019- 仲間?それとも友達? -
いつでもこんにちは、真理雪です。お久し振りですね。……遅くなって申し訳ありません…。
と、話は変わりますが…驚いたことがあるんですよ。実はですね………総合評価が1005ptになってました!そして、PV が11万越えしてました!びっくりです!これも皆様のお陰!感謝感激です、本当にありがとうございます!ではでは、このテンションのままさっさと行きましょうか!それでは、どうぞ!
ガヤガヤと騒がしい。いつもの風景。いろいろな人が入り交じるここは街の往来にも負け劣らず賑やかだ。
「にゃーーーー!!!」
その中で一際、大きな声を張り上げるものがいた。
「うえええーーん!見逃したーー!うわーん!(バタッ)」
回りの人をお構い無しに赤いポニーテールをブンブン振り回しながら少女はカウンターに突っ伏す。
「もう…。ハウルいい加減諦めなよ…。見れなかったのは残念だけど、また次があるよ。…たぶん」
「ないよ!絶対ないよ!うわーん!波に乗り遅れたよーー!先輩のバカーー!」
金の髪を持つ少女がハウルと呼ぶ少女に慰めの言葉をかけるが、彼女は一向に受け入れず一層声を張り上げる。そんな目立っている彼女たちには回りから生暖かい視線が集まっていた。
「…皆貴女の性格が分かっているとは言え、そろそろ恥ずかしくなってきたから止めてくれないかしら?ハウル?」
金の髪の少女の横で傍観していた紫色の髪をした黒い魔女のような姿をした彼女が愛用の杖を握りながら若干ドスの効いた声で言う。
「はい、すみませんでした。本当にすみませんでした。だから、魔術は勘弁してください」
「なら、よし」
「何してるんだお前らは…」
即効で謝るハウルにそれを見てうむ。と大仰に聞き入れる紫色の少女。そして、それを呆れたように見る銀狼の青年。
その四人組はギルドの受付カウンターの前を陣取りながら騒がしい周りに負けず劣らずガヤガヤと人目も気にせず話していた。
まあ、これはいつものことでそこまで注目を集めることはない。そもそもここのギルドの職員や冒険者たちは既にどういう者たちか理解しているので今では生暖かい視線を向けるだけでそれ以外は気にせず、自分たちの用事を済まして自分の思うままに行動していた。
「それにしても…。セーラさんたち遅いね。何を話しているのかな?」
そう金髪の少女は小さく首をかしげながら言った。
「そうね。もう小一時間ぐらいは行ってるわよね」
「そうだなー。まあ、何と言うかある程度予想はつくけどな…」
「え!?分かるんですか!?」
「分からないのかよ!?」
その少女の言葉に紫の少女が答え銀の青年と赤の少女が叫び合う。
「えーと…やっぱりあの強さのことだよね…?」
「そう…でしょうね」
金と紫色の少女が頷き合う。しかし、その隣でどうだろうな…と否定も肯定もしない青年。
「え?何か気になることがあるんですか?ルーさん」
それを不思議に思った少女、ハウルが聞き返す。
それに彼はギンだっルーさん言うなと、先に付け加えながら言葉を続ける。
「いや、何と言うか…アイツは初めからどこか不思議なやつだったろ?この世界の事を知らないと言っておきながら何だか一歩下がったところで悟ったように見守ってるような…そんな感じがずっとしてたんだよな…それにあの強さだしよ。巫女じゃないなら本当に何者なんだろうな?」
ギンと名乗った彼はずっと疑問に思っていた事を口にする。確証は全然なく自身の感覚的な感想のようなものがほとんどだが、その考えを否定する要素も人物もいなかった。
「……まあ…確かにぶっちゃけ言うとあたしもギンと同意見なのよね…。可愛いし悪い子ではないのは分かってるんだけど…」
「………」
紫色の少女はお手上げと言うように両手を広げ、金色の少女はどこか不安そうにどこか悲しそうに視線を足元に向け沈黙していた。
確かにあの狐の少女には何かある。そう皆は分かってはいるのだが彼女はそれを話そうとはしない。あの強さとあの美貌そして、魔法の知識。その全てがわたしたちの知っている平均を遥かに上回っている。怪しい───第三者から見ればそう断言されてしまっても仕方がないだろう。
「ま、それでも友達なのは変わらないけどねー」
