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【旧作】 Welcome into the world [俺の妹が勇者なんだが…]  作者: 真理雪
第一章【旅立つ子狐】
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012 - 冒険者ギルド -

 明けましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いいたします!!

 年があけて早くも二日目…早いものですね…前はX'mas前に投稿したのですが…もう年が明けてしまいました。遅くなって申し訳ないです…。皆さんはお正月…どう過ごされているのでしょうか?やはり故郷に帰郷したり炬燵でミカンを食べていたり…寝正月の人もいるかもしれませんね。もしかしたら、もう仕事だーっていう人もいるかもしれません…って流石にまだないですかね?とはいえ、お正月の過ごし方は人それぞれです…貴重な休みの時間にこの物語を読んでくれている人がいても可笑しくはありません…本当にありがとうございます。今年もスローペースですが頑張って書かせてもらいますのでよろしくお願いいたします!では、長くなりましたが…どうぞ!


「やっとついたわね~ああ~早くお風呂に入りたいわ~」


 ルナさんは美しい紫の髪をなびかせうんっ~!と伸びをする。

 この世界にはちゃんとしたお風呂があるようだ。ファンタジックな世界ではあるがお風呂の文化は昔から根強く残っている。それ以外にも魔法を駆使した現代の便利道具…例えを挙げるとすれば魔冷庫(冷蔵庫)だったり照明器具だったり流石にインターネットやらスマホなど高度な技術が必要な物は存在しないが、最低限度の物は揃っており、自分が思っていたものよりも断然生活しやすい世界であった。


「ここがカノンの街ですか…なるほど賑やかな感じの良い街ですね」


 俺はその街中をぐるりと見回しながらそう口にする。

 比較的小さな街だと聞いていたのだが軒並み並ぶ建物や行き交う人々、売店で客を呼び寄せようとしている呼子の少女や道端で談笑しているオバチャンたちなど自分の予想を超えた賑わいに少々驚きながら、俺は街のメインストリートを仲間たちと一緒に歩いて行く。


「でしょ?わたしこの街、気に入ってるんだ。皆明るいし優しいしね♪」


 隣で歩いていたステラさんが自信の艶やかな金髪を振り撒きながら俺の言葉を聞き笑顔で同意を示す。


「それではこれでカノンの街までの案内は出来たわけですが…キュレアさんはこれからどうするのですか?宿を探しているなら紹介しますよ」

「そうですね…確かに宿も探さないといけませんね…。ですが、先に行きたい場所があるのです」


 それはどこですか?とセーラさんが首をかしげながら尋ねてくる。


「そういえば、ちゃんと言ってませんでしたね。私は冒険者になるためにここに来たんです」


 え…と言う表情で静止する四人。あれ…?何か不味いことでも言っただろうか…?


「きゅ…キュレアちゃんって冒険者…じゃなかったの…?」

「え…?」

「てっきり、高ランク冒険者なのかと…」


 ステラさんの言葉でやっと合点がいった。


 ああ、なるほど…もうすでに俺が冒険者で尚且つ高ランクなので一人旅をしていたと思っていたのかな?


