005 -異世界の勇者!-
いつでもこんにちは、真理雪です。
お待たせしました。やっと…やっと…いや、これは後に言うことにしましょう。読んでくれたら分かることなので…そして今回は若干長めです。いつもは5000字位を目処にしているのですが…書いていたら何だが7000字位になってました…。
まっまあ…それは置いときまして…今回も拙い文章かもしれませんが一生懸命書いたので少しでも楽しんでくれたら嬉しいです!では、どうぞ!
っ!…ここは…何処なんだろう…私は何をして…?
私は何処かにもたれ掛かって座っているようだ。
「痛いっ…なっ何なの…?」
私は身体を動かそうとするが…左肩に激痛が走り、目を向ける。
「っ!…何これ…」
それはガラスのような鉄のような…破片が刺さり、血が垂れた腕だった。そして…
「謁見の間が…」
至るところに炎…炎…炎…。そこは綺麗で豪華で華やかだったあの謁見の間ではなくまさしく…戦場…その言葉が当てはまるようなそんな場所に成り果てていた。
「っ…そうだ…美衣…勇二くん…皆は…!」
私はその瞬間何が起こったのかを思いだし…皆を探そうと立ち上がる。
その時…
「くははは!もう観念したらどうだ!詩姫よ!その役立たずな勇者どもに張っている結界で攻撃魔術すら撃てないのだろう?」
「っ!余計なお世話です!貴方こそ諦めたらどうですか?私の結界は貴方の力では破ることが出来ないのでしょう?」
私はその話を聞き、ちょうど瓦礫で隠れるようになっていた場所から少し顔を出しその様子を確認する。
あれは…王女様と…皆がいる!美衣も勇二くんも…亜衣も麻衣も…皆無事そうだ…よかった…。
それは結界だろうか…薄緑色のベールのような物が彼女の回りを覆っており…その近くで固まるようにしているクラスメイトたちにもそのベールの効果が出ているようだ。
そのベールの外側に唯一、存在するある異形の者が王女様と睨み合うようにしてその場に立っている。
その異形の化け物は…背格好だけなら人のそれなのだが…背中から伸びているもう一本の太く大きな腕に白い肌、そして爛々と怪しく光る赤い目…大きな口から突き出るようにして生えている長い牙…気持ち悪い…私は一瞬でそう思った。第一印象は最悪だね。
これは…どうすればいい?どうすれば一番最善なんだろう…?
…くっ…痛い……左腕は使えそうにないね…
私はズキズキする左腕を少し涙目になりながらも確認し考える。
これは…私だけが孤立してる状態だろうか…なら…助けに…助けに?…私は…助けられるの…?
「私は…アレに勝てる…の?…そんなの…」
勝てるわけがない…勝てるわけがないのだ。剣道は少しかじったことはあるが、そもそも武器すらないし…相手が人じゃないのだ人相手に作られた剣術では化け物に効くかどうか…。それにこんな非力な私じゃ勝てるわけがない。
「また…同じじゃないの…また…私は…」
助けたい…助けたいのに…また…またなの…?
