018 - ギルドマスター -
いつでもこんにちは、真理雪です(ボソボソ)。こっそーりこっそーり投稿です…(ボソボソ)。
は!?見つかった!はい、すみません調子乗りましたすみません、申し訳ありませんでした…。
また遅くなってしまいました…今回もちょっと少ないですが許してほしいです…。毎度毎度拙い文章で申し訳ないですが、楽しんでくれれば幸いです。では、どうぞ!
回りからの視線。その場の誰もが口を開かず、辺りを取り囲みある言葉を今か今かと待ちわびる。そこまで楽しみなのだろうか…とも思ったが、いや…と思い直す。この世界は地球とは別のモノ。地球の常識はここでは当てはまらないことがほとんどだ。ここでは闘技と言えばやはり娯楽の一つになるのであろう。
「それではルールをもう一度確認するわよ?」
右腕を腰に当て、蒼色の髪を靡かせながら女性が言う。
「基本的には何でもありのデスマッチよ。ただし、致命傷になる攻撃は避けること。どちらかが戦闘不能かつ王手をかけられた時点で試合は終了よ。戦闘不能は言わずもがなでしょうけどわたしが決着と判断した時も終わらせるから覚えておいてね。…それじゃあ、二人とも構えなさい」
彼女が言い終わると同時に俺は右腕を前に突き出し、言葉を発する。
「四連刃―一刃」
煌めく刃が俺の手の中に発現する。それを俺は切っ先を相手に向けるように腕を交差し、自身の目の高さで水平にして構えた。霞の構え。地球では漫画やらゲームやらで良く見かける構え方だ。相手の目を狙う構えだとか聞いたことがあるが、実際の所よくは知らない。ただ、正眼よりもこちらの方が使いやすかったから使ったまでである。
…………。
―――――沈黙。先程まで煩かった回りも目の前の男も、皆が皆沈黙を保ちながらその時を待つ。
お互いをにらみ合い。お互いの闘気をぶつけ合う。その瞬間――――
「では…………っ!始め!」
戦いが始まった。
ーーー
相手が構えた大剣。魔力の纏い方ですぐに気づいた。それは────魔剣。
「なるほど。それが貴方の自信の原因ですか」
「くくくっ…何だ?怖じけついたか?」
「いえ、全く」
俺は男の言葉を真っ向から否定する。それにより男は額に青筋をたてるが、俺は静かに構えながら相手の出方を待つ。
「はっ…いいだろう…。なら、こいつの恐ろしさ存分に見せてやるよ!!」
男は叫ぶと同時に大きく振りかぶる。その魔剣は辺りの空気を一気に巻き込み風の刃と化す。
「行け!!潰してやれ!!」
そして、放つ。それは一直線に地面を削り、自身の通った道を描きながら俺へと向かってくる。
風圧を刃にする魔剣か…。何でもありとは言っていたが、こんなの普通の人間に当たれば致命傷どころかオーバーキルだと思うのだが…
俺は盗み見るように目だけを動かし、審判をしている彼女を見る。すると────
目が合った。
彼女はそれに驚くこともなくニッコリと微笑み俺を見つめ返す。
………ああ、なるほどね……
俺はそれにより一瞬で理解した。
「はぁ……いいでしょう。乗ってあげますよ」
俺は小さくため息をついた後、そう呟く。
そして、俺は目の前に迫った風の凶刃を見つめ口を開いた。
「そんな中途半端な攻撃で私が倒せるわけないでしょう」
そう言い。俺は瞬く間に魔力を練り、放つ。それは黄色の閃光を放ち、自身の足元に魔方陣を展開させる。
「風牙・絶刀刃」
左足を軸にし、舞うように回転し、流れるようにその刃を振るう。
鞭の様に刀筋と同じ軌道で放たれた風の刃は相手の荒々しい凶刃に狙い違わず突き刺さり、一瞬にして霧散させる。
「なっ…に…?」
想定外のことだったのだろう。男は何が起こったのか理解できず、呆けるようにポカンとしている。それは大きな隙だった。