「いえ、私はただのそこら辺の何の変哲もない庶民ですよ」

「なるほど…」


 とセーラさんは呟き、一度頷きながら言う。


「うん、分かりました。では、冒険者ギルドまで案内しましょう。そのあとで宿も案内しますね」

「え?いいんですか?」

「当然よ!最後まで付き合わせてよねキュレアちゃん!」

「そうそう乗り掛かった船だ気にすんな」

「うんうん、遠慮しないでよキュレアちゃん」

「だそうです。私もギルドに少し用事があるので遠慮しなくても大丈夫ですよ。では、行きましょうかキュレアさん」


 セーラさんがそう笑顔で締めくくり、そして俺はその言葉に甘え皆についていくことにしたのだった。



 ーーー



「見えてきましたよ。あの剣と斧そして盾が彫刻してある看板がある建物です」


 あの後、少し歩いた先にそれはあった。

 そう言った先頭を歩くセーラさんはある建物を指差す。

 赤茶色の木造の建物で回りの建物よりも一回り大きく両開きの扉の近くに彼女が言っていた看板が立ててあった。


 冒険者ギルド…ここがよく漫画やらラノベやらに出てくるやつか…もう少し大きな建物を予想していたけど…以外と小さいな。


 そのギルドは二階建てのようでそこら辺にある建物よりも少し大きいが作りは回りの木造住宅とほとんど違いは無さそうだ。違いと言えば…。


「赤茶色…もしかして色で分けているんですか?」


 赤茶色の建物はここだけだと言うより…色がついている建物が少なくここまで隅々までしっかり色付けされている建物はこのギルドだけだった。


「よく分かりましたね。確かに色分けされていますよ。白は教会関連、赤は冒険者関連、青は騎士団関連と大間かにですが別れています。この街は小さいのでこれだけしかありませんが大きな街、例えば王都などではもっと色分けされていますよ」


 セーラさんは俺の言葉を聞き説明してくれる。


 なるほど…白は教会、赤は冒険者、青は騎士団…かこれは覚えていた方がいいかもしれないな


 そうこうしながらも俺たちはそのギルドに近づきセーラさんが扉に手をかけ開ける。セーラさん、ギンさんにルナさんとステラさん、そして俺という順番でその扉を潜っていく。


「ここが冒険者ギルド…」


 初めて入ったそこは熱気がありそして街中よりも賑やかな場所であった。テーブルのあるスペースで昼間からワイワイと酒を飲む大人たちや大きな剣を背負ったがたいの良い男と魔法使いだろうか?紺色のローブをすっぽりと被った人物がボードに張り付けてあった依頼書のような紙を指差し相談しあっていたり…それ以外にも色んな防具服装をした冒険者達が受付のカウンターで喋っていたり、そこかしこに数人のパーティのような集団が喋っていたりと、通る隙間もない地球の都会ほどではないにしろ自分の予想を超えるほどの熱気と賑やかさとそして、華やかさがあった。


 ……まさかこれほどとは…てか、ここは一応辺境と言われるほど小さな街じゃなかったのか?ああ、ここが穴場だから皆集まって来てるんだっけ…?…人が多いところは苦手なんだけどなぁ…


 俺がそんなことをうだうだと考えている間にセーラさんはキョロキョロと辺りを見回し何かを確認している。


「今日はまだ来ていなさそうですね…早く用事を済ましてしまいましょう」 

「? どうかしたんですか?」

「いえ、何でもありませんよ」

「??」

「あ、あそこが空いてるよキュレアちゃん!さ、早くいこっ」

「え?あ、はい。分かりました」


 ??…どうしたんだろう…?何か上手くはぐらかされたような気がするけど…?


 俺はステラさんに手を引かれ受付の空いていた場所に連行されて行く。


「あ!ステラ!帰ってきてたんだ!お帰りなさい!」

「うんっただいま!ハウル!」


 その二人は笑い合い和気あいあいと話し出す。

 友達だろうか?そのハウルと言われた肩まである赤毛が特徴の少女はコロコロと表情を変え楽しそうに喋っている。見た感じは15、16ぐらいだろうか?小柄でスラッとした体型は受付嬢の紺色を基調とした制服がよく似合っている。目元がパッチリとしており翠の瞳は彼女の感情を写しているかのように輝きが変わる。活発そうで明るそうなこの少女は小柄な体型も相まってどこか猫のような小動物的な印象を与えた。