「くくくっなるほど…流石詩姫といわれるだけはあるな…魔神であるこの私でも結界は破れないようだ」
「ええ…貴方ごときに私の結界は破れません…貴方の力量は先ほどの攻撃で計らせてもらいました…。魔神ではありますが…貴方は下級ですね?そんな成り立ての力ではいつまでたっても破ることはできませんよ。諦めてください」
「下級か…くくくっ…言ってくれるではないか!ならそうだな…詩姫よ私が下級であるのなら何故ここにいるのか…何故天の壁の内側にいるのか疑問に思わなかったか…?」
「っ!…それは…」
その化け物は楽しそうに大きな裂けたような口を歪め嘲笑う。
「それはな…こう言うことだ!」
その化け物は叫ぶと同時にどす黒いオーラの様なものを大きな腕に纏わせベールへと向ける。瞬間…その黒いオーラが薄緑色のベールにまとわりつく。
「なっなにをっ!…っ!!????…うあっ……あっ!?」
「ティアラ様!?」
と突然苦しみだした王女様に側で守るように赤い槍を構えていたジルさんが驚きながら駆け寄る。
「なっ…何をっ…したのですか…っ!…うっ…あっ…」
「ティアラ様!?大丈夫ですか!?ティアラ様!」
苦しそうに喘ぎながら彼女は化け物を睨み問いただす。
「くくくっ…早く結界を解いた方がいいぞ。それはあるお方から貰ったものだ。それは魔術にあるバイパスから相手の魔力に浸食し、精神を壊すものだ。面白いだろう?まあ、その魔術を解かれてしまえば意味がなくなるらしいが…この状態なら十分楽しめるだろう…くくくっ」
とやけに饒舌になった化け物が説明口調で言う。
「なっ!?そんなこと…できるはずがっ…うあ…う…あぐっ…」
「ティアラ様駄目です!早く結界を解いてください!」
「そうだっ王女様!このままじゃ貴女が!」
っ!…これは…ヤバイヤバイヤバイ…どうすればいい?どうすればいい?私は何をすればいいの?ねぇ…どうすればいい?わからない…わからない…お兄ちゃん…私は…私はどうすればいいの!
「ふむ…結界が弱まってきたな…これぐらいなら壊せそうだが…見ている方が面白そうだな。くくくっ」
「貴様ぁ!!」
ジルさんが余裕そうに嘲笑う化け物に赤い槍を構え結界から飛び出し突撃する。
「じっジルさん!」
勇二くんが呼び止めるがジルさんは止まらず炎の輝きを反射させるその鋭利に光る槍を突き出す。
一瞬の突き、光の速さで突き出された赤き刃は閃光となり化け物を襲う。
「ふん!魔剣すら持てぬ者に私が負けるはずがなかろう!」
ガキィッッッ!
その槍に化け物が振るった第三の腕で阻まれ耳障りな金属音が鳴り響く。
「くっ…まだまだよ!」
ジルさんは後ろに弾かれた槍を自分自身を軸にして回転しながら体勢を低くし、足下を水平に凪ぎ払う。
その反撃に化け物は予想だにしていなかったのか化け物はその身体をぐらつかせる。
その一瞬の攻防で体勢を崩された化け物に追撃を喰らわすため彼女は一歩前に踏み出す。
「あまいぞ!赤髪の女よ!」
「なっ!?」
優勢そうに見えていたジルさんは驚愕する。なぜなら何もなかった床からもう一本の腕が伸び、踏み出したその足を掴んだからだ。そして─────
「消えろ」
「きゃぁっっ!??」
この広い部屋を横切るようにして、軽々と投げ飛ばされるジルさん。床に数回接触しながらもその勢いは衰えず、最後には壁にぶつかりやっとのことで止まる。
「ジルさん!!くそっ!お前ぇぇぇぇ!!」
いつも冷静な勇二くんだったが、その時は鬼のような形相になり化け物に飛びかかろうとする。しかし────
「っ!?王女様!?」
「だ…め…です…」
その無謀で怒りに任せた行動を止めたのは、精神を攻撃されている王女様であった。
「わ…たし…が…守り…ます…だから…行っては…」
「っ……貴女は…何でそこまで…」
王女様は苦しそうに…言う。
「ふんっまだ守れると思っているのか…?そんななりで。どこまでいっても甘いやつだな貴様は。もういい飽きた終わりにするぞ」
化け物はそう言い腕を振り上げ、緑色のベールを殴り付ける。
只のそれだけでクラスの皆を守ってきたその防御壁はヒビが入り割れたガラスのように崩れ去ってしまった。
「さて…では死んでもらおうか詩姫よ」
「くそっ…」
「…う…まだ…です…」
彼女は忍びよる死の恐怖に負けず、化け物からの視線を真っ向から睨み返す。
「誰が…誰がやらせるか!」
「そうだ!そうだ!姫ちゃんはやらせないぞ!」
「…やらせないよ…!」
近づく化け物から守るように躍り出る3人組。しかし────
「邪魔だどけ」
その言葉だけで3人組は無力化される。
「え?」
「なっ!?」
「…ひゃっ!」
床から出てきたいくつもの腕が3人組…いや、クラスメイト全員を拘束する。
「くそっくそっくそ!それ以上王女様に近づくな化け物!」
床に縫い付けられながらも勇二くんは叫ぶ…。
が、化け物の歩みは止められない…。
…………私は…何をしてるの…
王女様はもうその場から動くことすら出来ないのか…化け物を睨みつけているだけで動こうとしない。もう…その眼光も既に弱々しくなっている。
勇二くんや美衣たちは何本もの腕に拘束され、もがいてはいるが抵抗もむなしく動くことができない…。
そして…私は…私は…?何をやっているの…?