ハウルが軽い口調で言う。そう凄く自然に、さも当然のように彼女は言った。
その言葉に彼女は顔を上げる。
「そう…そうだよ。どんなに不思議で分からないことがあったとしても…キュレアちゃんはもう…友達なんだよ」
彼女は自身に言い聞かせるようにしっかりと口にする。
「そうね。まあ、変わり者はお互い様だし?あたしたちにはそんなの関係ないわね」
「なんだよルナ、自分で変わり者って分かってたんだな」
「何よ。アンタも入ってるわよ」
「はぁ!?何でだよ!」
「当然でしょ!?貴方ほど波乱万丈の人生なんてなかなかないわよ!」
「なっなんだってー!?俺は変わり者だったのかーー!」
いつものように急に叫び合うギンとルナ。それを見て困ったように微笑む金色の少女。
「深く考えすぎだよステラ。そこがいいところでもあるんだけど…こう言う所はシンプルにいこうよシンプルに」
ステラは驚いたように振り向く。そこには、ね?とニコニコと微笑みながら同意を求めるハウルの姿があった。
「……。そうだね。うん、ごめんねハウル」
「いいんだよーごちゃごちゃと考えるのはステラの癖だしねっ」
「うう…言い返せない…」
そんなある四人組のパーティ…その会話は賑やかなギルドの喧騒に消えていった。
ーーー
「さて…では、話をしましょうか。狐ちゃん?」
「狐ちゃんは止めてください。私の名前はキュレアです」
「ふふっ…へぇーなかなか度胸座ってるじゃない?可愛い顔してこのこの~」
そう言って青色の女性は真横から俺の頬をプニプニと押してくる。
「くっ弾力が凄いわね…これが若さか…」
「って何で真横に座ってるんですか!?普通話するなら前に座りますよね!?」
「いいじゃない。わたしは気にしないわよ減るもんじゃないし」
「そういう問題じゃありません!戻ってください!そもそも私が気にします!」
「仕方ないわね…。てか、怒った顔も可愛いわね狐ちゃん」
彼女は性懲りもなく俺を煽りながら片手をヒラヒラさせ、向かい側のソファーに戻って行く。
「さっ話をしましょうか狐ちゃん」
「それ、さっきも聞きましたが…」
いいじゃないいいじゃないと俺の言葉を軽く往なす。
はぁ…とそれに俺はため息をつきながら口を開いた。
「そもそも、私には話すことなんてないのですが…」
「あらら…。ま、そう言わずに少し付き合ってくれないかしら?」
「……仕方ありませんね…」
もう一度、盛大にため息をついてから俺は頷く。それにありがと、と彼女はにこやかに呟いてから予備動作もなくこう発言した。
「貴女は何者なの?」
一瞬にしてその場の空気が凍りついた。まるで時間が止まったかのような沈黙。時間にして一分にもならないその一瞬が永遠の時のように思えたのは言い過ぎだろうか。
「ルシエラさん…もう少し言葉を選んでください…」
その空気を壊したのは今まで苦笑しながら静観していた兎族の女性だった。
名前はセーラ・アルタイル。俺をここまで連れてきてくれた女性だ。
彼女は困ったような表情をしながら言葉を続ける。
「直球に聞きすぎです。ここはもう少し当たり障りのない事から聞いてゆくのが筋でしょう…」
「む…それもそうね。悪かったわね狐ちゃん」
「……いえ、大丈夫ですよ」
彼女はセーラさんの言葉に素直に聞き入れ、そうね…と話を変えてくる。
「なら、改めて自己紹介でもしましょうか」
そういうと彼女はコホンと咳払いをし、話し出す。
「わたしの名はルシエラ・ディオーネ。このカノンの街のギルドマスターをやっているわ。あと、知っているかもしれないけど一階で受付嬢をしているハウルはわたしの妹よ。…こんなところかしら?」
そこまで言うとそういえば忘れるところだったわと彼女はポンッと思い付いたように手と手を合わせ言う。
「はいこれ、渡しておくわね。間違いがないか確認お願いね」
と彼女が懐から出したのは手のひらサイズのカード。
「これは…ギルドカードですか」
それはまさしく俺が求めていた、ギルドカードまたの名を冒険者カードであった。
俺は受け取ったものをまじまじと見つめる。
何だか不思議な感じがするカードだ…紺色のカードなのだが、見たことのない材質で折れにくく意外と柔軟性がある。
これ…もしかして地球のカードよりもしっかりしているんじゃないかな…?
