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第五話 表情

「さて、これで今回の臨時講師は以上だよ」


 リアラの怪物の話の後にサリシアは簡単な回復魔法や自分が聖女になった時の話しなどを交えながら今回の臨時講師を終えた。


「は〜疲れた」


「お疲れさま。はい水よ」


「ありがとうルルちゃん」


「皆聖女様の話しを真剣に聞いていたわね。幼少期のサリシアとは大違い」


「仕方ないね。マリエル曰く私は剣を振るうこと以外興味を持たないどうしようもない聖女らしいから」


「なんで開き直るのよ」


 だって事実だし。

 昔マリエルに言われたが事実過ぎて

『そんなの当たり前だよ。だって私だよ』と言ってしまった。

 まぁマリエルにはどうしようもない子を見る目でため息をつかれていたが。


「それにしても皆元気そうで良かったよ」


「あら!?」


 ルルの目には今のサリシアの表情が幼少期によく見ていた聖女、お祖母様と同じように写っていた。


(今のサリシアの表情……やっぱり似るのかしら同じ聖女だものね)


 サリシアの表情は聖女特有の優しい笑みを浮かべていた。


「うん?ルルちゃん」


「なんでもないわ」


「うーん」


 サリシアはルルの顔を見つめながらルルの考えていたことを理解した。


「私の顔お祖母様に似てた?」


「よく分かるわね」


「私の一番得意なことだからね、理解は。それに幼少期から私もルルちゃんのお祖母様、聖女様のこと見ていたんだよ。それも師匠だしね」


「それもそうね」


 幼少期の頃からしていた何年たっても変わる事がない他愛もない二人の会話。 


「さてサリシア、陛下から頼まれていた仕事がまだまだまだあるんでしょう?そっちわ」


「ルルちゃん」


「手伝わないわよ」


「まだ言ってないよ」


「私も幼少期からサリシアを見ていたのよ。分かるわね、こういう時にあなたが何を言うかなんて」

 

「ケチ」


「頑張ってきなさい」


「……………はーい」



◆◆◆◆◆◆



 サルマニアにある都市の一つラグナの周辺にて少年のような姿をした人影。

 ゆうに数百以上のゴブリン達の前に堂々とした姿をして一人で立つ。


「前のオーガ達よりは弱いけど支配していこうか」


 少年のような姿をした何かが対峙するゴブリン達を次々に支配していく。

 そこに悪意などなくまるでそうすることが支配していくのが自分にとって当たり前のような表情をして。 


「さて次は君だね、支配出来る相手は全力で支配していこう」


 少年の目的は支配。

 出来る限り全部支配する。

 支配者は自分だと教えるように。


「前のオーガ達みたいにすぐさまやられても困りはしないし、またこうして支配していけばいいけど面白くはないな。支配者は僕なのに」


 生物の感情はそうそう制御できるものではない。

 どんな想いを抱こうともそれが暴走し具現化してしまえば世界にとっては災厄となる。


「大丈夫だよ。ただ僕が君の支配者になるだけ、たったそれだけのことだよ。さぁおいで」


 またオーガ達みたいに増やしていくのもいいかな、僕が全部を支配するんだ。


 それはリアラの怪物、具現化した想いは支配であった。

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