「ステラさん積もる話はあるとは思いますがそれは後ででお願いしますね」

「あ…すっすみませんっセーラさん」

「セーラさんもお帰りなさい!皆さんご無事なようで何よりです!」

「無事か…本当に無事でよかったな俺たち…」

「うん?どうかしましたか?ルーさん」

「ルーさん言うな。何でもないよ何でも」


 ギンさんが右手を無造作に振りながら言い、ハウルさんがそれに首をかしげる。


「所で…さっきから気になってたんですが…そこの可愛いらしい獣人さんは誰ですか!!?」

「え…?」


 ビシッと赤毛の少女は人差し指を俺に向け言い放つ。


「そうですね。先に紹介しておきましょうか…。この子はキュレアさんです。森で出会いここまで案内してきました」

「キュレアです。よろしくお願いします」

「キュレアちゃんか!うんうん名前も可愛いっあ!わたしの名前はハウルだよ!ハウル・ディオーネねっ。このギルドの受付をしてるんだよ♪よろしくね♪因みに15歳です!」

「えーと…はい、よろしくお願いしますハウルさん」


 てっテンション高い子だな…どこかあのアホ神を思い出させるが…あちらはこちらと違ってわざとしているところがあるからな…


「因みに15歳です!」

「え…えーと…?」

「…たぶん、歳はいくつだーって聞きたいんじゃないかな?」


 ステラさんの翻訳でやっと納得がいく。て言うか聞きたいなら直接言ってくれたらいいのにね…って何か凄くキラキラした瞳でガン見されてるんだけど…答え辛い!


「その…えっと…14歳です…」

「来たっわたしより年下!ハウルお姉ちゃんって呼んでね!いやっお願いします!」

「えっえっ…?」


 カウンターに打ち付けそうな勢いで頭を下げるハウルさん。


「えーと…ハウルはあれなのよ…この街の知り合いの中では一番の年下だからね。自分より年下の知り合いが欲しかったみたいなのよ。それにお姉ちゃんって呼ばれることに憧れているみたい」

「そっそうなんですか…」


 俺はルナさんが説明してくれた理由に笑みを少しひきつらせながら返答する。


「ほらっキュレアちゃん!言ってみ―――きゃん!?」

「受付嬢が何しているのですか…仕事中でしょう?ちゃんとしていないとルシエラさんに怒られますよ」


 暴走していたハウルさんの頭に手刀を食らわし、セーラさんの感情を写すように白いウサ耳が垂れており、ため息混じりに彼女が言う。


「げっ!おねっコホン…ギルドマスターには内密にお願いします」


 咄嗟に背筋をただすハウルさん。


「したいことはいろいろあるのですが…先にルシエラさんは今いますか?」

「いえ、今はいませんね。少し出てくると言っていたので…もうすぐ帰ってくるかと思いますが…」

「そうですか…分かりました。では、この依頼についてはルシエラさんが帰ってきてからにしましょう」

「? そうですか?」


 首をかしげながら言うハウルさんはそれならばと提案する。


「なら、先に素材を換金してきますか?ただ待っているというのもなにかとアレでしょうし…」

「いえ、それ以外にもしたいことがあるのですよ。では、キュレアさん?どうぞ」


 そう言いセーラさんは俺にその場を譲る。


「あ、はい。えーと、ハウルさん私を冒険者登録してもらえませんか?」

「なーるほど…分かりました!冒険者登録ですね?少々お待ちを!」


 ハウルさんはビシッと敬礼し、さささっと奥に入っていく。そして、彼女は何かを抱え戻ってきた。


「ではでは、こちらに記入をお願いしまーす!」


 と彼女が俺に渡してきたのは数枚の紙。そこには名前やらなんやらを書く欄が印刷されており、これが地球でもよくある登録用紙になっているようだ。

 ハウルさんの元気な言葉に俺は分かりましたと頷きながら邪魔な髪を耳に引っ掛け、傍に立ててあったペンをとる。


 えーと…名前はキュレアで通すとして…これは…こうで…あ、これはどうしようか…


「? どうかした?キュレアちゃん」


 ペンを動かす腕が止まったことで気になったのかステラさんが声をかけてくる。


「いっいえ…その…」

「うん?…得意属性?」


 得意属性…まあ、その名の通り得意な…自分が使用しやすい属性のことなのだが…ここで書くと言うことは…何かに使う可能性があるということで…やはり適当に書くわけにはいかない。