「ふふっそんなにそのカードが珍しい?」
「えっ?いえ、その…初めて見る物なのでつい…」
まじまじと見ていたのが悪かったのか不思議に思ったルシエラさんが俺に聞いてくる。俺は急なことで言い訳も思い付かず、つい正直に答えてしまった。
「あら、そうなの?まあ…冒険者じゃないと持てないものだしね…案外そんなものなのかもしれないわね。それで間違いはないかしら?自身の証明書にもなる物だからちゃんとしておかないとね」
「あ、はい。そうですね…」
彼女の言葉に俺は受け取ったカードを確認する。
えーと、なになに…?
[名前] キュレア
[性別] 女性
[年齢] 14
[種族] 獣人・狐族
[得意属性] 風 ╱ 一つ持ち
[魔法・魔術特性] あり
[ギルドランク] C ╱ 上位ランカー
うんうんあってるな…ってん?
「…………」
「? 何かあった?…狐ちゃん?」
と疑問に思ったルシエラさんが俺に聴いてくるが…俺はそれを無視してしばし固まる。
気になる言葉はあった…けど、それよりも…それよりも驚くことがある。
「何故…Cランクになってるんですか!?一ランク上がってませんかこれっ!?」
そう、何故か俺のランクがC -からCランクに上がっていたのだ。
驚く俺にああ、言ってなかったわねと彼女は軽く受け流し言葉を続ける。
「Bランク冒険者をほぼ瞬殺で倒したんだものそりゃ上がるでしょ?それにあんなに野次馬に見られているんだもの、せめてCランクにしておかないと苦情が来るわよ苦情が。まあ、これでも足らないかもしれないけれどね」
「……まっ…マジですか…」
「ええ、マジよマジ。大真面目よ」
俺はそれを聞き、空いた口が塞がらなかった。そして、それに追い討ちのように兎族の女性が言葉を発する。
「それに上位ランカーで昇格して間もなくまた昇格する人は貴女が始めてです。これはなかなか荒れそうですね…」
「そうねぇ~。これは退屈しなくてすみそうね?セーラ」
「別に私は退屈などしていないのですが…」
ま、それはさておきとルシエラさんはパンッと両手を叩き話を変える。
「さっきはいきなり聞いて悪かったわね。話せる範囲でいいから話してもらえないかしら?」
彼女は少し微笑みながらこちらに聴いてくる。
「………。本当に話せる範囲だけでいいんですね?」
「ええ、大丈夫よ。今のところはね」
「……はぁ…分かりました。少し話しましょうか、ですがこちらからも少し条件があります」
彼女の隠す気のない含みのある言い方を聞き、盛大にため息をついた俺は条件を突きつける。
「貴女が私を知りたがる理由。それを先に話して下さい」
そう言った瞬間、ルシエラさんは少し眉を動かすが、何もなかったように笑顔に戻す。そして───
「いいわよ。───なら、情報交換といきましょうか。対等な…ね?」
彼女は俺に不適な笑みをしながら…そう告げた。
どうでしたでしょうか?本当はもう少し書きたかったのですが…中途半端になってしまいそうなのでここで切らしてもらいました。
やっとこさ物語が動きそうな予感がしますね。まあ、物語はまだまだ続くのですが…。
サブタイトルに只今悩み中です…。一応、書いてますが変えるかもしれません。
そういえば、もう今年もあと僅かですね。そして今週はクリスマスだとか。え?自分は仕事ですが何か?…虚しい、悲しい…と言っても付き合ってる人もいないので結局はボッチマスなんですがね。
今年も本当にありがとうございました。余裕があれば年を越す前にもう一度投稿できたらいいのですがどうなるか…。何はともあれ、今回もありがとうございました!次回もよろしくお願いします!