第三話 グラフィックボードって.....必要かな?
「グラフィックボードは何にするの?」
「GTX750Tiにしようと思ってたけど、在庫がないね」
「じゃあ性能の指標を説明するわ。最初はチップ、ベンチマークスコア、ビデオメモリ容量、補助電源を抑えましょう。ビデオメモリの仕様なんかは一旦後回しよ。
グラフィックボードは、搭載されているグラフィックチップによって性能が変わるわ。主に、RadeonシリーズとGTXシリーズがあるの。チップのベンチマークスコアを調べて比較するのがいいわ。グラフィックボードは、仕様で比較するのはCPUより難しいから。やりたいゲームでどのくらいのフレームレートが出せるか調べてもいいわね。ベンチマークは、PassmarkやFFXIV、FFXVでいいでしょう。ビデオメモリは、描画するデータを一時的に保存しておくメモリで、普通のメモリより高速だわ。同じチップで容量が違うモデルがあるときや、ゲームの推奨グラフィックボードとは違うチップを使うときに確認するの。グラフィックボードは電力を食うから、性能が高いものはマザーボードからの給電じゃ不足するから、追加の電源を取るわ。これが補助電源で、使うピンの数を確認しておくのよ。電源を購入するときに使うわ。」
「CPUより大変そう...」
「そんなことないわ。グラフィックボードはどのゲームをやるかでだいたい必要なモデルがわかるから。それはCPUも同じだけどね。こういう、中古パーツで安く済ませようとすると難しいのよ。」
「ちなみに、すいせいは何を使ってるの?」
「私は、Radeon RX 5700XTのOCモデルよ。」
「強そうな名前だね〜」
「あおー!こんなのでどうかな?」
なぎが見せたのは、【GTX660Ti 2GB】。
「GTX750Tiより電気は食うけど、性能は十分だよ。
ついでにメモリも見てきたんだ。DDR3 1333Mhz 4GBを2枚使うよ。」
「ありがとう!メモリにも速度があるの?」
「そうだよ。このマザーボードとCPUは、1ランク上の1600Mhzも使えるんだけど、今回は価格重視でいくよ。」
「グラボが4000円、メモリは1000円×2枚で合計6000円ね。」
「残りの予算は8000円....ほんとに大丈夫かなぁ。
他に買うパーツはいくつ?」
「SSD、電源ユニット、ケースで終わりね。CPUを冷やすクーラーやグリス、固定用のネジは部室にあるものを使うわ。」
「電源ユニットとSSDはAmazonで発注したよ。電源ユニットは玄人志向の400W、SSDはA-DATAの128GBで、合計5000円だったわ。」
「なぎ、その電源、スタンダードじゃない!大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。何台も買ったけど壊れたことないから。」
「じゃあ、あとはケースだけってこと?」
「そうね。そこのジャンクコーナーのケースの中から、気に入ったやつを選びなさい。パーツが入るかどうかは、私達が見てあげる。」
「わかった!」
あおはPCケースが積んでいる棚へ走っていった。
「なぎ、本当にあの構成でよかったの?」
「うん。現状の中古格安ゲーミングPCではほぼ最適解だよ。理想を言えばCPUには1年新しいCore i5-4570や4590、GPUにも数年新しいGTX960を使いたかったけどね」
「あんたもそろそろ旧パーツは卒業したら?」
「考えてはいるよ。よさげな構成を見つけたらかな。」