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V-TUBER戦記  作者: 柊柳
楯無紬希
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第A話

「グッモーニング、皆さん。バックアップ所属の楯無紬希だよ」


 ・ グッモーニング

 ・ 待ってた

 ・ 護衛騎士はいないの?


「残念ですが騎士さんはいません! 何回同じくだりをやらせるのかな」


 ・ 護衛騎士のファンなので


「そうなんだぁ。わかるなぁ。紬希も騎士さんには色々とお世話になっているし」


 ・ むしろ保護者

 ・ 保護者だな

 ・ 護衛じゃなくて保護者だったな

 ・ プラチナスライムの戦いは燃えた


「そう! プラチナスライム! みんな、見てくれた」


 ・ 見たよ

 ・ 凄かった

 ・ 護衛騎士パなかった

 ・ え、なにそれ?


「あ、知らない人もいるから……。って、あ。その前に今回はゲストがいるの忘れてた」


 ・ おい

 ・ 忘れるなよ

 ・ そう言うところだぞ


「ごめんごめん。なんと、今日はゲストにバックアップ社に新しく入って来た夢乃愛ちゃんが来てくれました。みんなパチパチ」

「こんにちはー。バックアップ所属の夢乃愛でーす。先輩、忘れるなんてひどいですよ」

「ごめんごめん。段取り通りに行おうとしたんだけど、プラチナスライムの話題が出たから興奮しちゃった」


 ・ あれは仕方がない。

 ・ 興奮したな

 ・ あれは神回確定だった


「それ、私も見ましたよ。もーう、騎士様と先輩のやり取りがテエテエすぎて、白米を三杯も食べちゃいました」

「見てくれていたんだ、ありがとう。けど、騎士様って?」

「わたし、護衛騎士様の大ファンなんです。先輩から危険を守る黒鉄の鎧騎士、まるで黒騎士みたいでかっこいいじゃないですか」

「そ、そうかな?」

「そうですよー」


 ・ これは修羅場の予感?

 ・ まさかのNTRか!?


「NTR ? 先輩NTRってなんですか?」

「えっ!? それは……。あとでググって」


 ・NTRとは――。


「わーわー。言わなくていいの! 愛ちゃんは紬希と違って純粋なんだから! 変な言葉を教えないでよ。それより、改めて自己紹介をしよ、愛ちゃん」

「はい! 改めて夢乃愛です。趣味はお料理とジオラマ作り。好きな男性は騎士様みたいな人です」


 ・ ふぁ

 ・ いきなりぶっちゃけたぞ、この子

 ・ 護衛騎士、ゆるすまじ


「えっと、愛ちゃんはなんでV-TUBERになったのかな?」

「わたし、もともとは声優希望だったんですが、なかなかオーディションに受からなくて。そんな時、先輩と騎士様の配信を見て、V-TUBERも面白そうかなって」

「つまり、紬希がきっかけなんだ。なんだか照れるな」

「はい! あれから先輩と騎士様の配信は毎回欠かさず見ていました」

「ありがとうね、愛ちゃん」


 ・ ほんと護衛騎士に感謝だな

 ・ 騎士と会うまで同接が二桁しかなかったしな


「うぐ。みんな痛いところを……。それより、もっと愛ちゃんの事を知ってもらう為に今回はこんなのを用意しました。題してサイコロで愛ちゃんを丸裸にしよう、だよ」


 ・ 題名w

 ・ 昔の番組のぱくりだな


「ぱくりって言わない。オマージュと呼びなさい。えー。愛ちゃんにはサイコロを振って貰って出た目の数に割り振られた質問を答えてもらいます。ちなみに質問内容はこんな感じです」


 ・ 1.前世の自分

 ・ 2.今後やりたいこと

 ・ 3.コラボしたい人

 ・ 4.スリーサイズ

 ・ 5.バックアップの印象

 ・ 6.交際人数


「えぇ!? これ、本当に答えないとダメですかぁ」


 ・ 4と6を希望

 ・ つむちゃんにしてはまともな内容だな

 ・ もっと攻めて来ると思ったんだが


「さすがに紬希もいきなり、経験云々とか言わないよ!」


 ・ はいはい

 ・ 前科があるからなぁ

 ・ バックアップのエロ担当がなに言うのやら


「意義あり! 誰がエロ担当なのよ。紬希よりもクレアちゃんの方がすごいんだから。ねえ、愛ちゃん」

「えっと……。その」


 ・ 困らせるな

 ・ どっこいどっこいだ


「もう! いいわよ、エロ担当で。じゃあ、もっと過激な質問内容に変えてやるわよ」


 ・ 《護衛騎士》やめろ。アホ


「き、騎士さん!?」


 ・ 護衛騎士!?

