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キミとの明日

作者: hangedman

はっきり言いますと処女作です!

どこかわかりにくい表現があったり

言葉が足り無いところもあるかもしれませんが

精一杯書かせていただきました

お願いします



――私の『友達』という立場の人間はまるでセールスマンのようだ

『大丈夫、二村さん?』

『クラスのみんなが二村さんのこと待ってるからね』

『早く良くなってね』

五月蝿い…、反吐が出る…

二村彩、わたしの名だ

この名前は別に嫌いではないし好きでもない

正直なところ名前なんてどうでもいい



これはただ私を表す略称でしかない

性別は女

口調が悪いのは気にしないでくれ

育った環境がこうしてしまったのだ

年は17、現役高校生ではあるが最近は学校に行っていない

勘違いしないで欲しい

劣等生のようにサボっているわけではない

私は内臓系の病気で入院してるからだ

決して学校に不満を持っているわけではない

多分…



趣味は特になし

強いて言うのなら読書と言ったところか……

容姿は…自分ではわからないな

男子生徒5~6人が手紙を書いてまで褒める程度と……

これはよいのかわからないが……

…まぁ悪くない方だとは思っている

性格はきついと兄に言われたな

自認している、私はリアリストだからな



さて、話を戻そうか

『友達』はセールスマンだということ

なぜかって?

他人の機嫌を伺っているような人間はセールスマンに似ているとは思わないか?

なにもしていないのに愛想を振りまきながら寄ってくる奴もいれば

他人の権力、才能、知恵、財力を目当てに近づいてくる奴もいる

他にも例はあるだろう

はっきり言い直そう、私は『友達』が嫌いだ

その『友達』とやらは入院している私のお見舞をしてくれるが、私は誰が誰だかはっきり覚えていない



入学してから彼ら彼女と一度も話をしたことがない

興味が無いだけだ

ただそれだけのこと

さっきもクラス委員長の役職の子がきた

全く…、暇な人間だなと思いつつも適当にあしらい帰らせた

これが入院してから毎日のようにある

クラスメート、担任、学年主任、部活顧問…

どれだけ来たのだろうか…



コンコン

また誰か来たようだ

「どうぞ」

ガラガラ、ピシャ

さて今回はどうやってあしらおうか…

「し、しつれいしますっ」

入ってきた人間はパジャマを着ていた

……入院中か、隣室の人だろうか?

髪はセミロングの茶色混じり、身長は158…ぐらいか

おっとりしたような目…ん、少しに涙ぐんでいるな

胸は少しふくらんでいるし、この顔つき…、性別は女か



入ってきた少女は戸惑っていたので声をかける

「どうかなさいましたか?えっと…」と私

「あっ、えっと私は隣りの病室の雨音ぬいっていいますっ」

「雨音さんね、私は…」

「知ってます、二村さんですよね」

「はぁ、ご存知でしたか」

「はいっ、前から気になっていたので…」

「はぁ…」

気になっていた?どういうこと?



「い、いきなりですけどいいですか?」

「え?あぁ、はいどうぞ」

いきなりの質問だったので思わず了承してしまった

「あ、あのっ、二村さんはお友達が多いみたいですけど…」

……友達?不愉快な話になりそうだ…

前述の通り、私は友達が嫌いだ

「それが何か?」

ちょっと目つきを鋭くして言ってしまったか

「あの…私とも友達になってくれませんかっ?」

はぁ…、なんとなく予想はしていたが……

最悪だ



なぜたった今知り合った人間と友達なんかにならなければならない…

「あ、あのっ……」

しかも『友達』だと?

「えっと……」

ふざけるのも大概にしてほしいな

「その……」

いくら隣室だからといっても所詮は他人

「………………」

これだから……

「……ふ、ふぇぇぇぇぇぇ……」

な、泣いた!?なぜ!?

こんなとこで泣かれると、私がいじめたみたいじゃないか

何とかしてでも泣き止まさせないと

「な、泣かないでください」



そう言って私はそっと近くに置いてあったハンカチを渡す

「ひぐっ、あ、ありがとです…」

「どこか体が痛みましたか?」

「いや、ち、違うんです…」

「では、なぜお泣きに?」

「だって二村さん返事しないから無視してるんじゃないかなって…」

うわー、そんなことで……?

でもまぁ黙っていた私も悪いか

「……少々考え事をしていたので返事ができなかったのです」



「ひっく、考え事…?」

「ええ、1つ聞いていいですか?なぜ友達なんかに?」

ホイホイ友達になるなんておかしいだろう、

これぐらいの質問はおかしくない

「だって二村さんお友達が多いから…、私も友達になりたいなーって…」

この子は見舞いに来ている人たちを友達だと思っているのか…



「あのですね…、あの人たちはただのクラスメートなだけであって…友達ではありません」

「え?違うんですか?」

『え?』って…、この子は何か勘違いしていたのだろうか?

