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ヒッキーだった俺のリア充生活  作者: いろはす
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1話 そして俺は変態となる

人と接するのがめんどくさいーーー


他人というものが信用できないーーー


厨二的な御託を並べながら過ごしてきたこれまでの無駄な時間は、本日をもって幕をおろす。


そして、今までとは違い充実した新しい物語の始まり始まりだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1話 そして俺は変態となる




「うぅ……もう朝か……」


朝、比較的健康的な朝を迎える。起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びる。


「良い朝だぜ」


歯を磨き朝食を食べ少し早く家を出た。


清々しい朝だ。そして今日の俺がここまで爽やかな朝を過ごしているのにも理由がある。


そう、この俺”遠坂翔”は本日、国内でも有数の私立校。


神楽坂学園に入学するのだ。


恥ずかしながら俺は、中学時代は青春もクソもないような生活を送ってきた。

常に1人、休み時間は寝た振りの毎日。


しかしその分だけ勉強する時間はあったといえよう。

1人でいた時間が多かったおかげで、”ほとんど”知り合いがいない、有名な私立校に入学することができた。


ここで俺は目指す。カワイイ彼女とノリの良い友達。親身になってくれる先生に優しい先輩、手のかかる後 輩に、完璧な自分。


充実した学校生活。


青春をーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の家は学園から少し離れた場所にあるので、これからは電車通学だ。


電車に乗る。学園に着くまでに時間がそこそこかかるので、電車には朝早くに乗らなければならない。


しかしまぁ、時間が朝早いからだろう。俺が乗った1両の中は俺と、あと1人しかいなかった。


パーカーのフードを深く被り俯いているその人は、顔がよく見えないがどうやら女性らしい。


女の子だとしたら、深く被ったフードの中が気になってしまうのも無理はない、俺はその人を無意識に見続けてしまっていた。


履いていたのがスカートだったのに気づき、女の子だとわかった。


彼女はチラッと少し顔を上げこちらを見ると、


「……どうも」


と呟き顔を赤くしてまた俯いてしまった。

その時顔がチラッと見えてしまった




あれ…可愛くね?



電車に揺られる数十分間。チラチラとこちらを見て、俯く。これを何度か繰り返す。


気が付くともう既に目的の駅まで着いていた。


「おっと」


ぼーっとしていたせいで気づかなかった


しかしよく考えるとなかなか変態的な行動だったかもしれないが、まぁこれから会うこともないだろう。


俺は軽やかな足取りで学校へ向かった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺は今、アホみたいにデカイ体育館の中の数百人と共に、大量に並んだパイプ椅子に座っている。


この学校はヤバイ。校舎が、俺の元の中学校の数倍はある。ここに来る前に見てきた掲示板には、大量に部活勧誘の張り紙が貼ってあった。

少なくとも20や30ではすまない部活の量があるのは、それを見れば一目瞭然だった。


「いやぁ〜、凄いねかーくん。体育館おっきいね」


前の席から話しかけてきたのは俺のことをかーくんと呼ぶ幼なじみ。


”桜花 桜華”(さくらばな おうか)である。


母親が外人という理由で、彼女のさらっさらな髪は、天然の金髪ブロンドなのだ


「お前の声を聴けるのは嬉しいけどさ、今は入学式だぜ。そのスウィートヴォイスはあとで聞かせてくれ」


流石、成績優秀な俺。「スイートボイス」の発音がネイティブである。周りに何を思われようと英語の授業中常に本気で発音し続けて良かった。


「またなんの恥ずかしげもなくそんな台詞を……別に注意するだけでいいじゃん!」


彼女は顔を真っ赤にして、ぷりぷりと怒りながら前を向いてしまった。


本来彼女とは共に登校するつもりだったのだが、前日に今と似たような事があり、怒って1人で登校してしまったのだ。


そんな事を思い出しながら先生方の話を聞き流していた時。


ダァン!!!


という音が鳴り響く。俺は驚いて音のした壇上を見てみると、長い黒髪をかきあげている1人の女性が教卓の上に片足を乗せ、飄々たる態度でそこに居座っていた。


「あーあー……どーも。この学園の生徒会長でーす」


その彼女は少し口角を上げそういった。謎のドヤ顔である。


桜華が生徒会長とやらをみて「綺麗……」などと呟いている。大丈夫だ。お前の方が可愛い。


「あ〜、えっと私から特に話すことは無いんだがな」


「ちょっちウチの生徒会の奴が変なのに絡まれて、そいつにエロくてえっちで変態的な行為をされたらしくてなぁ……」


「か……会長!そんな……ぇっちな事とかはされてないから……!」


幕内から金髪ツインテールの女の子が焦った様子で出てきた、のだが


「うるせうるせー静かにしてな」


会長と呼ばれた彼女はもう1人の女の子を無理矢理幕内へ押し返して話を続けようとした。


……ん?あの金髪の子、どっかで見たことあるような……




ダメだ、思い出せねぇ…


…まぁ………それはいいとして、何故かさっきからずっと会長と目が合ってるんだが?すっげー見られてる、こわい


「君のことだぞ?わかってるのか?…………遠坂翔君」


「……は?」


思わず声が出てしまった。


全く身に覚えのない事に対し、何を言っているんだこいつは……と思っていた矢先に今朝の事を思い出した。


深くパーカーのフードを被っていたためすぐには判断出来なかったが……さっきの金髪の子と今朝の子は同一人物だったのか


そして俺はその子に対し、無人の車内で彼女を凝視し続けるという変態的な行為を行ってしまっていた。


そこで気づく


桜華が表情を固まらせこちらを見ていた。


「違うぞ桜華ぁ!俺は浮気なんてしていない!」


「…………そもそも私と付き合ってる訳じゃないけどね?」


「だとしても俺が愛しているのはお前だけだ!」


「……他の人に変な事したのにね」


「誤解だ!俺はただあの金髪の子をじっと眺めていただけだ!」


俺は言ってから気づいた。


あれ?これこんな所で大声で言っちゃダメなやつじゃね?…………と


その日から俺のあだ名は”覗き類ド変態科ドエロ目エロメガネザル”となる(被害妄想)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


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