 ・ 騎士見てた

 ・ 騎士キター


「え、ほ、本物? 誰かの悪戯とかじゃないよね」


 ・ 《護衛騎士》まあ、疑うよな。なら、証明してやろう。おまえと初めてあったのは、アースワームに――。


「わーわーわぁ! やめて騎士さん! それは黒歴史」


 ・ アースワーム?

 ・ ミミズを巨大化させたモンスターだったな


「騎士様騎士様。それでそれで?」

「愛ちゃん! 聞かなくていいから」


 ・ 《護衛騎士》アースワームに拘束されて、食べられそうになっていた。


「騎士さん!」


 ・ 食べられ……。

 ・ 護衛騎士よ。それはどっちの意味だ?


「どっちじゃないよ! 決してエッチな方じゃないから」

「エッチな……。ごくり」

「ねえ。なんでいま生唾を飲んだの!? 愛ちゃんは清楚系キャラじゃなかったの!?」

「私もお年頃なんで大変興味あります!」


 ・ うむ。

 ・ だな。

 ・ 健全健全


「もう! 騎士さん! 騎士さんのせいですよ、こんな風になったのは」


 ・ 《護衛騎士》俺に言うなよ

 ・ 騎士は悪くない

 ・ むしろよくやった

 ・ スクショは!? スクショはないのか、護衛騎士!!

 ・ 《護衛騎士》そんなものはない


「当然よ! そんなのを撮ってオカズにしてたら騎士さんの事を軽蔑しますよ!」


 ・ 《護衛騎士》おまえは何を言っている。んなことより、早く企画を続けろよ。


「誰のせいだと思っているの。まったく」

「ふふ。騎士様はそんなに私の事が知りたいんですね。ちょっとはりきっちゃおうかな」

「……騎士さん」


 ・ 《護衛騎士》だからなんでそうなるんだよ

 ・ 騎士も男だからな。

 ・ わかるぞ。わかるぞ同士よ

 ・ 清楚系は男の憧れだもんな

 ・ 《護衛騎士》お前らなぁ


「いいですよ。だったら、さっさと愛ちゃんを丸裸にしてやるんだから」

「先輩?」

「さ、愛ちゃん! サイコロを振って!」

「は、はい」


 ・ 出目は1かぁ。

 ・ そこは4だろ

 ・ エロ担当はわかっていないな


「なんで紬希が攻められるのかな。えっと、愛ちゃんは前世は何をしてたの?」

「声優の学校に通っていました」

「声優希望だったもんね。声優って色々あると思うけど、どんな作品がやりたかったの?」

「そうですね。某機動戦士のキャラとかプリプリキュアキュアみたいな可愛いものとかやって見たかったかなぁ」


 ・ ジャンルの幅がひろっ

 ・ 某機動戦士とか倍率高そうだな


「でも、私は演技がちょっと下手みたいで、特に怒った時の演技がまったくなっていないって言われたの」

「声優さんにとって、喜怒哀楽の表現は大切だもんね。怒るより泣くとかそっちの方が難しいと思うけど……。ためしにやって見てよ」

「え!? そんなの台本にありませんでしたよ」

「うん! いま決めたから」


 ・《護衛騎士》無茶振りさせるなよ

 ・ 出ました。つむちゃんの気まぐれ無茶振り

 ・ けど、聞きたいな


「わ、わかりました。じゃあ、騎士様」


 ・ 《護衛騎士》ん?


「騎士様嫌い。大嫌いです」


 ・ ……

 ・ ……

 ・ ……

 ・《護衛騎士》えっと。


「えっと、愛ちゃん? それは怒っているのかな?」

「はい。私なりに全力で怒ってみました」

「どこがよ! 声色が甘えているようにしか聞こえないよ! あんな風に言っても文面通りに捉えてくれないわよ」

「みんなからそう言われました」


 ・ ……はっ!? 意識を持っていかれた。

 ・ 川岸の向こうから亡くなったばあちゃんが手を振っていたよ。

 ・ 俺も俺も。久しぶりに愛犬の姿を拝めた。

 ・ 恐るべし。夢乃愛


「ほら見なさい。みんな、浄化されそうになっているじゃないの」

「そう言われましても」

「わかった。お手本を見せるから、ちゃんと見ていてよ。騎士さん!」


 ・《護衛騎士》また俺なのかよ


「騎士さんヒドイ! 紬希がいるのに愛ちゃんにメロメロになるなんて! あそこをちょんぎるぞ、ゴラァ!」


 ・ ひぃ!?

 ・ それだけは!

 ・ まだ初物だから許して

 ・《護衛騎士》ツッコミどころが多々あるぞ、オイ


「えっと……。こうですか? 騎士様、ヒドイ。先輩より私の方を見てよお」

「ちがーう! なんでそんな声色になるのよ。それじゃあ、ただ誘惑しているだけじゃないのよ」

「そう言われても。先輩の真似をしただけなのに」

「どこがよ」


 ・《護衛騎士》いいけど、俺を名指しして言うのやめてくれない?

