに発した神様のドロップキックが、カヤコの顔面に炸裂。
『あ”あ”あ”・・・』
流石にその勢いに吹き飛び、ついにダウンするカヤコ。
「ゥエィッ!?」
そして派手に背中から地面に倒れる神様。
・・・せめて受け身ぐらいは取ろうよ・・・
しかし、そこからの行動は素早かった。
好機と見た神様は、どこからともなく二枚のカードを取り出す。
続いて腰にさげていた剣のような武器(装置?)を構え、カードリーダー部分に二枚のカードを通す。
『サンダー』『キック』
電子音声が連続して鳴り響く。
見た限り、カードを駆使して戦うタイプのライダーらしい。
サンダー(雷)とキック(蹴り)が、先ほど通したカードの能力なのだろう。
『ライトニングブラスト』
再び電子音声が鳴り響く。
その瞬間、神様の右足に青い稲妻がほとばしる。
雷を纏ったキックを放つと見て間違いない。
おそらく、これが必殺技の名称だ。
ふとカヤコを見る。
カヤコは未だ立ち上がろうとしている最中だ。
無防備この上ない。
「ウェエエエエイッ!!!」
神様はカヤコに向かって跳び、雷を纏ったキックを繰り出した。
そして今まさに、カヤコの顔面に必殺キックが炸裂しようとしたその瞬間・・・
スカッ
「!? 馬鹿なっ!?」
思わず口に出てしまった。
突如カヤコの姿がかき消え、せっかくの必殺キックは空振り。
着地した神様は、周りをキョロキョロと見回している。
絶好の機会をふいにされ、流石に困惑を隠せない様子だ。
傍から見ていた俺にだって、カヤコが突然消えたようにしか見えなかった。
あれはどう足掻いても、かわしようのないタイミングだったハズ・・・
目の前で戦っていた神様に至っては、解せないどころではないハズだ。
(これではまるで縮地・・・いや、空間転移か・・・)
アリビアは
「ど、どうしたんじゃ?
カヤコは一体どこに消えたんのじゃ?
カメンライダーのあまりの強さに怖気ついて逃げだしたのかのう?」
などと能天気に首をかしげているが、あのカヤコに限ってそれはあり得ない。
未だキョロキョロと周りを見回す神様。
しかし、その背後に一瞬だけ白いモノが見えた気がした。
「うしろだっ!!」
俺はとっさに神様に向かって叫ぶ。
「っ!? ウェエイッ!!」
俺の声に反応し、反射的に背後に裏拳をかます神様。だが、
ガシッ
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”』
とっさに放った一撃は、カヤコに腕を掴まれ、当たる寸前で止められていた。
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”』
ミシッミシッ
掴まれた神様の腕からイヤな音が響く。
篭手が軋む音か・・・
神様の腕の骨が軋む音か・・・
あるいはその両方か・・・
いずれにしろカヤコには、神様を殺傷するほどの力がある。
このままではマズイ。
「おのれっ!? ウェエイッ!!」
嫌な予感がしたのは神様も同じだろう。
反撃しようと、空いてるもう片方の手を大きく振りかぶる。
しかし、
ドガアァァァァ!!
突如、神様の頭部が爆裂。
「アガァアアアッ!?」
神様が攻撃するより先に、カヤコの裏平手が顔面に炸裂したのだ。
被弾箇所から派手に火花と白煙を散らして吹き飛ぶ神様。
ハエを振り払うかのような無造作なモーションであったが、その衝撃と重みは想像を絶する。
「ぐっ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
30メートルは吹き飛ばされて、足をふらつかせながら、息も絶え絶えになんとか立ち上がる神様。
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”』
そんな神様に、無慈悲に近づいてくるカヤコ。
不気味に関節を軋ませながら歩いてくる。
そして、
『あ”ア” ア” あ”ア”ぁ” ア”ア”あ”あ” ァ”ア”ア”ア” あ”あ”』
「「「ッ!?」」」
突然、カヤコの姿が残像のようにブレ出す。
ブレながら神様に近づいてくる。
何か仕掛けるつもりか?
『あ”ア”ァ”あ”ア”あ”あ”ア”あ”ぁ”あ”ア”
ァ”ア”あ”あ”あ”ァ”ぁ”あ”あ”ア”ア”ァ”
ア”あ”ァ”ぁ”ア”あ”ア”ア”ァ”ぁ”ア”あ”
あ”ア”ア”ァ”ぁ”ぁ”あ”ア”あ”ァ”ぁ”ア”
あ”あ”ぁ”ア”ァ”あ”ア”ぁ”あ”ァ”あ”ァ”・・・・・・
「ッ!?」
突然ピタリと声が止んだと思うと、カヤコの姿も消えていた。
一帯が不気味な静寂に包まれる。
次の瞬間
『あ”あ”あ”』
神様の左わきから、ハエをはたくような無造作な平手がとんできた。
バキィィィィ!!
「ブハァアアアアッ!?」
腹部から火花と白煙を散らして吹き飛ぶ神様。
もはや戦況は一方的だ。
このままでは神様が殺されてしまう。
「ど・・・どどどどどうするのじゃ!?
ヨウイチッ!!!
こ、このままではカメンライダーがやられる!!
お、応援とかした方がよいのかのう?
が、がんばれー! カメンライダー!?」
隣ではアリビアがテンパって、あたふたしている。
ヒーローショーで応援するチビッ子じゃなんだから・・・
無論、状況はヒーローショーほど生易しくはない。
・・・こうなったらもう、俺が加勢するしかない。
カヤコとはまともに戦った経験はないが、からくも魔力で封印することはできていた。
既に一体、俺の中に封印しているため、二体目も封印できるかは分からないし、どのような影響が出るかも分からない。
だが、このままでは神様が殺される・・・
やるしかない・・・
決意を固める。
「ヨ、ヨウイチッ?
ど、どうしたのじゃ、おぬし・・・」
俺のただならぬ気配を感じ取ったのか、不安な顔をするアリビア。
それには答えず、カヤコに向かって歩き出す。
「ヨ、ヨウイチッ!?
何を考えておる!?
馬鹿なマネはよすんじゃっ!!??
妾を一人にして逝くな!!!!」
俺が戦おうとしている事に気付いたのか、半泣きでしがみついて止めるアリビア。
悪いが止まれない。
だが・・・
「待てぃ!! 陽一!!
このアンデッドは、ワシが封印するといったハズじゃ!!
余計な、手出しをするな!!!」
俺を止めたのは、他ならぬ神様だった。
Side 神様
(まさか、このワシがたった二発のぱんち(?)でこれほどのダメージを受けるとは・・・)
まさか、カヤコとやらがここまで強いとは思わなんだ。
あまりに一方的な展開。
じゃが一度引き受けた以上は、ワシにも譲れぬモノがある。
それにワシは、まだ全ての札を切ってはおらぬ。
こうなったら奥の手じゃ!!
調子に乗るのもここまでじゃっ!! カヤコッ!!!
2枚の切り札を取り出す。
そして、パワーアップアイテム『アブゾーバー(吸収器)』の中にセットする。
『アブゾーブクイーン』『エヴォリューションキング』
「ふふふ・・・喰らえいっ!! カヤコォッ!!
これがワシの最強形態じゃあっ!!!」
戦闘描写、難しすぎる・・・
もう書きたくナイヨー
しかし、次の話まで戦闘は続きます。
次回、神様が仮面ライダー無礼怒の最強形態でカヤコに決戦を挑みます。