俺は体重を前に寄せ前屈みになりながら呟く。
「身体能力強化」
それにより一瞬にしてその開いていた距離を埋めてしまう。
「なっ!くそったれが!」
男は驚いたように反応し半分やけくそになりながらも、俺にその大剣を振るう。しかし───
「甘いんですよ」
俺はその剣を刀の鎬の上で滑らせ、軌道を変える。そして俺は男の懐に入った刹那、右足を踏み出し鳩尾に掌打を叩き込んだ。
「ぐっがっ…」
声にならない叫びをあげ、男は後方へとふっ飛び地面に仰向けに落ちる。
「これぐらいで自分の武器を離さないでください。武器に力を頼っているなら特に…ってもう聞こえていませんね…」
俺は男がふっ飛ぶ前に衝撃で手放した大剣を拾いながら言う。
「ふーん。気絶してるわね」
いつの間にか近づいていた蒼色の女性は男を一目見るとそう結論づける。
「では、勝者は狐ちゃんに決定!!」
どっと回りから歓声が上がる。いつの間にか野次馬が集まり、なかなかの大群衆になっていた観客たちが口々にやりやがった!、すげぇ!マジかよ!と驚きの言葉を吐く。
「はぁ……なんでこんなことに……」
目立たずに行こうと決めた二日目からまさかの有名人…これじゃあ冒険者はまだしも、この街の住人からも覚えられてしまうのではないだろうか…。
「いやはや、悪いことしたわね。まさかこんなに盛大になっちゃうとは」
彼女は片手だけで合掌し、苦笑いしながら謝る。
それに俺はジトーとした視線を向けながら答える。
「はぁ…まあ、この際別にいいですけど…乗ったのは私ですし…。ところで、貴女がここのギルドマスターですよね?」
「あら、バレちゃった?そ、わたしがここのギルドを纏めるリーダーよ」
彼女はそこで言葉を区切り、蒼色の髪を払う。
「では、改めて。わたしが“ギルドマスター”ルシエラ・ディオーネよ。よろしくね、狐ちゃん?」
今回もバトルパートと言うことでどうでしたでしょうか?相変わらずカッコ良く書けないんですよね…。いつでも感想お待ちしております。
と言うことで恒例の捕捉です!今回の捕捉はー………何かあったかな…?ここで書こうと思い付いてもいつも忘れてしまうんですよね…。分からないことがあれば何でも聞いてくださいネタバレにならない範囲なら教えますので。
それにしてももう11月の後半ですねー外も寒いですし、この前はハロウィーンだーとか言ってたのにもうクリスマスムードですか…本当に今年は凄く早かったような気がします。まあ、まだ一ヶ月ありますけどね!
では、今回も読んでくれてありがとうございました!では、また次回!は早く投稿できたらいいなぁ…頑張ります!それでは!
【おまけ】
キュレアたちが戦う約数分前。ギルドの事務所内にて……
ハウル「あの、先輩。聞きたいことがあるんですけど」
先輩「はい、なんですか?」
ハウル「わたしすっごく損してる気がするんです」
先輩「はぁ…?そうなんですか」
ハウル「……………」
先輩「……………」
ハウル「…………………(ダッ!)」
先輩「………………(ガシッ!)」
ハウル「放してください!!先輩!!わたし行かなくちゃ行けないんですーーー!」
先輩「駄目です!行くなら目の前の仕事を片付けてからにしなさい!」
ハウル「それじゃあ!間に合わないですよ!」
先輩「なら、諦めなさい!」
ハウル「無慈悲過ぎますよ先輩!!貴女には血も涙もないのですかーー!?」
先輩「失礼な!いい加減にしないとギルドマスターに言いつけますよ!」
ハウル「ギャー!」先輩「ギャー!」ハウル「ギャー!」……………
と言うキュレアたちとは別の戦いが人知れず行われていたのであった。