 ・ 羨ましいぞ、護衛騎士

 ・ 騎士を取り合う……。これはいいネタになりそう


 「怒るのが不得意なのはわかったわ。じゃあ、得意なのは?」

「えっと、それなら……。コホン。先輩。先輩は私のことどう思っているんですかぁ? わたしはぁ、先輩のこと、大好きです」

「…………はぅ!? なにこの子。超可愛いんだけど。お持ち帰りしてもいい? てか、お持ち帰りするぅ」


 ・ これいいのか?

 ・ 破壊力やばいな

 ・ 別ベクトルでつむちゃん並だな

 ・ 天然清楚系(?)か。バックアップにいないタイプだな


「なんで(?)なの?」

「そりゃそうよ。愛ちゃんはエロゲーとかでデビューしたら一世風靡してたかもね」

「興味はあったけど、それはちょっとぉ」

「そうなの? 最近のエロゲーはすごいわよ。シナリオが面白くないと生き残らないし、尚且つ主題歌を歌える可能性もあるわよ」

「けど、えっちな声とかできないし」

「素のままで充分じゃない? そんな媚びた声が出せるんだし」

「媚びてなんかいませんよ」


 ・ 出たら買います

 ・ 俺も

 ・ 光の早さで買うわ


「え、えっちいのはいけないと思います!」


 ・《護衛騎士》また懐かしいネタを

 ・ なにそれ?

 ・ 昔のアニメキャラの口癖w


「はいはい。愛ちゃんが天然エロ属性なのは置いておあて次いくよ」

「先輩、ヒドイー」


 ・ 次は……おっ!?

 ・ 4!

 ・ キタキター


「スリーサイズだって」

「スリーサイズなんかわかんないですよ。測ったことないですし」

「けど、上のサイズぐらいはわかるでしょ」

「えぇ。言うんですか?」

「もち。あ、リアルの方ね」


 ・ 《護衛騎士》なあ、いいのかこれ?

 ・ いいんだよ

 ・ ネタにしてこそV-TUBERなのさ

 ・ 護衛騎士も気になるだろ?

 ・ 《護衛騎士》まあ、ならないと言えば嘘になるが


「えっとぉ。この前、買いに行った時、また一つ大きくなったみたいで、Jカップを勧められたかな」

「じぇ、J!?」


 ・ J!?

 ・ でか!

 ・ リアルでいるのかよ、そんな子


「つ、紬希はDだから……。六階級も違うだと!?」

「大声で言わないでくださいよ」

「しかも、紬希より身長低いから……。リアル巨乳ロリータか。……ぱない」

「身長のことは言わないでくださいよ。大きくなるためにたくさん牛乳を飲んだのにちっとも伸びなかったんですから」


 ・ 《護衛騎士》それ迷信らしいぞ


「うそぉ。お友達はたくさん牛乳を飲んだから大きくなったって言っていたのにぃ」

「あはは。今時、信じている子も珍しいけどね」


 ・ 天然エロ清楚系のJカップ

 ・ 薄い本が量産されるな


「そうだね。ちょっと楽しみかも」

「……? あの、薄い本ってなんですか?」


 ・ え?

 ・ マジ?

 ・ 薄い本を知らないだと

 ・ 《護衛騎士》いや、いるだろ。知らないやつとか


「愛ちゃん。薄い本とは、愛ちゃんがピーして、ピーされ、ピーになっちゃうエッチな本のことだよ」

「えぅ。わたし、先輩と一緒に騎士様さまからピーされちゃうんですか!?」


 ・ 《護衛騎士》なんでだよ!?

 ・ 護衛騎士ぃ

 ・ なんてやつだ

 ・ うらやまけしからん!

 ・ 護衛騎士はやはり鬼畜騎士だったのか

 ・ 《護衛騎士》だからなんでだよ!?


「興味あるなら今度貸してあげるよ」

「えと、その……。お願いします」


 ・ 《護衛騎士》おい、誰か止めろ。

 ・ 諦めろ、護衛騎士

 ・ 探求心は誰にも止められないのさ


「……っと。結構時間が経ったね」

「そうですね。何だかあっという間でしたね」

「まだ2つしか質問していないけど、今回はここまでにしようか。続きはまた今度にしましょう」

「はい」

「最後に皆さんにご報告です! 今度の土曜日になんと、紬希と騎士さん。そして愛ちゃんの三人でD-WORLDの配信を致します」

「ゲームはあまり得意ではないので、よろしくお願いします!」

「大丈夫、騎士さんもいるから!」

「騎士様。会えるのを楽しみにしています」


 ・ 《護衛騎士》言っていた新人ってあんただったのか。


「はい。キャラネームは同じ夢乃愛なのでよろしくお願いします」

「じゃ、今回はここまで! 愛ちゃんのチャンネルは概要欄に記載しておくので、みんなチャンネル登録よろしくね」

「皆様と楽しくお話しできるのを楽しみにしています」

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