 それに俺はもうステラさんには一つ見せてしまっているしな…


 基本的に人類は元素属性…簡単に言うと『火』『水』『土』『雷』『風』『無』の六つのことを言うのだが、人類はそれらを論理的には全て使うことが可能なのだ。しかし、人にもいろいろあり、この世界に全くの同一人物が存在しないのと同じように個人個人得意不得意があり、特に属性はそれが顕著に現れる箇所だ。人類と言っても人間や獣人だったりエルフだったりするわけで…それだけでも素質も属性も相性も違ってくる。そして、その得意属性と言われるものは大概が一つだけなのだ。稀に二つ持ちが存在し、三つ持ちは過去に二人しか存在しなかったようで…簡潔にまとめると一つ持ちが基本、二つ持ちが稀、三つ持ちが超超稀と言う感じなのだ。


 そして…俺は上級神キュウビだから…全て使えるんだよな…


 そう俺は忘れがちではあるが上級神キュウビなのだ。多少の得意不得意はあるがほぼ全ての属性を扱うことができる。しかし、ばか正直に全てと書くわけにはいかない…。


「どしたのよ。キュレアちゃん?」

「あっいえっ何もないですよっ」


 ルナさんは俺が書いている登録用紙を覗き込むようにして訊いてくる。

 俺は慌ててその欄にたった今考えていた属性を記入する。


「へぇ~キュレアちゃんって風属性なのね!あたしも風持ちなのよ!お揃いね!」

「そうなのですか?」

「そっ。あ、因みに言っとくとセラさんも風属性でステラが水、ギンが火よ!そして、あたしは風と雷ね!」

「! 二つ持ちなのですか?凄いですね」


 俺の賞賛の言葉にそうでしょ?そうでしょ?と薄い胸を張りながら鼻を高くしている。


「一応、書きました。これで大丈夫ですか?」


 俺はそれを横目で見ながらその間に書ききった用紙をハウルさんに渡そうと向き直る。


「キュレアさん、少し待ってくれませんか?」


 そこで何故かセーラさんから制止の言葉が掛かる。何だろう何か不味いことでもしだろうか…?


「キュレアさんは私の推薦を受ける気はありませんか?」

「え?…推薦…ですか?」


  俺の問いに彼女は頷きながら答える。


「はい、ギルドには紹介推薦制度があるのです。それを使えばキュレアさんはC(マイナス)ランクから始めることが出来ますよ」


 俺は聞いたこともないその制度に頭の上にクエスチョンマークを作りながら首をかしげるばかりだった。

 どうでしたでしょうか…?

 今回は説明回になるのでしょうか…?それはさておき、先に元素属性の書ききれなかった補足からいきましょう。


 元素属性は六つの属性に別れていると書かれていますが…その中でも『無』の属性は少し特殊です。得意属性は基本的に一つ持ちが多いと言われていますが無属性だけはその得意属性の中には入らないのです。なので、無属性以外の一つ持ちの人が無属性を使いまくれる…と言うことが多々あります。例えをあげるとすれば『身体強化魔術』だったりキュレアがよく使用する『魔力剣(刀)』だったり…それらが無属性に当てはまります。因みにですが…回復魔術は元素属性には入りません。元素属性とは別に上位属性と言うものがあり、そこに入ります。上位属性にはまだいくつか種類があるのですがその説明はまた後程…。

 それと得意属性の補足ですが…それはただ自分自身に最も相性がよく使用しやすい属性と言うことなので、得意属性以外の属性も多少なら使用することが出来ます。ですが、やはり自分の相性の良い属性でないと扱いづらく成長もほとんどしないので修行する人はほぼいません。


 と補足はこんな感じでしょうか…?今回また新キャラが出てきましたので…また人物紹介を何処かに入れ込もうと思っています。どうにかしてキャラの見た目やらなんやらを説明したいと思っているのですが…自分の文章力が低すぎてなかなか入れ込めません…なので、そこに入れ込むかと思います。


 では、今回も本当にありがとうございました。年が明け…新しい年になりましたが…今年も変わらずスローペースで書いていくと思いますので、この物語を今後ともよろしくお願いいたします!



 3/12 優先属性→得意属性に変更しました。

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