このままじゃ…勇二くんも亜衣も麻衣も美衣も王女様も…皆皆…………いなくなる…
『また…私は何もできずに…』
皆の表情を見れば分かる…誰も諦めてないことに…皆皆…もがいてもがいて抵抗している。だけど、この状況を打開することは出来ない…。
何で…何で…何で!…何もできないの!?…このままじゃまた何もしないまま手遅れになる!…私はただ!皆と一緒にいたい…それだけなのに!…私は…私は!
『なら…私はどうしたいの?』
『そんなの決まってるよ!私は…大切な世界を…皆を…助けたい…もう二度と手放さないように…私の世界を…守りたい!』
『そう…なら、簡単じゃない。守ればいいのよ』
「え?」
何かが聞こえた気がした。その刹那…何かが私の目の前に落ち床に突き刺さる。
それは────
「…剣?」
それは一振りの剣。白銀の光を放ち、赤々と燃える回りの炎を吸い込むように…刺さっているその場だけが音や温度や光その物全てが沈黙してしまったような…神聖な空間を作り出し近寄りがたい雰囲気を放っていた。
「何処から…ううん違う。今はそんなこと考えてられない」
得たいの知れない…何だかわからない…敵か味方かも分からない存在…だけど…
力があることだけは分かる。
今はそれだけで十分だ。ただならぬ雰囲気を持つこの剣に触ってしまえばどうなるか分からない…だけど…
今を変える…今の状況を変える…私が!
「私が!守って見せる!大切なもの…全て!」
私はその白き剣を力強く握りしめた。
瞬間…その剣が光輝く…そして───
「!…剣が青くなった…?」
その剣はただただ白かったさっきの剣とは違い青く輝く…空のように果てしなく海のように美しくそして…あの青い星のように暖かいオーラを放ち、私の手のなかで存在していた。
「終わりだ詩姫よ消えろ」
っ!?
その言葉に私は前を向く。
化け物は彼女の目の前に立ち、その第三の大きな腕を振り上げようとしていた。
「させない…もう私から…大切なものを奪わせたりしない…」
私は到底届くはずのない距離からその青き剣を上段に構える。
「私は…今度こそ…今度こそ…その手を離さないんだから……だから…そこを退きなさいっ化け物!」
そして私は…剣を降り下ろした。
ーーー
もう…終わりなのでしょうか…?…
私は一人そう思う。
もう私の身体はほぼほぼ動かないに等しい…魔術を使いすぎた…?いや、違う…私の魔力の総量はこの国では上位…に入る。流石にこの人数に魔神の攻撃を遮れるほどの…高密度の結界を張ってしまえばきつくはあるが…ここまで疲弊するものではない…。
うう…視界がぐらつきます…頭が…うう…
歪む視界に気味の悪い白い化け物の姿が移る。
「おわーりーうたーーきえろーー」
私のすぐそばまで来た化け物がその異様に裂けた口で言葉を発する。
おわり…?ここでですか…私は…ごめんなさい…お父様…私は…もう…
もう私は動けない…頭は回っていても身体が言うことを聞いてくれない…。
化け物はその背中から生えている太く異様な形をした腕を振り上げる。
ごめんなさい…お父様…ごめんなさい…お母様…ごめんなさい…勇者様…ごめんなさい…ーーー…
私は今更ながら悟った…私は死ぬのだろうと…。
…ごめんなさい…皆さん…
私は目を閉じる…私自身が死を迎えるのを静かに待つ…。しかし────
「ぎゃゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!??私の!私の!私の腕がぁぁ!!???」
…え?
