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~プロローグ~
「記憶をなくす薬...?」
いろんな薬品の匂いが漂う小さく薄暗い部屋で白衣を来た男は尋ねてきた男に問いただした。
「あぁ、ここに来れば大抵の薬が手に入ると聞いた。」
この薬屋は風邪薬、胃腸薬という一般的な薬から一風変わった薬まで取り揃えてあった。
しかし、その薬屋は普段目につかないような森の奥に佇んでいた。
この男は誰から話を聞いてここまで来たのだろうか。
先日も同じ依頼を受けたことを思い出す。関連性があるのかと考えたら白衣の男は、意味深に笑みを浮かべた。
「そうか、君もなのか...。」
依頼しに来た男は、驚いたのかどこか動揺している様子だった。
そんな男にまた、おかしく思えたのか、白衣の男は言葉を続ける。
「とりあえず、コーヒーを飲みながらでも話をきこうじゃないか。」
といいながら、カップに熱いお湯を注いだ。