「ええ、違います」

これははっきり肯定できることだ

「そうなんですか、……みんな本当に心配してましたけど」

「あれは……ただの偽善です、自己満足です」

そう…ただの自己満足…

そう言ってる私も……



「――多分、違うんじゃ無いですか?」

違う?

彼らの自己満足が?

「私、二村さんのお友達さんが帰るときにいつも見かけるんですけど、みんな本当に心配してました」

「よく……そんなこと言えますね」

「…私、長く病院〈ここ〉にいるからわかるんです。本当に心配してるかしてないか…」

「…………………」

確かに私がこの部屋に来るときから隣は変わらずこの子だった

私より長くこの病院にいるのは確かだ

それならそんなスキルが付くかもしれない

そうだとしたなら彼女の言っていることは正しいのか……



…………憶測だったかもしれない

『友達』を嫌うことで私は何か他のことを見失っていた

自分のただ偏見だけで……

「しょーじき、勘ですけど…。でもはっきりわかります、皆さんが本当に…本当に二村さんが心配なんだって…」

私は…、勝手に『友達』を否定して、自分を守ろうとしていただけなのか……



「あ…、あぅ。ご、ごめんなさい、でしゃばったこと言っちゃいましたね…」

「え?あ、いや……」

「すみません、すぐ帰りますね…。さっきの友達になってくれませんかってのはなしにして忘れてください…」

「あ、ちょっ…」

「し、失礼します。さよなら…」

そういいながら彼女は病室から去る――



「ま、待ちなさいっ!」

「ひゃっ!!」

つい大声で言ってしまい、彼女はびっくりしていた

「すみません、つい大声で…」

「い、いえ…」

すると、ガラッと音を立て、看護師が顔を出して

「二村さーん、大声は控えてくださいねー」

と言って扉を閉めどこかへ行ってしまった



出ようしていた雨音は看護師に怒られた私のベッドの隣のいすに座った

「………………あのぉ…」

「1つだけ聞いていいですか?」

「あ、はい…どうぞ」

さっきからずっと気になっていたことだ

「なぜ私と友達になりたいのですか?」

さっきはなぜ友達になりたいかを聞いた

今度はなぜ私とかということ……

「そ、それは…」

何かやましいことなのか?



「えっと…その…」

「はっきり言ってください、怒りませんから」

子供を相手にしているみたいだ

「ほんとですか?」

「約束は守ります」

「じゃ、じゃあ…実は…」

「実は?」

「は、初めて見かけた時から好きでしたっ!」

「はぁ?」

さっきから会話して少しはわかったと思っていたのだが……

全くわからないな

何言ってるのだこの子は?



呆れた顔で見ていた私は固まったままだった

それを見て彼女ははっと気が付き

「お、怒らないって言ったじゃないですかっ!?」

……呆れただけなのだが

せめて理由を聞こうか

「怒っていません、理由を聞かせていただけませんか?」

「えっと…、単に一目惚れというか…」

雨音は顔を赤らめながら告白してきた

この子……、はぁ…

本当に変わった子だ

「だからお近づきになりたいな~って…」

ついでに体をもじもじさせていた

深い意味はないようだ

権力、才能、知恵、財力でもなく、ただ『私』を簡単でつまらない理由に近づきたいのか

「べ、別にやましい気はありませんよっ」

私の貞操を守ると意味ではやましいかもな



――私はさっきまで『友達』を全面否定していた

しかしそれは自分で作った自己満足な『壁』なだけだ

だがそんな『壁』は彼女が簡単に壊した 彼女がいたから私は変われた

そんな彼女のためだ――

「雨音さん、さっきの話ですが、あなたのお誘いは断らせてもらいます」

「そ、そうですよね…」



「その代わりに雨音さん、私と友達になってくれませんか?」

相手からの甘い誘いに乗るほど私は簡単な女ではない

だから私から頼むことにした

「え……?」

雨音は困ったような表情をして返事をした

私に興味を持った人間に興味を持った私がここにいる

だから……

「だから私と友達に――」

これが今できる精一杯のこと

「……ぷっ、くさい台詞ですね」

わ、笑っただと!?

「し、失礼な、これでも恥をしのんで…」

「冗談ですよ、こちらこそよろしくお願いします、二村さん」

全く…この子は…

「よろしく雨音さん――」



正直、自分でもなんでこんなこと言えたかわからない

でも間違ってはいないと思う

私が彼女と『友達』になったことは――

まあ深く考えるのはまた今度にしようか

確か世間では『友達』は毎日のように遊ぶと聞いた

さて、明日はこの少し変わってる友達と何して過ごそうか――



もし呼んでいただけた方は感想なんてのをいただけると嬉しいです

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