私は咄嗟に目を開く、そしてその光景に更に目を見開いた。
その化け物は天を仰ぎ悲鳴をあげている。その…化け物の…私を殺そうとしていたその腕は…。
ない?…いや、切り裂かれているのですか!?
「キサマァァァァァカァァァァ!!!」
化け物はここでは出したことない恐ろしくそして、辛そうな怨嗟の声をあげながらその元凶たる人物を見る。それは…
「遥ちゃん!!」
勇者様の一人である少年がその人物を見て、歓喜の声をあげる。
あの子は…いや、待ってください…あの子が持っている剣はまさか!?
青く輝く剣…それを降り下ろした状態でこちらを見ている黒髪の美しい少女。
聖剣が使えるのですか!?本当に!?
私が驚いている間にも状況は動いていく。
化け物は腕を切り裂かれたのがそんなに憎いのか凄く怒り狂いターゲットを彼女に変え、そちらへと向かっていく。
「遥ちゃん!逃げて!!!」
勇者の少年が叫ぶが、彼女は動く気配がない…。
そんな…何故逃げないのですか…それを使えたとしても勝てるわけでは…っ!まさかっ魔力酔いですか!
勇者様達を召喚するのは始めてだがあらかじめ過去の文献を調べ分かった知識はある。
あちらの世界には魔力というものが存在しない…いや、存在しないと思われている。だから、魔力の適正が大きくても小さくても…魔力その物の耐性がほぼないに等しいのだ。…そんな中で大魔力をいきなり…しかも、強制的に使ったとしたら…。
遥さん…うう…私が…私が…ダメ…もう…魔術は…
詠唱すらできない…何で…何で…!
ラフィロス様!…どうか…どうか…お願いです!…私はどうだっていい…だからどうか…あの子を…勇者様達を…大切な皆様を…お助けください…
そして化け物は残っていた腕を振り上げる…。
そして次の瞬間、赤い閃光が閃いたのだった。
ーーー
あっ当たった…よかった…
私はそう胸を撫で下ろす…が…。
「うっぷ…うう…気持ち悪い…」
頭がズキズキする…ダメ…腕に力が入らない…持っているだけでやっとだ…
胃の中が逆流してくるような…そんな嫌な気持ち悪い感覚…船酔い…?それとも車酔い…?そんなことを考えるがよくは分からない。
化け物が奇声をあげ、こちらへと向かってくる…。どうにか…どうにかしなくてはならない。
動いて…動いてよ!私!
腕や足…その他全てに力を入れ動かそうとするが…どうにも動いてくれない。
少しだけ動きはするが微々たるものだ…しかも、剣を持っている腕や足は痙攣のような震えもある。
うっ…うう…何で…何でなの!何で!いつもいつも私は何で!
「こんなに…こんなに…役立たずなのよ…何で…自分で決めたことすら…まともに出来ないの!」
迫ってくる化け物を私は睨む。
化け物は相当気が立っているのか…既に両腕を振り上げ、その腕にどす黒い光を纏わしている。
動けない…見てることしかできない……………………………ごめんね…お兄ちゃん…ごめんね…ごめんね…
「…ごめんね…お兄ちゃん…」
私は呟き目を閉じる。せめて…せめて…お兄ちゃんと同じ場所に行きたいな…とそう思いながら…。
「目を開きなさいハルちゃん。諦めるのはまだ早いわよ」
「…え?」
私は何故か誰かに抱き寄せられる…。そして、耳元から聞き覚えのある綺麗な声が聞こえた。
「リア…さん…?」
「ええ…遅くなって悪かったわね…ありがとう貴女のおかげで間に合ったわ」
私は驚きながら彼女を見、そして化け物の存在を思いだしすぐに前に目を向ける。
化け物は両腕を突き出した状態で止まっていた。いや、正確には赤い剣と腕が交差しており化け物の腕がこちらに届いてなかったのだ。
「!!!??キサマァァァァァ!その赤い剣…アリア・ウィクトリーナカァァァァ!!」
「ええ、ご名答…私が焔の旋風…最強の魔剣アロンダイトを振るう者…アリア・ウィクトリーナよ。まさか魔神にまで私の名をを知られてるなんて…ね…。私も有名になったものね」
