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04話

三姉妹と、霊獣たちが合流してお互いの武勇伝を語り、燿と紬はどちらが凄かったのか言い合いになった。その間霊獣たちは自分たちがどうやってやられたかを丁寧に説明され居心地悪そうな顔をしていた。

「桃姉も無事力の証明出来たんだね!」

「たまたま」

そう桃は言ってちらちらと燿の方を見ていた。燿はそれに気づいて桃の頭を撫でながら優しく褒めてあげた。

「よく出来たわね。流石、自慢の妹だわ」

照れた桃は紬の後ろに隠れてしまった。どちらが姉かわからない光景だった。


燿と白、紬と虎徹、桃と黒、はそれぞれ少し離れた場所に一度移動した。これは契約上の決まり事で契約時の条件や要求が他人に漏れてしまう恐れが無いようにする為だ。お互い命に関わる内容故に、決して身内にも話してはいけない決まり事になっている。




桃は黒の隣に座り込んでいる。

「さっきはごめん」

「気にするな」

「うん」

「まずお前たちは何者で何を目的に修行をしている」

桃は三人の関係を伝え、燿と紬が実の姉妹ではない事や、陰陽師の燈子と月代に拾われた事を説明した。

「なるほど。事情は理解した。まぁ俺は面白ければ何でもいいさ」

「楽観的」

「長く生きているとそういうのが大事になってくるのさ。お前には他にも楽しませてもらえそうだしな。まずはその左目、何かあるな。それにお前の中、何人いる?」

そういうと黒はじろりと見つめた。桃は俯いてしまった。

「記憶が欠ける時がある」

「ふぅん。自分でもよくわからねぇのか」

「うん。もし契約してくれるのなら、記憶が欠けた間に何をしていたか教えて」

「知らない方がいい事が多いと思うぜ?それでもか?」

「うん」

しばらく見つめていた黒は桃の正面に立ち頭を下げた。

「桃、俺と契約をしてくれ。要求は陣の中に戻す事無く常に俺を傍に置く事。見返りとして、今後欠けた記憶は俺が埋めると約束しよう。条件は何かを成す時、それが善き事か考え続ける事。万一、人の道を外れた場合は命を持って償う事。その時は俺も一緒に命を絶ってやるよ。それでよけりゃぁ新しき名を頂きたい」

「名前・・・(れい)で、どう?」

「黎か。気に入ったよ。よろしく頼むぜ、桃」

「身体小さくできる?」

黎はにやりとすると、とても可愛らしい子狐に変化した。

「これでどうだい?ま、普段はこっちがいいか」

そう言うと今度は漆黒の鞘に収まった刀に変化して、桃の両腕に乗っかった。

「桃にぴったりの武器だろ?」

「ありがとう」




桃と黎が契約を終え、燿と紬の所に戻ると、あちらも契約が終わったようで傍で白い子狐と黒い子猫がじゃれ合っていた。

「桃姉、おっかえりー」

「桃、この子の名前を(はるか)に決めたわ」

「桃、よろしくな」

「よろしく」

「桃の契約した黒い九尾は?」

「ここだぜ?俺もこれからは黎って呼んでくれ。よろしく、燿、紬」

「びっくりしたわ。燈子さんのではない刀を持っていると思ったら、その子だったのね。黎か、こちらこそよろしく」

「黒、じゃなかった黎よ、なかなかお洒落な事しているな。なら俺も持ち運びやすい恰好になろうか」

悠はそういうと小さい身体をくるりと回して白い扇子に変化した。燿は地面に落ちそうな扇子を慌てて両手ですくい上げた。

「悠は扇子になってくれたのね。改めて黎も悠もよろしく。これから一層騒がしくなりそうね」

燿はくすっと笑って、村に戻ろうと歩き始めた。その後ろで紬が

「待って、待ってよー!この子の話も聞いてよ!名前はねぇ・・・・」

紬が後ろで喚いていたが、燿と桃は聞こえない振りして走り出した。それを見て紬は少し泣きながら追いかけてくる。

三人が無事、全員霊獣と契約出来たことを知った燈子は流石に驚いていた。

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