彼女はあの化け物の攻撃を受け止めているというのに余裕そうな笑みを湛え、そう語る。
「チィィィィッッッ!アヤツメシッパイシタカ!!」
「やっぱり、あれは足止めだったのね…まさかあんなに可愛い妖狐を仕掛けてくるなんてね…流石に生け捕りにするのはしんどかったわよ?」
「ナンダト!?!?イケドッタノカ!?!アヤツモマジンキュウノチカラハアルハズダ!」
「うるさいわね…下級相手なら私一人でも十分よ。流石に生け捕りにするのは手こずったけど」
彼女はその鋭利な笑みで化け物を見ながら、軽々とその腕を弾き飛ばす。
「少し待っていてねハルちゃん。すぐに終わらせるから」
「…はっはい…」
私はそんな彼女を少しかっこいいなと思いながら床に座り込む。
もう大丈夫…そう思うと力が抜けてしまったのだ。意識を保っていられるのはまだ目の前に敵が存在するからだろう。
「貴方にはいくつもの怒りが沸いてくるけど…怪我人もいるし…時間もかけてられない…だから、感謝しなさい。一瞬で片付けてあげるわ」
「魔剣持ち…ダカラドウシタァァァア!イイキにナルナァァァァ!!ショセンハニンゲン…魔神にカテルハズガナイィィィ!!!」
化け物は叫び、いきなり突進してくる。
「ふん…結局は魔神と言えどもこうなってしまえば只の魔物と同じね」
彼女はその赤い剣を化け物に向け…構える。そして────
「その罪、死して償いなさい。紅閃!」
彼女の姿が掻き消えた。
「なっどー?ー?にー?」
化け物は口を開くが言葉になっていない。
彼女は化け物のすぐ後ろに立っておりその赤い剣を一度振り、鞘に納める。
「さようなら魔神さん」
その言葉を発した瞬間…化け物の身体はバラバラになり…その化け物だったものは一瞬で紅蓮の炎に包まれ灰になったのだった。
その呆気なさに驚きながらもその強さに私は呆然とし目を見開きながら何も言わず赤色の剣士…リアさんを見つめる。
「…………」
「その…ハルちゃん…本当にごめんなさい…言い分けはしないわ…これは私の罪…どう処罰しても構わない…」
「リアさん…」
さっきの力強く猛々しかった彼女とはうって変わって…弱々しく…そして辛そうにその整った顔立ちを歪め私に言ってくる。
彼女はたぶん…いや、確実に自分を責めているのだろう。昨日出会ったばかりだけど凄く優しくて面倒見がよくて…困っている人は見過ごせない…そんな人なんだなと私は既に理解していた。だから…
罪…処罰…かぁ…
「馬鹿なこと言わないでください。リアさん…貴女は私たちを救ってくれました。それまでにどんなことがあったとしてもその結果は変わることはありません。貴女のおかげで生き延びた命がちゃんとここにあるのですから」
「はっハルちゃん…?」
私は柄にもなく丁寧な口調でその言葉を紡いでゆく。リアさんが少し驚いてはいるがそれはお互い様であるので許してもらおう。
「ですが…貴女がもしそれで気がすまないのであれば…」
私はさっき思った…いや、思い付いたことを口にする。拒否されるかもしれないけど…私はもう決めたんだ。だから…
「私を…私を貴女の弟子にしてくれませんか!?」
「な!?」
私はもう振り返らない…絶対に…もう…こんな思いはしたくない!だからは私はこの世界で…強くなって見せる!見ててね!お兄ちゃん!
どうでしたでしょうか…?
楽しめましたでしょうか…?
というわけで妹パートは今回で終了です!長かった…予想以上に長かった…。
次からは空気だった狐ちゃんがでてくる筈です。
いろいろ意味深な言葉も出てきたと思いますが…それはまた後程…。
では、今回はここまで。
今回も読んでくれてありがとうございました!次回もよろしくお願いいたします!それでは、また。